外資系アパレル業界への転職活動をする際に知っておきたいのが、外資系アパレル業界ならではの社風や採用傾向のほか、求められるスキル、採用面接で注意すべきことなどでしょう。
ここでは、外資系アパレル業界への転職活動を始める前に押さえておきたい基礎知識について解説します。
外資系アパレル企業とは?
外資系アパレル企業とは、「外国の企業が日本で設立した100%子会社(日本法人)」「日本企業と海外企業が共同出資で設立した会社」「外国の企業が株式を取得して買収した日本企業」「外国企業の日本支社」のいずれかにあてはまるアパレル企業です。
外資系アパレル企業といっても、リテール(一般に向けた小売業)とホールセール(卸売)があり、それぞれ業務内容は異なります。外資系アパレル企業の代表的な職種を確認しておきましょう。
販売スタッフ
販売スタッフは、外資系アパレル企業の各店舗で、商品の販売を担当する仕事です。企業によっては、セールススタッフ、ファッションアドバイザーといった呼び方をする場合もあります。日系アパレル企業のスタッフは、自社商品を着こなすことが求められますが、外資系アパレル企業の場合はユニフォームが支給されることが多くなります。特にラグジュアリーブランドの場合、メイクやヘアスタイル、ネイルにまで規定があることもあり、ブランドの顔としての装いが求められます。
店長/ストアマネージャー
ストアマネージャーは、店舗の売上や商品、顧客の管理を担当し、スタッフの採用や研修も行います。ブランドのVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)プランに沿って店舗の内装やレイアウト、ディスプレイなどを管理するのも、ストアマネージャーの責任です。
プレス
プレスは、一般企業の企画・広報と同様に、商品やブランドイメージをPRして、広く知ってもらう仕事です。ファッションショーや展示会の企画運営、SNSを通じた戦略的PRの企画立案、各媒体の撮影用衣装のセレクトなど、業務内容は多岐にわたります。
MD
MD(マーチャンダイザー)は、商品開発から販売まで、ブランドのすべてに関わる仕事です。市場調査やトレンド分析をする上でブランドの商品ラインナップを企画したり、具体的な販売計画を立てたり、商品プロモーションを担当することもあります。
バイヤー
バイヤーは、商品の買いつけや仕入れ計画の立案、仕入先との価格交渉を行う仕事です。何をどれだけ買いつけるかを任されるため、ブランドのイメージや売上に大きく関わります。MDと混同されることも多く、兼任するMDバイヤーという職種もあります。
VMD
VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)は、主に店舗の内装やレイアウト、ディスプレイ戦略などを担当する職種です。ブランドイメージとシーズンごとに変わるコンセプトを踏まえ、さらに売上につながることを考えてプランを立てます。
外資系アパレル企業の社風に特徴はある?
外資系アパレル企業の社風は、ブランドによって特徴はあるものの、総じて自由な雰囲気です。上下関係もフラットであることが多いでしょう。
オフィスのレイアウトにもそういった特徴が表れていて、外資系アパレル企業のオフィスでよく見られるのが、大きな円形のデスクです。入社年次や上司・部下の関係に関わらず、チームのメンバーが1つのデスクを囲む形で座ります。リーダーやマネージャーなど、上長の隣に新入社員が座ることも珍しくありません。設置されたデスクやカウンターから、日ごとに好きなスペースを選んで作業をするフリーアドレス制を採用している企業も多いようです。
また、外資系アパレル企業は基本的に成果重視型なので、定められた目標に対して結果を出してさえいれば、比較的自由に働くことができます。早く帰って家族との時間を大切にしたい、休日をしっかり取りたいというワークライフバランス重視の人や、ライフステージが変化しても働き続けたい人に適した環境だといえます。
外資系アパレル企業の給与や福利厚生の特徴
年収が低い印象があるアパレル企業ですが、外資系アパレル業界に関していえば、総じて高めです。販売スタッフなど、実績に応じてインセンティブがある職種では、努力次第でかなりの高収入を得ることができるでしょう。
しかも、外資系アパレル業界の福利厚生はユニークで充実している傾向があります。年収が高い分だけ、福利厚生の面で日系企業に劣ることが多い外資系企業の中では、珍しい業界だといえるかもしれません。ここでは、外資系アパレル企業の福利厚生の一部をご紹介します。
ブランドの商品を社員割引で購入できる
アパレル企業で働く人は、職種を問わずPRを兼ねて自社ブランドの服を身に着けています。そのため、社員の経済的な負担を軽減する目的で、ほとんどの企業が自社ブランドの服やグッズを割安価格で購入できる社員割引制度を導入しています。
ユニフォームが無料で貸与される
社員割引制度と同様、社員の負担軽減を図るために導入されているのがユニフォームの貸与です。憧れのブランドの服を無料で着用できる点が大きな魅力でしょう。クリーニングや正しいスタイルで着るためのサイズ直しまで、費用を負担してもらえることが多いです。
プライベートの充実をサポートする制度がある
ノー残業デーや有給休暇の取得促進制度が、多くの外資系アパレル企業で導入されています。加えて、旅行やエステの割引利用、語学学習の費用一部負担など、プライベートの充実を後押しする企業も多くあります。
外資系アパレル企業における最近の求人傾向・転職傾向
外資系アパレル企業の求人トレンドは「若さ」です。経験よりポテンシャルを重視するため、若く可能性がある30代以下の転職希望者が採用されやすい傾向があります。中でも、人手不足で売り手市場が続いている販売スタッフは、リテールの経験があれば、アパレル業界の経験がない若年層も十分にチャンスがあるでしょう。未経験採用を前提に入社後のトレーニングを充実させている企業も多く、「日系アパレル企業から外資系アパレル企業へ」といったチャレンジも歓迎されます。
