スマートフォンやモバイルデバイス用OSとして普及するiOS。iOS上で動くアプリケーションを開発するiOSエンジニアは、国内でのApple人気と相まって、転職市場でも高い需要を維持している職種です。
即戦力を求める企業が多く、未経験からの転職はなかなか難しいとされますが、Kさんは第二新卒枠に狙いを定めてそのハードルを突破。iOSだけでなく、Androidの開発も手掛ける企業で、キャリア向けアプリ開発を経験した後、直近の転職で誰もが知る大手SIerのモバイルアプリケーションエンジニアとして、キャリアアップを果たしました。
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンのコンサルタント・坂本は、Kさんのスキルだけでなくコミュニケーション能力の高さに注目して現職を紹介したといいます。
坂本と頻繁に連絡をとることが「心の支えになった」とKさん。「他社の選考進度を踏まえた面接調整のほか、面接官のタイプや好まれる人物像といった企業内部の深い情報提供など、転職の不安を取り除く細やかなサポートがうれしかったです」と活動を振り返るKさんに、RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでの転職体験談を聞きました。
<転職者>
Kさん・30代(中規模SIer iOSエンジニア→大手SIer モバイルアプリケーションエンジニア)
イベントの企画職からiOSエンジニアへ
――初めに、ご経歴からお聞かせください。
Kさん:新卒でイベントの運営や広告事業を手掛ける会社に入社し、主に企画職を担当した後、iOSエンジニアとして転職しました。現職は3社目で、やはりiOSを含むモバイルアプリケーションエンジニアとして大規模なアジャイル開発に関わっています。
――学生時代やプライベートなどで、開発に携わった経験があったのですか?
Kさん:いいえ、まったくの未経験です。イベントは期間が終われば跡形もなく消え、顧客の売上に必ずしも貢献できるとは限らないことに虚しさ、寂しさを感じていたので、「形が残るものづくり」をしたいと一念発起しました。
残業が非常に多く、休みがほとんどなかったことも転職を考え始めた理由のひとつですね。若いうちは体力と勢いで乗り切れても、年齢を重ねたときに同じ働き方ができるかというと、ちょっと難しいなと。
当時、ちょうど第二新卒に注目が集まっていて、実務経験より社会人経験を重視して門戸を開いている企業が比較的多かったので、思い切って活動を始めました。
――では、技術については研修や独学でゼロから学んでいったのですね。
Kさん:はい。いっしょにスタートした仲間のうち、開発にまったく関わったことがないのは私だけでした。質問のレベルがあまりに低かったので、研修講師の社員も驚いたと思います。何しろ、研修で初めてデスクトップパソコンをさわったんですから(笑)。
そんな中で出された課題が、「3ヵ月の研修期間中にAndroidアプリを作る」というもの。終業後や休日も開発に取り組んで、なんとか仕上げました。
――すごい努力ですね!そこから徐々にスキルを積み上げていったと。
Kさん:プログラムのバグやシステムの欠陥を見つけるテストから始めて、実務設計へとシフトアップしました。できることが増えていく楽しさ2割、締め切りに追われる中で成果を出さなければならないプレッシャー8割という感じで。楽しいばかりではありませんでしたが、AndroidにもiOSにも対応できる基盤を作ってもらった7年強だったと思っています。
スペシャリストとしてキャリアを突き詰めるために、転職を決意
――2社目で転職を考えられた理由を教えてください。
Kさん:勤続年数が長くなるにつれて、求められるものが現場での技術から管理職としてのマネジメントに変わっていき、管理職へのステップアップを打診されました。クライアント対応でも営業的な要素が強くなって、やりたいこととずれ始めた感覚があったんです。
現場でスペシャリストとしてものづくりを続けたい気持ちが強かったので、転職を決めました。
――2回目の転職活動はどのように進めていかれたのでしょう。
Kさん:2020年の10月から、友人の紹介で登録した転職エージェント経由で転職活動を始め、同じIT系できちんとキャリアプランが組めるような会社に絞って何社か応募しました。当時、常駐していたキャリア系をはじめ、メーカー系大手などにアプローチしてもらっていましたね。
並行してRGFさんに登録したのが、2020年の年末頃です。他社でいくつか内定をいただいていたのですが、スカウトメールをきっかけにお話を伺いました。そのとき、ご紹介いただいた会社のひとつが現職です。
――紹介を受けたとき、率直にどう思われましたか?
