未経験から外資系企業への転職に対して、「未経験ではハードルが高い」「英語力がないと難しい」など、ネガティブなイメージを抱いている人は多いかもしれません。しかし、企業が求める経験にフィットするスキルがあり、社風にフィットする特性があれば、未経験でも外資系企業の内定をつかめる可能性は十分にあります。
特に、「ロジカルシンキング」は、迅速な意思決定が重視される外資系企業で、評価される特性のひとつです。
通信会社の営業経験をもとに、「営業職」を軸に転職活動をしていたTさんと出会ったとき、RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンの担当コンサルタント・鈴木が見初めたのが、このロジカルシンキングの能力でした。
それまでなかなか面接にまでたどり着けず、「本当に苦しかった」と活動序盤を振り返るTさん。鈴木が紹介したのは外資系IT企業のサービス部門です。Tさんが転職を考えた理由、職場に求めるもの、Tさん自身が気づいていない稀有な能力、そのすべてを加味した上での紹介でした。
「最初は驚いたけど、最終的には鈴木さんのためにも絶対に内定を取ろうと思った」と話すTさんに、転職体験談を聞きました。
<転職者>
Tさん・40代(大手通信会社営業職→外資系IT企業サービス部門)
年齢的に新しいチャレンジは難しいと思っていた
――元々は、大手通信会社で長く営業をしていらしたのですね。
Tさん:私は就職氷河期と呼ばれる世代で、新卒では自分の好きな仕事に就くことが難しい時期でした。学校を卒業後、複数の携帯電話会社の機種を取り扱う併売店で2年程働いた後、携帯電話領域の営業職として前職に採用されました。
ちょうど携帯電話の需要が高まってきた時期でしたから、最先端の機器にふれられることへの興味が大きかったですね。実際にやってみたら思いのほか楽しくて、気づいたら15年も在職していた…という感じです。
携帯電話の営業というと、ショップでの販売からアフターフォローのイメージが強いと思いますが、代理店や家電量販店を回って、経営者や責任者と商談をするのがメインの仕事でした。
――就職した頃とは、業界を取り巻く環境も変わってきたのでは?
Tさん:そうですね。携帯電話一本で事業が成り立つ時代ではなくなり、商材やサービスが多様化しました。キャリアの後半は、それらをどう拡販していくか、どうすれば代理店が利益を上げられるか、戦略を考える仕事にシフトしていましたね。
前々職時代、代理店の皆さんのがんばりを間近で見ていたので、代理店の売上に貢献できることはやりがいのひとつでした。戦略が当たって利益が出て、感謝の言葉をもらうと、それまでのつらさも吹き飛ぶ思いがしたものです。
――取引先と並走できる営業だったのですね。長年勤務し、やりがいも感じていた仕事から、なぜ転職を考えたのでしょう。
Tさん:やりがいはありましたが、その分かなりのハードワークでもありました。体調を崩して休職せざるをえなくなり、持病の腰痛も悪化。そのあいだに、これまでの営業から店舗勤務への異動が決まり、身体の状態から働き続けるのが難しいと判断しました。
――そうだったのですね…。転職にあたっては、何を軸にしていましたか?
Tさん:前職の最後がそのような状態でしたから、心理的安全性が高いこと、長期的に働けることが大切だと思っていました。
ただ、40代半ばでの転職ですから、それほど贅沢を言える立場でもないと思っていたのも事実です。この年で転職するなら、これまでやってきた営業職しかないと考えていたし、新しいことにチャレンジするのはハードルが高いと決めてかかっていました。
なので、まずは自分が長年やってきたことをアピールできる営業職であることを前提に、「希望する条件をある程度満たしてくれる会社があればいいな」という気持ちで活動を始めたんです。
担当コンサルタント・鈴木から:転職理由や転職軸を整理できていると紹介がスムーズ
Tさんのように、「なぜ転職するのか」「転職して何がしたいのか」「転職で重視することは何か」を言語化できていると、面談ではよりお話を深掘りしていくことができます。焦らず、納得できる転職をするためにも、一度キャリアの棚卸をしておくことをおすすめします。
RGFコンサルタントの提案で転職軸を変更
――転職活動はどのように進めていったのでしょう。
Tさん:前回転職したのが15年前ですから、今の転職事情がまったくわからなくて…。とりあえず、CMでよく見るサービスや、大手の人材紹介会社に登録しました。
――活動を始めてみて、どうでしたか?
