インタビュアー: Tomohiro Noguchi
制作: RGF Professional Recruitment Japan Marketing Team
AIとデータサイエンスを武器に日本社会のUPGRADEを掲げるJDSC。今回は、産業全体の生産性課題の解決を目指す同社DXソリューション事業部執行役員の佐藤様と、VPoDS(VP of Data Science)の中橋様にお話を伺いました。
※以下敬称略
佐藤様と中橋様のこれまでのご経歴と現在の業務を教えていただけますか?
佐藤: 執行役員の佐藤飛鳥と申します。私はもともとアクセンチュアの戦略コンサルティング本部で10数年コンサルティング活動をした後、約4年前にJDSCに移って参りました。現在は、大企業の皆様とのプロジェクト推進を主導するコンサルタントチームの組織長をしています。
中橋: VPoDSの中橋です。私自身はもともと大学院で博士まで研究しておりました。研究していた内容が統計を応用した領域であったため就職の際は、自分の得意領域を活かせるデータ分析ベンチャーを社会人のファーストキャリアとして選択しました。
その後、コンサルティングファームを含む数社でデータ分析によって、クライアントの課題解決をする業務を担当した後、JDSCへ入社しました。
現在は佐藤と同じチームに所属し、プロジェクトの提案とデリバリーに加え、社内のデータサイエンス系メンバーのマネージメントという3つの役割を担当しています。
特に、私がJDSCに転職するきっかけとなったフレイル検知技術の社会実装にも携わっています。
お2人がJDSCにご入社された経緯を教えていただけますか?
佐藤: 私はもともとコンサルティング会社に所属し、クライアントの売上げや利益を作るための支援をしていました。自分自身としては、コンサルタントとしていい仕事をしてきた自負もありますし、コンサルティングの仕事は天職だと思っていました。
そんな中、4年ほど前に、知り合いから「自分では上手く説明できないけど面白い会社があるから、絶対に話を聞いたほうがいい」と紹介を受け、JDSC(当時の名称は日本データサイエンス研究所)の代表の加藤と話をすることになりました。
加藤とはコンサルティングプロジェクトの実例についてひとしきり議論をした後に、「あなたがこれまでにやってきた仕事によって、世の中は変わりましたか?」と聞かれました。それを聞いた瞬間頭を殴られた気持ちになったんです。なるほど、そういう価値観も確かにあるなと。それまで自分は目の前のクライアントA社に対して利益をもたらした事で、いい仕事をしてきたという満足感を得ていましたが、それからは世の中のためになる仕事とは何か、を改めて考えるようになりました。
当時30代後半とそれなりに経験を積んだ年齢だったので、自分がそれまで培った経験を、世の中の為になる仕事に対して向けたいと考えるようになったのがきっかけでした。
中橋: 私がJDSCに転職しようと思ったきっかけは、フレイル検知技術です。前職で介護領域に関するプロジェクトをする機会がありました。その際、多くの問題を抱える介護領域を良くしていきたいという思いが芽生え始めました。
JDSCという会社がデータサイエンスでフレイルを検知し、介護領域の課題解決に立ち向かおうとしているという情報を得て、「これだ!」と思い転職しました。
JDSCについて教えていただけますか?
佐藤: JDSCは、UPGRADEJAPANを本気で実現したいと思っている会社です。UPGRADE JAPANとは何かというと、①業界構造や業界の変化を背景として起こっている産業共通課題(社会課題)を解決対象とする。②データを軸に解決の方法を見出す。③個社の課題解決だけでなく、業界全体に課題解決を広げる方法も合わせて検討すること。と定義しています。
先日貴社の内定者の方がUPGRADE JAPANというキーワードについて言及されていて、その重要さを改めて私も実感したところです。
中橋: 採用のカジュアル面談で、JDSCがどういう会社で、何をやっている会社か聞かれた際は、いつもこの3つを話しています。単に個社の改革ではなく、競合他社を含む業界全体にソリューションを提供していくことで、業界をアップグレードし、より良いものに変えていく。それがJDSCの目指しているUPGRADE JAPANです。
データ活用の本質は、新サービス開発やビジネスモデルのトランスフォーメーション
近年、AIの技術が注目されることがより一層増えてきていますが、その理由はどう考えていらっしゃいますか?