重要なのは、「どうしてもこのブランドで働きたい」という熱意と、ブランドに対する愛情です。アパレル業界での経験不足を気にするより、これまでの経験からアパレル業界で活かせる部分をアピールできれば、選考を有利に進められるでしょう。
ポジション別に求人傾向を見てみると、最も求人数が多く積極的な採用活動が行われているのは、リテールの販売スタッフです。特に、アシスタントストアマネージャーなど、いずれ店舗を統括するマネージャーを目指すポジションが多くなっています。業界外からの転職も歓迎されるため、キャリアアップを目指したい人にはおすすめです。
また、インターネット上で複数のブランドやメーカーの商品を販売するセレクトショップ型ECサイトの増加に伴い、各サイトに商品を卸すための交渉を担当するホールセールのセールスの募集も増えてきました。どの外資系アパレル企業もEC展開を強化しており、オンラインでの業務経験がある人は重宝されそうです。
外資系アパレル企業に向いている人、採用されやすい人
外資系アパレル企業に向いている人、採用されやすい人には、次のような特徴があります。
ブランドのイメージに合う人
アパレル業界は、ブランドイメージをとても大切にしています。どんなに意欲があって優秀な人材でも、ヘアスタイルやファッション、メイクなどがブランドイメージにマッチしていないと、敬遠される可能性があります。
留学経験、海外で勤務した経験がある人
外資系企業の風土になじみやすいのは、海外との親和性がある人材です。外資系アパレル企業も同様で、留学経験、海外で働いた経験などは、大きな強みになります。
自信があって明るい人
販売でもプレスでも、取り扱う自社製品と、それを扱っている自分に自信を持ち、明るくアピールできる力があることは重要な要素です。明るく前向きで、はきはきとした対応ができる人が好まれるでしょう。
レジュメやカバーシートはどう書く?外資系アパレル企業ならではの注意点
外資系アパレル業界企業への転職を目指す人が、レジュメやカバーシートで意識すべき点は、次の2つです。
大切なポイントを数字でアピールする
レジュメやカバーシートで最も意識すべきは、アピールポイントを羅列するのではなく、読み手の立場に立って「知りたいこと」をわかりやすく書くことです。セールスなら、組織に対する貢献度が目に見えるよう、これまでの売上高を全社目標・個人目標とともに、数字を記載しましょう。
マネージャーとして部下をまとめた経験があるなら、マネジメントした人数と、チームの成績がポイントです。この部分を数字にすることで、説得力のあるレジュメになるでしょう。
英文レジュメはネイティブスピーカーのチェックを受ける
外資系アパレル企業への転職で英文のレジュメが求められるかどうかは、企業やポジションによって異なります。提出を求められた場合は、レジュメを一度ネイティブスピーカーに見てもらうようにしましょう。スペルや文法のほか、伝えたいことに対して単語や言い回しは適切かどうかもチェックしてもらうことをおすすめします。友人や知人にネイティブスピーカーがいない場合は、転職エージェントを活用する手があります。
外資系アパレル企業の面接で注意すべきことは?
外資系アパレル企業の面接では、ブランドへの愛をいかに示せるかが勝負の分かれ目といっても過言ではありません。「このブランドが好きで、働きたいと思っている」という気持ちはもちろんですが、ブランドの基本的な知識があるかどうかも企業にとっては重要な判断材料です。
<外資系アパレル企業の面接前に調べておくこと>
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ブランドができた背景
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設立から今に至るストーリー
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ブランドの特徴
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主な購買層
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競合とされるブランドと自社ブランドとの違い
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最新のブランドコンセプト
最低限、上記の質問にはスムーズに答えられるよう、準備しておくことが大切です。
また、ほかの業界と違って、アパレル業界では面接時の服装を「自由」として、そのセンスを見極めることが多くあります。いわゆるリクルートスーツなど、個性が伝わらない服装は避けましょう。もちろん、競合他社のブランドの服やバッグも避けてください。無理をしない程度に、応募する企業のブランドの服や小物を取り入れて、熱意を伝えましょう。
外資系アパレル企業への転職は、転職エージェントに相談を
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系アパレル企業への転職を数多く扱ってきた歴史と実績があります。業種や職種の専門知識を有するコンサルタントがサポートを行うため、業界特有の情報や採用マーケットの動向など、リアルな情報をお伝えできます。
また、キャリアのアドバイスを行うRGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンのコンサルタントは、企業との調整も行う両面型の転職エージェントであるため、企業が求める人物像に合わせて求職者を推薦することが可能です。オンラインでの面談も可能ですので、外資系アパレル企業への転職を考えている人は、ぜひご相談ください。
グローバル企業で働くことは、グローバルに働きたい人や語学力を生かして働きたい人だけでなく、自分の可能性やワークライフバランスを求める多くの方にとって、多くのメリットがあります。
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