インタビュアー: Allen Zhao
制作: RGF Professional Recruitment Japan Marketing Team
ここ数年、世界中で需要が高まっている半導体。その中でも、半導体設計に必要なEDA (Electronic Design Automation: 電子設計自動化ソフトウェア) の分野で世界をリードするのが、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を構えるCadence Design Systemsです。
今回、その日本支社である日本ケイデンス・デザイン・システムズ社(以後、日本ケイデンス)のApplication Engineer ManagerのT.U.様とPrincipal Application EngineerのH.A.様にお話を伺ってまいりました。
本日はお時間いただきありがとうございます。
はじめに自己紹介をお願いいたします。
T.U.:
T.U.です。元々は複合機器・カメラ等を取り扱う大手日系メーカーで仕事をしていました。そこで16年~17年勤めた後、様々な事情が重なって日本ケイデンスにお世話になることになりました。
転職の際は、エージェントを利用したのではなく、人と人のつながりで日本ケイデンスに入社することになりまして、入社してから3年半くらいになります。
現在はハードウェアエミュレーターと言われる、回路をシミュレーションする際に超高速にシミュレーションする装置のサポート及び、セールスに同行して技術的なフォローをする役割を担当しています。お客様と話をしながら困っていることを把握し、お客様の課題をどのように解決するかというところに注力しています。その課題を解決するために、必要であればケイデンスの製品を使うことを提案しますし、使わなくても解決できそうな場合はその方法を提案して、お客様との信頼関係を構築するといった仕事を行っています。
H.A.:
H.A.です。デザイン採用グループというところで、アプリケーションエンジニアとして働いています。入社したのは2年と少し前ぐらいで、現在はテスト関連のプロダクトを担当しています。特定のお客様と話をしながら、その内容を開発陣と話をしながら対応していくという業務を行っています。
お客様の要望を聞きながら社内で対応を検討し、最終的にはお客様に使ってもらうためにどうすべきなのかを考える仕事ですので、単純なエンジニアというよりは、営業的なマインドも持ちながら業務を行っています。ですので、どちらかというと、プリセールスに近いイメージだと思います。
日本ケイデンスに入る前はいくつかの会社を経験しているのですが、そこでは設計側の人間として日本ケイデンスのツールを使う立場でした。入社の経緯は、私の以前いた会社の方が先に日本ケイデンスで働いていて、その紹介でお世話になることになったという形です。
日本ケイデンスのアプリケーションエンジニアの魅力を教えていただけますか?
T.U.:
お客様から「あなたたちのおかげでこんなに上手に開発ができました」とか、「改善ができました」という声をいただけたり、そういった結果が出たりすることが嬉しいことの一つです。
加えて、自分たちが頑張ってお客様の課題が解決したことで、結果として自分たちの製品も売れて、社内での評価もあがる。自分も認めてもらって、みんなで喜べるというところは、前職と比べてもよりダイレクトに感じることが多いです。
もちろん前職は大きな会社だったこともあり、なかなかお客様の顔が見えず、自分の役割をこなして製品ができるのを待っているような感じだったのですが、今は以前では想像もできないくらい大きな会社の偉い人と直接話をして、いろんな提案させてもらったり、提案に耳を傾けてもらえたり、とても面白い経験をさせてもらっているなと思っています。
H.A.:
日本ケイデンス自体もワールドワイドに考えても大きい会社ですし、先端の技術に携われるというところがあると思っています。
担当しているお客様は日本企業なのですが、大企業ということもあり当然優秀なお客様がたくさんいらっしゃります。そういった方々とお仕事できるというのも魅力のひとつです。
それ以外の部分でいうと、お客様に日本ケイデンスの製品を使っていただき、喜んでもらえれば、自分自身の売上にもつながって給与にも反映されます。
これまでは設計をしていたので、納期に合わせて問題なく動く製品を提供することが前提でした。つまり、締め切りに間に合って動くのが当たり前で、それ以外は失敗といった状況でした。そのため、頑張ったものがそこまで大きく返ってこないという感覚がありました。
もちろん若い頃にそういった現場で力をつけるという意味では良かったのですが、経験や歳を重ねてくるときつさも出てくるので、そういう意味では今は日本ケイデンスでの仕事の方がやりがいを感じますし、体力的にもいいなと感じています。
お客様と話をしながら、お客様に必要な製品を作っていける
アプリケーションエンジニアの方は全員がお客様と直接やり取りをするのでしょうか?