佐藤: まずは、そもそもデータが取れるようになってきたというところが大きいと思っています。実際、データを取るためのソリューションを提供している会社は増えてきていますよね。そうしてデータが取れるようになってきたので、今度はそのデータをどのように使うかといったところにより注目が集まっている、という至極真っ当な順序を歩んでいると私自身は思っています。
中橋: データが取れるようになってきたことに加えて、大量のデータを扱えるような計算資源が豊富になってきたという理由もあるはずです。
たとえば、一昔前だったら一般社員が使っている端末のメモリは小さかったので、なかなか計算処理に回すことが難しかった。ところが今は、普通の人が使う端末にも十分なメモリが載っているし、クラウドサービスが普及してきて、必要な時だけリソースを増やすことで、リッチな計算環境を手軽に使えるようになってきた。こういった変化が、データ活用の助けになっていると思っています。
社会として一定の基盤が出来てきた 中で、それを受け入れる土壌というところではいかがでしょうか?
中橋: 個人的には、まだ多くの企業で、いわゆるAIの導入を躊躇っている、もしくは難しいことだと捉えていると感じます。受け入れられる土壌が十分に整ったかと言われると、AIとの付き合い方、AIに対する認識も含め、まだもう一歩超えなければいけない壁があると思っています。
佐藤: DXという観点でお話しすると、大企業でのDX/データ活用の取り組みは、すでに8割以上の企業で開始済みと言われています。ただし、実際に何をしているかというと、これまで紙で実施してきた作業の電子化や、多少の業務効率化による生産性向上のような内容が大半です。
一方で、データ活用による示唆を基にサービス化していく、もしくはビジネスモデル自体を変えていくという分野で成果を出せている会社は、全体のたった6%しかないと言われています。
日本におけるデータ活用・AI導入の課題や障壁は何だとお考えですか?
佐藤: たとえば、ビジネスモデル自体を変えていくという本質のところに入ろうと思うと、既存ビジネスの強みを生かして今の時流にどのように合わせられるかを企画していける人と、データから示唆を抽出できる人、それを業務やシステムの仕組みに落とし込める人、という3種類の特性を持った人が必要になります。
企業にとっては過去事例のない挑戦になりますし、それをできる人材も必要となります。、3つの特性を持つ人材を抱えている企業は必ずしも多くないため、企業単独でトランスフォーメーションすることは、容易ではないと認識しています。
それぞれの領域において、しっかりとやるべきことを遂行できる人材が必要だということですね。
佐藤: はい、言い換えれば、仮に業界全体を変えられるような技術が生まれたとしても、生まれたその日に世の中が変わるわけではありません。それをどのように活用し、定着させていくかを、きちんと設計してあげることが必要です。
中橋: そもそも昨今のAI技術の導入は、かなり難易度が高いケースが多いです。一昔前であればデータ量もあまりなく、使える技術も限られていたので、1人でも十分対応可能でした。それが最近では、膨大なデータの共有方法や、ツールの選定基準、セキュリティ担保の方法といった、今までであれば考えずとも良かった領域まで検討する必要が出てきました。こういったすべてのことを個人で対応するのは相当にハードルが高く、どうしても複数人でチームを組まなければいけないというような状況になってきています。
ですので、正直AI導入に対して求められる要件がどんどん増えてきているといったところが、導入の妨げになっているのかなと考えています。
単に導入するだけでなく、導入するにあたっての仕組み作りや、セキュリティを含めた総合的な観点を考えていくことが必要になりそうですね。
中橋: そうですね。導入だけでも難しいのに、導入したらどんな効果があるのか、導入がどれぐらいの精度だったらどの程度のインパクトがあるのか、目的や方向性を踏まえて検討しなければならないので、より複雑なものになっています。
そのような環境の中で、JDSC様がお客様に提供できる価値はどのようなものがあるとお考えですか。
中橋: AI導入が難しくなっている要因の1つは、全体的な方向性とアラインするように技術を導入していく部分です。それは、クライアントの課題をよく理解しているコンサルタント、クライアントの課題を数理的な手法で解決するデータサイエンティスト、そこで作り上げたモデルをクライアントの業務に即した形で実装できるエンジニアという、各々の職種の人がプロジェクトに関わり続けるということでしか達成できないと思っています。
JDSCはプロジェクトへの取り組みにおいて、この3者が協同する形態を取っている点が強みであり、プロジェクトを達成できる原動力になっています。正直これは難易度が高く、職種が違えば働き方や考え方、アウトプットに何をどれくらい求めるかも違ってきます。JDSCでは、このような難易度の高いチーミングを実現することで、AI導入を現実的なものにしており、これが弊社の価値なのではないかと思います。
佐藤: 通常のコンサルティング会社では、この3つの職種のメンバーが一緒にプロジェクトに取り組むことはあまりありません。
なぜなら、例えばコンサルティング会社だと、各フェーズで単独のスキルを持った人たちだけでチームを構成し、次の検討段階へ進んでいくことで、効率よくプロジェクトを回すことができるからです。
一方で様々な職種が混在したチームを組もうとすると、それなりに経験があるメンバーでチームを組まざるを得ないので、売上という観点で見た際の効率があまりいいとは言えません。しかし、圧倒的にクライアントに出す価値は高くなるので、JDSCではこのようなチーミングをしています。
それぞれがそれぞれの視点で、世の中を変える活動を進めていくというのがJDSCらしさ
JDSCが掲げられているUPGRADE JAPANを実現するために、今後どのような方にご入社いただきたいですか?