Tさん:正直に言って、想像以上にきつかったです。面談をして、私の経歴や希望条件などを共有しても、希望に合った求人がもらえませんでした。退職してからの転職活動でしたから、だんだん焦りも出てきます。我慢して待っているだけではらちが明かないと思って、コンサルタントさんを替えてもらったり、何度も条件をすり合わせたり、試行錯誤しましたね。
今思えば、年齢などで厳しいとはいっても、「大手企業にいたからなんとかなるだろう」という慢心がどこかにあったのかもしれません。9社受けて面接に進めないままもがいていたとき、RGFさんからスカウトメールをもらったんです。
――それがRGFとの出会いだったんですか。
Tさん:そうです。スカウトメールをくださった方と面談の時間が合わず、対応してくれたのが担当コンサルタントの鈴木さんでした。面談では、前職で休職するに至った理由や退職理由、転職活動の状況、これからどんな仕事をしたいかについて、丁寧にヒアリングしてくれた記憶があります。
そのとき紹介してくれたのが、今回内定をもらった外資系IT企業のサービス部門だったんですよ。
――営業職ではなかった?
Tさん:そうなんです。鈴木さんは、前職がハードワークで心身に影響が出たこと、できれば心理的安全性の高い企業で長く働きたいと思っていることに注目して、働きやすい企業風土を優先して紹介してくれました。紹介企業は、鈴木さんが前職でパートナー企業としてお世話になっていた企業で、社風や働いている人のことをよくご存じだったそうです。
とはいえ、最初は営業職でないことが不安でした。また、新しいことにチャレンジする怖さもありました。
業界も職種も違う上に、そこで活かせる経験やスキルもなく、活躍できる自信がなかったんです。それを正直に伝えると、自分自身では無自覚だったロジカルシンキングが私の強みであり、外資系の風土に合うこと、今度のポジションでも活かせることを丁寧に説明してくれました。
最終的には、鈴木さんの熱意に心動かされて応募を決めた感じです。
担当コンサルタント・鈴木から:活動の軸の見直しも、転職活動では重要なポイント
Tさんは、こちらの質問の意図をくみ取り、非常にロジカルに、端的にお話しされる方です。これまでの経歴についてお聞きする中で、心身のバランスを崩されていたこと、今度はより安心できる環境で長く働きたいと考えていらっしゃることもわかりました。
携帯電話営業一本でやってきた方ですが、潜在能力の高さを考えると、他職種でも必ず活躍できると思い、転職軸から「営業」を外して風土にフォーカスするご提案をしました。
当社では、面談でじっくりお話を伺い、その方が気づいていない能力やスキルも踏まえて幅広く企業とのご縁をサポートしています。
コンサルタントとの相性が転職成功のカギ
――応募を決めてから、どんな準備をしましたか?
Tさん:帰り際には、「あれだけ熱意を持ってすすめてくれる会社について、もっと知りたい」と純粋な興味でいっぱいでした。
帰宅してすぐにやったことは、インターネットでの情報収集です。すると、「働きやすい」「人が良い」といった好意的な情報がどんどん出てきました。この安心感がベースにあれば、新しいことにもチャレンジできるかもしれないと思いましたね。
仕事についても「困っているお客様の話を聞いて、自社の強みを活かせる部分があればソリューションを提示していく役割」だと理解することができました。
形は変わっても、やることは営業と変わらない。腹落ちしてからは、この企業に賭けるつもりで、業界と企業について徹底的に勉強しました。
――かなり業界研究や企業研究をしてから選考に臨まれたんですね。
Tさん:そうですね。鈴木さんの熱意を思うと、絶対に落とせない。その一心でした。これまでの40数年間で一番勉強したかもしれない(笑)。実際、勉強したおかげで、本国の親会社は世界トップクラスのITディストリビューターであることなどを確認でき、安心感と働く意欲は高まっていきました。
鈴木さんにお会いして、これまでのこだわりを捨てて新しい企業と向き合った結果、すごく前向きに転職活動に取り組むことができたと思います。
――面接はいかがでしたか?
Tさん:事前に面接官がどんな人なのかを聞いていましたし、社風的に圧迫面接はないと言われていたので、リラックスして面接に臨めました。面接の中でも、採用後に想定されている業務について詳しくご説明いただき、「人の良さ」の一端を感じられたのも安心材料になりましたね。
鈴木さんにお会いするまでの3、4ヵ月は「一生決まらないんじゃないか」と思っていました。だから、これから働くのがとても楽しみです。
──最後に、転職しようかどうか悩んでいる方に、メッセージをお願いします。
Tさん:転職エージェントを利用する場合、コンサルタントさんとの相性はとても大事だと思います。私も何社も人材紹介会社を利用しましたが、同じ情報を提供してくれていても、鈴木さんのような視点で提案してくれるコンサルタントさんはいませんでした。
なので、違和感があったり、対応に不信感があったりしたら、早めに別の方に依頼することをおすすめします。「この人のためにがんばろう!」と思えるような、熱意のあるコンサルタントさんに出会えるといいですね。