T.U.:
難しいところですけど、やっぱりそれぞれのキャラクターもあります。また、アプリケーションエンジニアの中でも役割は分かれていますし、得意・不得意分野があります。
ですので、同じアプリケーションエンジニアであっても、プリセールスを担当する人もいれば、ポストサポート中心のメンバーもいます。
ポストサポートのメンバーは、セールス的な活動に表に出てこないことが多いですが、内容によっては、ポストサポートの方々のような技術的な知識が豊富な人がいないと議論できないこともあるので、そういう時はポストサポートにも参加してもらうというような感じですね。
日本ケイデンスのアプリケーションエンジニアとして、どういった方であれば入社して活躍できそう、フィットすると思いますか?
T.U.:
個人的には、自分で考えて、自分で行動できる人が一番フィットすると思っています。行動した内容が合っている、間違っているは別として、そういった人たちは日本ケイデンスに合うはずです。
また、素直な方はフィットしやすいと思います。とにかく新しい技術をたくさん学ばなければいけないし、世界的な潮流にしっかりと対応していかないといけないので、素直に時代の潮流を受け入れられる人が合うはずです。
もちろん技術的なバックボーンはある程度必要だと思いますけど、素直に新しいことを勉強しようとか、なんでこうなっているのだろうっていう探究心のようなものを持っていることが一番大切だと思います。結局素直で努力できる人がどんな歳になっても成長していけると個人的には思います。
H.A.:
技術が根幹にはあるので当然技術力をつけないといけないのですが、技術だけでなく、それを使ってもらったり、その結果として売上が上がったりするところにも興味を持てる方がいいのかなと思っています。
ですので、自分がやったことが何に繋がるとか、その先の売上を上げるためには何をしたらいいかを提案型で考えられる人の方が向いていると思うし、やりがいを感じられるはずです。
日本ケイデンスのアプリケーションエンジニアは開発というより技術営業の要素が大きいのでしょうか?
T.U.:
もちろん自分がどういう仕事をしたいかや、会社がどういった役割を担ってほしいかというところにもよりますけど、個人的には技術から離れるということはあまりなくて、結局開発とやりとりをする。開発ができないことは自分で手を動かして解決する。その解決手段を開発に提案して、それをまた議論して実装してもらうとか、そういう自分が作ったものがツールになり得る。そして、それが世界中で使われる可能性があるといった面白さはあると思います。
自分でこういうことをやりたいと言ったら、比較的自由に動けますし、自分の役割を果たした上でののりしろは広いです。
H.A.:
もちろんサポートになるので、自分で設計をバリバリやるわけではありません。設計を最後までやりたいという人は開発側のパスがいいのかもしれないですが、新しい技術に触れて、何かを考えていくという意味では、日本ケイデンスのアプリケーションエンジニアも十分やりがいがあると思います。
ですので、お客様や周囲の人たちとコミュニケーションを取りながら仕事をしたいという人にはいい環境だと考えています。
また最近は変わってきていますが、日本の会社はどこかでマネジメントのキャリアを選択して技術から離れない限り、技術だけをやっている人の給料が上がりづらいイメージがあると思います。一方で、日本ケイデンスは技術的なパスの中でキャリアを積めて、給料も上がっていくので、そういう意味では技術者としてキャリアを積んでいきたい人にとってもいい環境だと思います。
Cadenceには世界を知ることが出来る環境がある
英語力は必須になるのでしょうか?
T.U.:
もちろん英語力は一つの武器だとは思うのですけど、サポートしてくれる人もいるので、必ずしも必須というわけではありません。
私もあまり得意な方ではないので入社前は不安でしたし、今でももどかしいことがたくさんありますけど、周りの得意な人達に助けてもらいながら日々チャレンジしています。
社内に英語圏出身の人や、バイリンガル・トリリンガルの方も多くいますし、社内でも英語の教育の制度などの英語力向上をサポートしてくれるシステムがあるので、私も最初はそれを活用しながらキャッチアップしていました。
T.U.:
英語はある程度できた方がいいのかなと思っています。
外資といいながらも、この会社のオフィスの中は日本人が多いですし、お客様も日本人なのでそこまで使う機会は少ないです。ただ、海外の開発陣とコミュニケーションをする必要があるので、英語に抵抗感を感じない部分は必要かなと思います。
日本ケイデンスでの仕事のスケール感に特徴はありますか?
