転職活動の方法は、大きく2つあります。気になる企業のウェブサイトなどから直接応募する「自己応募」と、条件を伝えて企業を紹介してもらう「転職エージェントの利用」です。転職サイトに登録することによって、企業や転職エージェントからのコンタクトを待つこともできます。
いずれの方法にもメリット・デメリットがありますが、現職と並行して転職活動をするなら、自身で行う手続きや折衝はできるだけ少なくしたいもの。そんなときは、面接日程の調整や条件交渉といった煩雑なプロセスを一任でき、業界・企業情報も提供してくれる転職エージェントがおすすめです。
1回目の転職が自己応募だったTさんは、2回目の今回はRGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンを利用。大手プラットフォーマーから外資系コンサルティングファームへの転職を成功させました。
「自分のタスクが半減された」とスムーズな転職を振り返るTさんに、活動を語っていただきました。
<転職者>
Tさん・20代(大手プラットフォーマー→外資系コンサルティングファーム)
エンドユーザーに近い仕事をするため自己応募で転職
――コンサル職は新卒に続いて2回目と伺いました。当時の入社動機から教えていただけますか?
Tさん:アメリカの大学に在学中、各地で開催されていたキャリアフォーラムで話を聞き、コンサルタント職に興味を持つようになりました。
日本に帰ることは決めていたので、勤務地が日本であることを条件のひとつとして10社程にエントリー。最終的には、大手航空会社をはじめとした大手企業に対して、ダイナミックなコンサルティングをしている点に魅力を感じて1社目への入社を決めました。
――どんなお仕事をなさっていたのでしょう。
Tさん:在籍していた3年間に担当したのは、自動車製造業を手掛けるクライアント企業の購買領域における集約化や、コストダウンを目的としたプロダクトの導入です。日本を支える企業が当たり前に使っているプロダクトやシステムを見直すことで、社会生活におけるさまざまな要素も改善されていくところにおもしろさがありましたね。
日本を代表する企業の役員、部長クラスの方々と話をする機会も多く、大げさではなく、国を支える仕事のお手伝いができていると実感していました。
――かなりやりがいがありそうですが、転職を考えたのはなぜですか?
Tさん:クライアントに少しでも良い提案をしようと、各業界のマーケティング手法やブランディングについて調べていたんです。すると、同じプロダクトでも、訴求したいユーザーに合わせて色に変化をつけたり、マーケティング手法を変えたりして集客につなげていることに気づきました。
そこから、エンドユーザーにアプローチするための施策を知りたいと思うようになり、転職を考えるようになりました。もはや、生活に欠かせなくなったコミュニケーションアプリを開発・運営している大手プラットフォーマーで、エンドユーザーの生活に寄り添ったサービスを提供する中で学べることは多そうだったので、転職を決めましたね。
――このときは、どんな方法で転職活動をされたのですか?
Tさん:1回目の転職は、企業のウェブサイトからの自己応募です。面接までに何回もやりとりがあって、今思えばかなり大変でした(笑)。
日本企業の現状に危機感を持ち、コンサルティングファームへ
――2社目のお仕事についても教えてください。
Tさん:コミュニケーションアプリには、企業や店舗、ブランドの公式アカウントと呼ばれるアカウントがあり、友だち追加してくれたユーザーに自社の情報を直接届けることができます。友だち同士のやりとりのような感覚でコミュニケーションを深め、ユーザーをファン化していく仕組みですね。
私はアカウントマネージャーとして、クライアントの状況やニーズに応じた広告出稿の提案、企業やブランドに対する公式アカウントの提案などを行っていました。私自身がコミュニケーションアプリを使うので、新たに契約した顧客の配信を実際に受けたときはうれしかった。今この瞬間、同じメッセージをたくさんのユーザーが受け取っていると想像するとワクワクしました。
――今回の転職につながるきっかけは何でしたか?
