今持っているスキルをさらに磨く、あるいは異なる領域のスキルを習得して仕事の幅を広げるなど、ビジネスパーソンにとってスキルアップは重要かつ身近なテーマのひとつです。
では、スキルアップとは、具体的に何を指す言葉なのでしょうか。今回は、スキルアップという言葉を取り上げ、その意味やメリット、習得方法などについて解説します。
スキルアップとは?
スキルアップとは、仕事や研修、学習、訓練などを通じて、個人の能力を向上させることです。
スキル(skill)とは英語で「技能」や「技術」という意味ですが、元々個人に備わっている能力というよりも、経験や学習、訓練などによって得たものという意味合いを持っています。
スキルアップとキャリアアップの違い
スキルアップと似た言葉に、キャリアアップがあります。キャリアには、経歴、役職、地位といった意味があり、キャリアアップとはこれらを向上させることを意味します。
社内で昇進することも、転職によって現職より多くの収入を得ることもキャリアアップです。より広義には、今よりも規模の大きい企業へ転職することもキャリアアップと呼ばれます。
ビジネスにおいて求められるビジネススキルとは?
スキルという言葉を聞くと、エンジニアなどの技術や技能を思い浮かべる人もいるかもしれません。ですが、ビジネスにおけるスキルは、さまざまな職種に求められる、広い意味で「能力」を意味する言葉で、ビジネススキルと呼ばれます。一般的にビジネススキルには、下記のようなものが挙げられます。
<ビジネススキルの例>
・特定の業務に関する知識・経験
・ビジネスマナー
・コンピューターやITツールを使う能力
・コミュニケーション能力
・問題解決能力
・語学力
・自己管理能力
・マネジメント力
これらのビジネススキルのうち、特定の業務を遂行するために必要な専門知識や技術を「テクニカルスキル」、周囲と良好な関係を築くための対人的な能力や技能を「ヒューマンスキル」として分類する考え方もあります。
また、この2つに加えて、物事を概念化あるいは抽象化し、その本質やロジックを捉えて判断を下す能力を「コンセプチュアルスキル」と呼ぶこともあります。コンセプチュアルスキルは、マネージャーなどの上位職であれば特に求められるスキルです。
スキルアップをするメリット
スキルアップをすると、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。代表的なメリットを4つ挙げて解説します。
業務の幅が広がる
スキルアップをすれば業務の遂行能力が上がり、より多くの仕事、難度の高い仕事、価値の高い仕事をこなせるようになります。それにより、組織の生産性向上や企業としての売上アップにも貢献できるでしょう。
評価が上がる
スキルアップできれば、社内外からの信頼度が増し、周囲からの評価が上がります。人事評価に反映された結果、昇給や昇進につながることも考えられます。
モチベーションがアップする
業務遂行能力が上がると、業務に関する視野が広がり、仕事に対するモチベーションもアップします。
モチベーションがアップすれば、仕事を楽しめるようになったり、さらに効率的に業務を行う工夫ができるようになったりするため、より主体的に仕事に取り組むことができるでしょう。
将来の選択肢が広がる
スキルアップによって具体的な実績を上げられれば、社内で昇給・昇進するだけではなく、転職や独立という選択肢も見えてきます。スキルアップすることで具体的なキャリアアップに結びつけられるでしょう。スキルアップは、自身の市場価値を高めるために有効な手段といえます。
スキルアップするために取り組みたいこと
スキルアップをするには、具体的にどのようなことをしたらいいでしょうか。続いては、スキルアップを図るために取り組みたいことを6つご紹介します。
日常業務を通じて経験を蓄積する
スキルアップに重要なのは、日々の業務を通じて経験を積み重ねながら知識を蓄え、スキルを熟練させていくことです。
特定の業務に携わっていると、経験を積めば積むほど効率的にその業務を行えるようになっていきます。業務の効率がアップしたと実感できるような経験を積むことが、スキルアップの第一歩です。
業務の専門性を高める
同じ業務をしている人と同じ程度の知識や技術を得るだけでは、スキルアップすることはできません。スキルアップをするためには、今、自身が携わっている業務を掘り下げ、より専門的なことを学ぶ努力が必要になってきます。