佐藤: 世の中を変えていくこと、社会を変えていくことに、熱い想いを持ってやり遂げようという姿勢の方や、圧倒的に成長したいという方に来ていただきたいと思っています。
中橋: VPoDSの立場からでは、JDSCのデータサイエンティストは、単にパソコンの前でデータと向き合う人ではなく、問題解決に向き合うことができるような方を求めています。
大前提として、データサイエンスは目的ではなく、課題を解決するためのツールです。こういったツールは正しく使うことで価値が出るので、そのツールをよく理解したうえで、解決しようとしている課題に対して高い解像度を持つ眼も持っておく。そうすると、より価値を出しやすくなると思います。
加えて、データは単なる数値ではなく、それが数値として記録された背景や生成されたプロセスなど、何かしらの意図があって記録されたものなので、そういった背後にある文脈を踏まえながら、分析という業務に取り組んでいただける方であるととても嬉しいです。
データサイエンティストには、エンジニアリング的な動きとビジネスサイドの動きの両方が求められるのですが、その両方の視点をバランスよく持っている方だとすごく良いですね。
普段からいろいろなデータを見て、解決できそうな課題を考えている方はフィットするイメージでしょうか?
佐藤: そうですね。こういう世の中を作りたいという課題認識や、自分が人生をささげたいと思う業界があるような、こだわりを強く持っていらっしゃる方は我々との相性がいいと思います。
中橋: いま仕事になっていなかったとしても、そこに課題があると感じるのであれば、自分で解決しにいくくらいのスタンスがいいのではないかなと思っています。私はバックグラウンドが畜産なので、畜産関係のDX導入を進めたいと考えています。畜産に関する課題と解決方法について他の人に相談に乗ってもらいながら、技術検証を進めています。
現時点ではまだプロジェクトにはなっていませんが、課題のインパクトと解決方法の妥当性について社内のいろいろな人たちを説得できれば、会社としてもそこに投資をしてくれる。JDSCは、そんな会社です。
佐藤: ある意味、それがJDSCにとってのR&Dだと思っています。もちろんすべてが成功するわけではないですが、その人が培ったバックグラウンドをもとに、課題の大きさや、それを解決できる道筋を考えているわけですから、より勝ち目がある方向性に仕立て上げ、実際に世の中を変える活動を進めていけるのが良いですよね。この点はJDSCらしさのひとつなのではないかと思います。
社員の方それぞれが起点となって、日本をアップグレードするための方法を模索しているということですね。
中橋: そうですね。社員が成長して、それを会社に還元するというのがJDSCにとって重要な要素です。だからこそ、JDSCは学術支援にもかなり力を入れています。具体的には、入社後に大学院に行きたいとなった場合には、その費用を会社で負担しています。
また、JDSCの場合は大学院への進学を会社の業務、会社の投資であると捉えていますので、「週4勤務を認める」ではなく「週1日は業務の一環として大学院に行ってもらう」ですだから給料も減りません。
もちろんプロジェクトが佳境に入っている等のタイミングであれば、上長とよく相談した上でという条件付きではありますが、基本的には必要なだけ大学院へ通ってもらって構いません。その代わり、しっかりと勉強して、我々に先進的な知識や内容を還元してもらうといったシステムを福利厚生の一つとして用意しています。
ありがとうございました。
クライアント情報
企業名:株式会社JDSC (Japan Data Science Consortium Co. Ltd.)
本社:〒112-0002 東京都文京区小石川1-4-1 住友不動産後楽園ビル16階
URL:https://jdsc.ai/
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