Tさん:企業に提案をしていく中で、現代の日本企業が抱える根本的な問題が見えてきた感じがしたんです。大手企業でも中小企業でも「ITリテラシーが低く、サービスを導入するためのインフラがない」「レガシー化した既存システムに依存していて新しい技術に対応できない」といった話を数多く耳にしました。
経済産業省が「DXレポート」で日本企業の諸問題を指摘し、このままでは国際競争力を失って大きな経済損失を出すと警鐘を鳴らしていましたが、まさにそのとおりです。
日本の企業の力を底上げしていかなければ、人口の加速度的減少と相まって、本当に日本はダメになってしまうかもしれない。これから、日本に生まれてくる子供たちのためにも、日本企業の成長に貢献できる仕事をしようと思い、多様なソリューションを一気通貫で提供できるコンサルティングファームへの転職を考えるようになりました。
――やりたいことの視座が高く、しかも明確ですね。ところで、今回の転職では転職エージェントを利用されていますが、それはなぜでしょう。
Tさん:1回目の転職で利用しなかったこともあり、転職サービスの良し悪しがまったく判断できなくて…。LinkedInや転職サイトに登録し、転職エージェントの利用も視野に入れつつ転職活動を開始しました。
RGFさんとは、利用していたツールからスカウトメールをもらって、お話しさせていただくことになったと記憶しています。
担当コンサルタント・楠木から:一貫性のあるキャリアと志向性は目を引く
日々、多くの方のキャリアシートを拝見しますが、大手コンサルからBtoCのマーケットを経験し、再びBtoBへというTさんのキャリアの変遷には、一貫性がありました。転職理由や目指す方向性が明確だと、ご紹介する企業のイメージがつきやすいため、転職エージェントからのスカウトも届きやすくなると思います。
転職エージェントを利用すると転職活動の工数を大幅に削減できる
――RGFのスカウトメールをきっかけに、どのように活動を進めていったのでしょう。
Tさん:最初に3社程ご紹介いただき、スキル面や上司との相性などを総合的に判断して1社に絞り込みました。
――コロナ禍での転職活動でしたが、面接はオンラインが主体でしたか?
Tさん:はい、最終面接まですべてオンラインです。コロナ禍で業務はほぼテレワークでしたし、前職と並行しての活動でしたから、オンラインで活動できるのはありがたかったですね。面接日程の調整は楠木さんにお任せできるので、決まり次第スケジュールをブロックして、面接にあてました。
――コンサルタントとは、頻繁に連絡をとられていたのですね。
Tさん:そうですね。電話やメールでよくやりとりさせていただきました。メールを見て、もう少し詳しく聞きたいなと思ったら電話で話を聞くことも…。楠木さんはかなりフレキシブルに、迅速に対応してくれた印象です。
――自己応募と比較して、転職エージェントを使うメリットを感じる部分はありましたか?
Tさん:今回、初めて転職エージェントを利用して、転職活動にかかる工数や労力が大幅に削減できるありがたさを実感しました。面接までに5回やりとりが発生するとして、そのうち3回は楠木さんが代わってくれるイメージです。
自己応募のときはこれを全部自分でやっていたと思うと、時間がもったいなかったなと(笑)。自己応募では得られない企業内部の情報を事前にもらえるのも、転職エージェントならではのメリットだと思いますね。
――今回は、どんな情報が役立ちましたか?
Tさん:「企業の面接担当者がどんな方か」や「落とされる方にはどんな共通点があるか」といったことです。おかげで、レジュメ(英文履歴書)をブラッシュアップして精度を上げることができ、余裕を持って臨めましたね。
担当コンサルタント・楠木から:候補者が面接にフォーカスできるようにするのがエージェントの役割
現職と並行して転職活動をしている方のサポートをするときは、どれだけ候補者の方の活動に関する工数を減らして、面接にフォーカスしていただけるかを常に考えています。Tさんの場合、スキル面や人物面、レジュメの内容などにはまったく問題がありませんでした。だからこそ、面接が少しでも楽に進むよう、クライアントとの橋渡しと適切な情報提供に努めました。
転職のカギはレジュメにあり!こまめなブラッシュアップを
――「これはやっておいて良かった」という転職準備があれば教えてください。
Tさん:実際に転職するかどうかはわからなくても、履歴書や職務経歴書のアップデートはこまめにしておくといいと思います。
面接に進めるかどうかのカギはレジュメが握っていますが、転職することを決めてからこれまでのキャリアを棚卸して、レジュメに落とし込むのはかなり大変な作業です。私自身、1回目の転職では、3年間の業務を洗い出すのにかなり苦労したんですよ。
なので、2回目の転職では、1クォーターあたり1回は、履歴書と職務経歴書を見直してアップデートするようにしていました。おかげで、今回は楠木さんの情報をもとに少し手直しするだけで済み、書類作成に割く時間がかなり短かったです。
――最後に、転職をするか悩んでいる方、迷っている方にメッセージをお願いします。
Tさん:転職を考えている大学時代の友人たちと話をすると、「今自分がやっている仕事と、やりたい仕事との関連性がないので、転職する勇気が出ない」とか「この募集が気になっているけど、今はまだスキルが足りないから…」といった話をよく聞きます。
転職はタイミングも重要なので、気になった求人があればまずは行動してみることが大切なのではないでしょうか。「応募したい」と思ったときに躊躇せず動くためにも、日々コツコツとレジュメを作っておくといいいですね。携わっている業務の内容や、細かなアピールポイントは短いスパンで変わっていくものですから、気づいたときに書きとめておくことをおすすめします。