T.U.:
日本ケイデンスにいると、世界を知れるというところが自分にとって面白いところです。世の中のトレンドや状況なんかも見えてくる部分もありますし、世界中で投資が活発に行われてお金も動いている中で、世界の中での日本の立ち位置をお客様と話す機会もあります。そういった話をお客様とするというのは、今までの仕事とは全然スケール感が違う感じがあって、自分としてはすごく面白いし、スケール感を感じます。
H.A.:
普段仕事をしている中で海外の開発の上の人とも普通に話をできますし、日本ケイデンス全体の文化なのかもしれないですけど、国や役職に関わらずみなさん親身になって対応してくれるので、そういった意味では面白いと思います。
日本ケイデンスの魅力を教えていただけますか?
H.A.:
EDA業界のビックスリーの内の一つというのがまず大きいと思います。ですので、日本ケイデンスにいると、世の中の先端に携われるというのは間違いないです。
また、昔とは違い今はEDAが開発の世界を引っ張るという状況になっています。近年はEDAをいかにうまく使うかというところが開発において重要になってきていますし、多分今後もその流れは変わらないのだろうなと思っています。
実際他社も同じように伸びてきている状況ではあるのですが、一方で日本はついていけていない状況も見えているので、やっぱり外資というのは大きいのかなとも思ったりしています。
ワークライフバランスはいかがでしょうか?
H.A.:
ワークライフバランスは間違いなくいいと思います。もちろん案件に深く携わってくると、忙しい時もあるのですが、他の会社に比べればうまくやっている人が多いのではないかなと思っています。
もちろん、たとえば海外の人とミーティングをしようと思うとなかなか時間が合わないので、仕事をする時間を調整しないといけないことはあり得ます。ただ、昔は海外の時間に合わせて仕事をするみたいなのがあったりもしたのですが、4月からフレックスタイム制になったので、以前とは少し変わるのかなとも思っています。
出社に関しても、週3日は出社してくださいというルールはあるのですが、ある程度は個人に任されている部分が多いです。ですので、毎日出社しないといけないということもないですし、正直言えば会社に来ないとできないことはなくて、もっとコミュニケーションを直接取りましょうという意味合いが大きいので、出社しないと不便なことはないです。
最後に日本ケイデンスに入社して本当に良かったなと思うことを教えていただけますか?
T.U.:
最初に感じたのは、規模の違いもあるのかもしれませんが、すごく柔軟な対応をしてくれるといったところです。それは今でも感じていますし、日本ケイデンスのいいところだなと思います。
社員の事情を汲んで色々サポートをしてくれたり、働きやすい環境を提供してくれたりするところは、本当にいいなと思っています。
H.A.:
繰り返しになりますが、フラットな環境ですので、いろいろな人と話をすることが出来ます。もちろん入社してまだ短いので、十分な横のつながりを構築できているかというとまだまだな部分も多いのですが、海外との繋がりや、お客様と繋がりはかなりできているので、そこは良かったと思っています。
また、評価に応じてインセンティブみたいなものも貰えますし、社内にフリードリンクといったものもあるので、細かいことですけど、日本ケイデンスは社員に対して比較的色々な面でお金を出してくれるっていうのがあると思っています。
ありがとうございました。
クライアント情報
企業名:⽇本ケイデンス・デザイン・システムズ社(Cadence Design Systems, Japan)
所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜2-100-45 新横浜中央ビル
URL:https://www.cadence.com/ja_JP/home.html
ケイデンスについて
ケイデンスは30年以上にわたり蓄積してきた演算処理ソフトウェア(computational software)の専門知識を基盤とする電子システム設計業界のリーダーです。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、コンシューマー、産業向け、ヘルスケアなど成長市場において開発される様々なアプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。フォーチュン誌は9年連続で、ケイデンス社を「働きがいのある会社ベスト100」に選出しています。ケイデンスに関する詳細についてはcadenc.comをご参照ください。
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