例えば、「専門書を読む」「先輩や専門家から指導を受ける」「社内や業界内で人脈を広げて交流する」など、多くの情報を得ることもスキルアップの方法のひとつです。また、自分が学びたいことの周辺領域にも幅を広げて学習する方法で、スキルを高めていくこともできます。
多くの企業では、社員のスキルアップのための研修や教育プログラムを用意していますので、これらも活用するといいでしょう。
資格を取得する
特定の領域の知識や技術・技能を得るためのピンポイントな学習ができ、客観的に評価されやすいのが資格の取得です。
現在の仕事に関連した資格を取得することも、異なる分野の資格に挑戦することもメリットがあります。高難度の資格を取得すれば、昇給・昇進に結びつき、転職時のアピール材料にもなるでしょう。
各種スクールを受講する
通信教育やオンライン講座など、各種スクールを受講するのもスキルアップに役立ちます。
近年はビジネス関連のオンライン講座が充実しており、自宅で気軽に受講できる点も魅力です。オンライン講座には、動画配信型、マンツーマン型、グループレッスン型などがあり、自分に合ったものを選ぶことができます。
セミナーやワークショップなどのプログラムに参加する
スキルアップをするには、勉強会などの形で開かれているセミナーやワークショップに参加する方法もあります。セミナーは講師の話を聞くスタイル、ワークショップは参加者が課題を通して何かを体験するというスタイルで行われるのが一般的です。
どちらも新しい知識や知見を得られるほか、同業者などと知り合って人脈を広げられる可能性もあります。
副業を始める
副業が許されている企業であれば、空いている時間を使って自宅などで別の仕事をし、スキルを身につけながら収入を得るという方法も選択できます。副業をきっかけに興味のジャンルを広げて、これまでとは異なる知識やノウハウを得ることもできるでしょう。
ただし、副業をするとオーバーワークになってしまうリスクがあります。ですが、「やりたいことに挑戦できる」「転職や起業に結びつくことがある」「インターネットで選択肢が広がっている」といったメリットもあり、副業に注目する人も増えています。
スキルアップを目指す際の注意点
スキルアップしたいと考えてはいても、その内容や方法は人によって異なります。また、具体的に何から始めればいいのかわからないこともあるでしょう。そこで、スキルアップを目指すときに注意したいポイントをご紹介します。
どのスキルをアップさせたいのかを明確に
どんなスキルを伸ばしたいのかを明確にし、スキルアップの目標を立てます。働きながらスキルアップするには、時間をうまく使うことが重要です。限られた時間を有効に使うには、何のためにスキルアップしたいのか、その目的を明らかにしましょう。
例えば、現在の業務に必要なスキルを向上させたい場合は、その業務に必要なスキルをリストアップし、さらに自分の強みと弱点を洗い出してみるのもおすすめです。
自分の強みを強化するのか、あるいは弱点を克服するのかによって、どのような訓練・学習をすべきかがわかりやすくなります。
目標を立てて計画的に学んでいく
スキルアップを目指すには、いつどのようにして何を学ぶのかという目標設定と、計画を立てることが重要になります。スキルアップをするには、根気強く継続的に取り組む必要がありますから、訓練や学習を続けられるよう、モチベーションも維持していかなくてはなりません。
例えば、資格取得を目指すのであればゴールがわかりやすいため、計画的に学習していくことができるでしょう。資格取得ではなくても、スキルアップの目標とそのための計画を軸にし、日常生活に組み入れるなどして、着実に学習を進めていくことが重要です。
スキルアップは戦略的に進めよう
スキルアップは、自身の評価や市場価値を高めるための方法として有効です。スキルアップを目指す際には、今自分に求められているのがどのようなスキルで、それをどのようにして身につけるのが効率的なのかという、戦略的な視点を持つべきでしょう。
これを機に、自身のスキルを強化する最適な方法について考えてみてください。
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