転職活動では、さまざまなステップを一つずつクリアしていく必要があります。転職活動において内定はゴールではありません。最終的に新しい職場で仕事を始めることで転職活動のすべてのプロセスを終了することができるのです。
それでは、内定をもらった後に求職者は何をしなくてはならないでしょうか。最も重要なプロセスのひとつは、今の職場に退職を伝えることです。しかし、現職の会社があなたにやめてほしくないと考えた場合、さまざまな手を駆使して引き留めを行います。その引き留め方法のひとつが、カウンターオファーです。
それではカウンターオファーを受けた際はどうすればよいでしょうか。そこで今回は、カウンターオファーを受けた際に考えるべきことについてまとめていきたいと思います。
カウンターオファーとは
カウンターオファーとは、有能な社員が退職を告げた際に、現職企業から行われる引き留め交渉のひとつです。一般的には昇給や昇進など、現状よりも良い待遇を提示することで、社員の引き留めを行います。
もともとは、貿易などの場で使われていた交渉テクニックのひとつで、売り手から提示された最初の条件では納得できなかった場合に、買い手側が新しい条件を提示することで納得できる条件を引き出すものです。
企業はなぜカウンターオファーを出すのか
それではなぜ企業は社員が退職を申し出た際にカウンターオファーを出すのでしょうか。
ひとつは企業がその社員を重要な人材だと認識し、今後も活躍してほしいと考えている場合です。社内外のコネクションが豊富であったり、その人にしかできない仕事があったり、社員にはそれぞれ独自の強みがあります。企業がそれらを適切に評価し、失っては困ると理解している際には、カウンターオファーを出して引き留めを行います。
また、企業が成長していくうえで、優秀な人材を外部から採用することは大きな意味を持ちます。しかし同時に、内部の優秀な人材の定着化も会社が成長していくうえで考えなくてはならない重要な要素のひとつです。
外部から人材を採用すると、新しい人材を教育しなければいけません。もちろん中途採用の場合は採用するポジションに必要なスキルを兼ね備えた人を採用することになりますが、使っているシステムや仕組みなどは企業によって異なるため、ある程度の教育は必要になります。また、採用プロセスにおいて企業や配属先のチームへ合うかどうかは十分確認しますが、その人が入社後にチームに馴染めない可能性が0とは言い切れません。
現職社員を引き留めることができると、教育などの目に見えづらいコストが少なくなり、更にはチームにフィットするかどうかの心配もあまり必要ありません。また、今まで培ってきた技術やノウハウ、人脈等の流出を防ぐことができるため、損失を未然に防ぎ、継続的な生産性の向上等を見込めます。企業はこのような理由からカウンターオファーを出し、優秀な人材の引き留めを行っています。
カウンターオファーを受けたときに考えるべき3つのこと
このように様々な理由から、企業は優秀な人材に対してカウンターオファーを出すことがあります。それでは、実際にカウンターオファーを受けた際には、どうしたら良いでしょうか。
なぜ転職しようと思ったのかを改めて考えてみる
通常カウンターオファーを受ける際は、現状よりも良い条件を提示されることになります。その条件が想像していたよりも遥かに良いものだった場合、現職に残る方向に気持ちが傾くこともあるでしょう。
しかしその場合も、一度冷静になってなぜ転職をしようと考えたのかを考え直してみましょう。転職理由が今後のキャリアや人間関係、ワークライフバランスに起因する場合、現職に残るのはあまり良い選択肢ではないかもしれません。安易に決断をせず、「なぜ転職を考え始めたのか」に立ち戻ってみてください。
退職を伝えなかった場合、その条件を貰えたかどうかを考える
なぜ企業は、社員が転職を申し出たタイミングでその条件を提示してきたのでしょうか。もちろん会社として昇給や昇進のタイミングが決まっていたり、たまたま転職や異動によってポジションが空いていたりといった場合もあるでしょう。しかし、社員に残ってもらうために仕方なく提示していることが多いのも現実です。
そこで考えなくてはならないことは、仮に退職を伝えなかった場合、近い将来同じ条件を貰うことができたかどうかです。企業があなたの仕事ぶりを適切に評価していた場合、遠からず同じ条件を貰える可能性はあるかもしれません。しかし引き留めるために仕方なく提示した場合は、難しいと言えるでしょう。その場合、今後も適切な評価をされない可能性があることを念頭に置いておく必要があります。
退職しなかった場合の将来を考えてみる
退職を取りやめ会社に残った後のことを考えてみることも重要です。一度退職を申し出た場合も、周囲の人間と今までのような関係で仕事が出来るのかどうか、一度退職を決意した人という目で見られないかなど、さまざまな角度から検討してみましょう。
また、「転職を検討した理由を考えてみる」にも関わることですが、現職に残ることで自分がやりたいことを出来るかどうかを考えてみる必要もあるでしょう。将来的には可能だが時間がかかりすぎるといった場合や、そもそも実現不可能だった場合は、現職に留まる必要が無いかもしれません。
まとめ
カウンターオファーを貰うということは、あなたが企業から必要とされている証でもあります。そのため、企業に残るというのも選択肢のひとつでしょう。しかし、カウンターオファーを貰った際には、上記に述べた3つのことを改めて考えてみてください。カウンターオファーを受け残ったものの、すぐにまた転職活動を始めてしまった例も少なくありません。何が自分の将来にとって重要かを考えてみてください。
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