スーパーバイザー(SV:Supervisor)は役職のひとつです。しかし、同じ呼び名でも業界によって役割や業務内容が異なるため、実際は何をする役職なのかわからず混乱する人もいるでしょう。
ここでは、業界ごとのスーパーバイザーの役割と業務内容のほか、求められるスキルや経験について解説します。
スーパーバイザーは監督・管理を行う役割
スーパーバイザーは、英語で「監督者」「管理者」「上司」などを意味します。海外では、監督・管理を行う人を広くスーパーバイザーと呼ぶため、教育現場の指導主事や市議会議員などもスーパーバイザーと呼ばれるようです。
日本では、小売店や飲食チェーン、コールセンター、福祉関連施設などで、従業員の統括や指導、現場の管理などを行うポジションとして、スーパーバイザーを設置することが多いです。また、外資系企業では、業界を問わずスーパーバイザーのポジションを置くところもあります。
同じような業務内容を行う役職でも、業界や企業によって呼び名が違い、「リーダー」「アドバイザー」「マネージャー」などがスーパーバイザーと同じような業務を行うことがあります。
スーパーバイザーの業務内容
従業員や現場の管理・監督を行うスーパーバイザーですが、具体的な業務は業界によってかなり違います。
スーパーバイザーの求人が多いコールセンター、飲食店・小売店、福祉関連施設、外資系企業について、それぞれの具体的な業務内容をご紹介しましょう。
コールセンター
コールセンターのスーパーバイザーは、オペレーターの統括的な業務を行います。オペレーターとして一定の経験があり、業務知識やスキルを持っている人が、昇格という形でスーパーバイザーのポジションに就くのが一般的です。
具体的な業務内容としては、オペレーターの育成・教育研修、勤怠管理やシフト作成のほか、顧客対応のクオリティチェックと改善施策の立案・実施などが挙げられるでしょう。コールセンターによっては、オペレーターの採用計画や面接なども、スーパーバイザーが担当する場合があるようです。
監督や指導だけでなく、オペレーターとしての業務を行うこともあり、オペレーターが対応困難なクレームや問い合わせがあった場合は、スーパーバイザーが対応します。オペレーター同士の人間関係を調整したり、業務上の悩みを聞いてアドバイスしたりといったことも、スーパーバイザーの役割です。
飲食・小売業界
飲食業界や小売業界のスーパーバイザーは、エリアマネージャーと呼ばれることもあります。担当エリア内の複数の店舗を回り、各店の店長とコミュニケーションをとりつつ収益アップの戦略を練ったり、店の運営についてアドバイスを行ったりして、店舗と本社の橋渡しをするポジションです。
担当エリアの店舗の業績を管理し、業績の悪い店舗があれば店長とともに原因を突き止め、改善策を打ち出します。収益を上げるために、商品構成やディスプレイについてアドバイスしたり、競合店を調査したりすることもスーパーバイザーの業務となるでしょう。本社の意向と店長の意見のすり合わせや、店長に対する指導・マネジメントも行います。
各店舗スタッフのマネジメントや教育は店長の役割ですが、スタッフ教育に課題が見られるような場合は、スーパーバイザーが店長に改善案を提案し、実行をサポートします。
福祉業界
福祉業界では、職員のスキルアップや、労働環境の改善などを目指して指導や教育を行うことをスーパービジョンといいます。スーパービジョンを行う人はスーパーバイザー、受ける人はスーパーバイジーと呼ばれます。コールセンターや飲食・小売業界では役職名でしたが、福祉業界でのスーパーバイザーは役割といえるでしょう。
スーパーバイザーになるために特に資格が必要なわけではありませんが、実際には認定社会福祉士や主任介護支援専門員など、福祉関連の何らかの資格を持っている人が担うことが多いです。経験を活かしてスーパーバイザーとして独立起業し、複数の福祉関連施設で活躍する人もいます。
スーパーバイザーは、施設で働くスタッフの育成や指導、管理を行い、精神的なフォローまで担当するポジションです。また、利用者が満足のいくサービスを受けられるように、ほかの施設や医療機関との連携をとるコーディネーターとしての役割も果たします。
外資系企業
外資系企業においてもスーパーバイザーは役職を指し、チームや個人を監督・指導する立場です。日系企業の役職でいえば主任や係長クラスにあたる、大人数ではなく少数のメンバーをまとめるマネジメントポジションをスーパーバイザーと呼びます。また、役職を得る前のある程度経験を積んだ社員が、新入社員などの経験の浅い社員の指導を行う際も、スーパーバイザーと呼ばれることがあります。
業界を問わずに使われる役職のため、企業によって責任の範囲や業務内容は異なります。応募の際は求人票を確認し、不明点は問い合わせてください。
スーパーバイザーに必要なスキルと経験とは?
業種によって具体的な業務の内容は違っても、スーパーバイザーの業務が管理・監督であることは共通しており、求められるスキルには共通点があります。
外資系企業のスーパーバイザーや、各種業界のスーパーバイザーに求められるのは、およそ次のようなスキルや経験です。
マネジメントスキル
複数の店舗やスタッフを管理するスーパーバイザーにとって、マネジメントは最重要にして必須のスキルといえます。
マネジメントスキルとして必要なものは、スタッフを育成・統率し、目標を設定してそれに向かって導く力、課題を見つけてクリアする方法を考える力、スタッフの働きを適切に評価する力などが挙げられるでしょう。
コミュニケーションスキル
スーパーバイザーは、オペレーターやリーダー、店長、スタッフと対話することが多く、コミュニケーションスキルは必須です。スタッフとスタッフ、本社と現場、施設とほかの医療・介護施設など、人と人のあいだに立ってコーディネートや調整を行うことも多く、高いコミュニケーションスキルが求められます。
数値管理スキル
スーパーバイザーの業務の最終目標は、担当するセンターや店舗などの収益を伸ばすことにあります。目標を数値で管理し、軌道修正をしながら課題克服の取り組みを続けていくには、数値管理のスキルが必須です。
Excelやスプレッドシートなどを使用できることはもちろん、グラフなどでわかりやすくまとめたり、改善点を見つけ出したりできることも重要です。
業界またはスーパーバイザーとしての実務経験
スーパーバイザーとして管理・監督業務を行った経験や、その業界での経験がない人がスーパーバイザーとして採用されるケースは、あまりありません。ほとんどの場合は両方か、少なくともどちらかの経験が求められます。
スーパーバイザーはやりがいのあるポジション
スーパーバイザーは役職のひとつであり、スタッフの監督や指導を行います。業界や企業によって業務の範囲は異なりますが、業界について深い理解があり、マネジメントや数値管理のスキルが必要なことは共通です。人と人との調整の役割も大きいため、コミュニケーションスキルがあることも、スーパーバイザーとしては必須といえます。
また、スーパーバイザーは、どの業界であっても現場の管理や監督を行うポジションです。自分で現場を改善したり、スタッフを育成したりすることに、大きなやりがいを感じられるでしょう。
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