Kさん:現職とは2社目で接点があって、優秀な方が多い印象でした。自分の中で神聖化していた部分があったので、「えっ、ここ?本当に大丈夫か?」と(笑)。
思い切ってエントリーできたのは、担当コンサルタントの坂本さんがプッシュしてくださったおかげです。
担当コンサルタント・坂本から:キャリアはもちろん、コミュニケーション能力も重要なポイント
Kさんの現職である大手SIerは、ベースとして求める技術力が高いのはもちろんですが、判断基準の多くをソフトスキルが占めている会社。面接では、ほとんど人間力を見ているといっても過言ではありません。
元々は、キャリア向けアプリ開発経験の長さに注目してスカウトメールをお送りしたのですが、お話の中でKさんのコミュニケーション能力の高さ、頭の回転の速さが現職と非常にマッチすると感じてご紹介させていただきました。
当社のコンサルタントは、求人票には出ていないソフトスキルの部分を含めて、企業が求める人材像を深く理解しているため、一般的な転職活動では出会いにくい企業とのご縁をサポートすることができます。
コンサルタントの情報にもとづく徹底した自己分析を実施
――活動期間はどれくらいでしたか?
Kさん:転職活動自体は3ヵ月くらいです。RGFさんを利用しての転職活動は、年末にスタートして内定が出たのが1月末ですから、トータルで約1ヵ月ですね。先に内定が出た会社にお返事を待っていただいている状況だったので、坂本さんにお願いして全体の選考スピードを早めていただきました。
――コンサルタントとは密に連絡をとられていたのですね。
Kさん:そうですね。小まめに連絡をくださいましたし、こちらからもよくお電話やメールをしていたと思います。1次面接の後にも、「坂本さん、だめかもしれないです~!」と電話したのを覚えています(笑)。全体のスケジュール管理など、事務的な面でのサポートはもちろん、精神的な部分にも寄り添ってくれたのがうれしかったですね。
「何かあれば坂本さんに相談できる」という心強さは、1ヵ月間大きな支えになりました。
――面接前のアドバイスなどはいかがでしたか?
Kさん:面接官としてどんな人が出てくるか、どんな傾向の質問が多いかといったところまで、事前に細かく共有してくれました。
面接ではなるべく本心で話すことが前提ですが、表現の仕方や言葉の選び方によっては、自分の意図と異なる印象を与えてしまう可能性があります。
僕は、口がうまいほうではないと自覚しているので、坂本さんにいただいた情報をもとに「どう伝えれば相手の心に響くのか」「どんな言い方をすれば自分らしさが伝わるのか」といった点を細かく分析して面接に臨みました。
担当コンサルタント・坂本から:面接の日程調整や情報収集を一任でき、精神的・肉体的負担を軽減できる
在職中の転職活動では、面接の日程調整に悩むケースが多いです。特に、現職が多忙でなかなか休みが取れない、残業が多いといった場合、限られた時間を有効に使って、うまく面接日程を組まなくてはなりません。こうした日程調整の部分をコンサルタントに任せられるのは、転職エージェントを利用するメリットのひとつでしょう。
Kさんも非常に多忙だったので、肉体的、精神的負担をいかに軽減できるかを考えてサポートに徹しました。
マインドロックを解除すると、新たな可能性が見えてくる
――コロナ禍での転職活動でしたが、面接はオンラインが主体でしたか?
Kさん:他社も含めて、すべてオンラインです。私自身は、仕事柄もあってオンラインに不自由は感じず、むしろメリットだらけでした。性格上、対面の面接だったらもっと緊張して、思うような受け答えができなかった気がしていて(笑)。オンラインで、自分が一番落ち着く環境にいられたからこそ、リラックスして臨めたんじゃないかと思っています。
在宅勤務で直前まで仕事をして面接に切り替えられるなど、移動時間が発生しないことも在職中の身にはありがたかったですね。
オンラインだと温度感が伝わりにくいなどデメリットがフォーカスされがちですが、実はプラスに働く部分も多いのではないでしょうか。緊張しがちな人、現職が多忙で転職活動に踏み切れずにいる人などにとっては、むしろ転職活動をスタートする良いチャンスだと思います。
――最後に、転職しようか悩んでいる方に、メッセージをお願い致します。
Kさん:忙しく働いていると、なかなか自分のキャリアと向き合う時間がありません。キャリアの棚卸をして、実績や強みは何か、それをどう活かせるのかなどを突き詰めて考えることができる転職活動は、私にとって有意義で楽しいものでした。
また、自分の市場価値を年収という形で可視化してもらう機会も、転職活動以外ではなかなかないものです。
やって来た仕事がほかの企業にとってどれほどの意味があるのか、どれだけ社会に貢献できるのかを知り、モチベーションを向上させることができました。
「自分はここまでしかできない」「自分の得意分野はこれ」といったマインドロックを外すと、新しい世界が見えると思います。勇気を出して、一歩を踏み出してみてください。