近年注目を浴びているHR Tech市場。ミック研究所によると、国内のHR Tech市場は2021年には613億円に達すると予測されています。
そんなHR Tech市場の中でも「人事評価」「人事管理」「タレントマネジメント」といった分野で注目を浴びている株式会社あしたのチーム常務取締役CTO 林田幸一さんに企業のこと、業界のことなどお話を伺ってまいりました。
- 今回、話題のHR Tech並びに株式会社あしたのチームについて伺いたいと思います。まずは、あしたのチームについて教えていただけますか?
あしたのチームは、幅広い業種・業態の中小・ベンチャー企業に対し「ゼッタイ!評価®」という人事評価サービスを提供しています。2008年の創業から10年にわたり人事評価サービスを提供しており、サービスを支える人事評価クラウド「コンピテンシークラウド®」は、現在までに国内外で2000社を超える導入実績があります。
もともと創業者でもある現代表取締役会長 髙橋恭介がジュエリー会社で副社長をしていた頃に人事評価の重要性に気づき、社員を正しく評価して報酬に結び付ける人事評価制度を作りたいと思うようになったところからスタートしました。
サービス開始当初のクラウドシステムはには改善の余地が多くあり、私があしたのチームにジョインした2年前の時点ではエンジニアが一人しかいませんでした。創業してからしばらくは他のビジネスも行っていましたが、代表の髙橋が元々やりたかった人事評価サービス一本にして、しばらくは赤字を掘りながら、ようやく黒字化したという歴史があります。
それだけ人事評価に強い思いこだわりを持っています。
- 何故林田さんはそのタイミングであしたのチームへの参画を決めたんでしょうか?
あしたのチームのサービスが世の中の役に立つものであるということと、前職で利用していたことがきっかけでした。
前職でも人事評価は課題の一つで、評価に対する不満がきっかけでやめてしまった社員も多くいました。そんな中で、元々知人だった現代表取締役社長CEOの赤羽博行があしたのチームにジョインしたと聞いて、あしたのチームへの参画を決めました。また、前職でもあしたのチームのサービスを導入してから離職率が下がったという実績があったので、人事評価制度の効果を実感していました。
- 現在、HR Techの領域にはさまざまなプレイヤーが参入しています。今後、業界で勝ち抜いていくために必要なことはなんだと思われますか?
従業員100人以下の中小企業は、わざわざクラウドを使って人事評価をせずともエクセルで十分かもしれません。ただ、自社の人事評価制度を第三者的視点から見ることは大切だと思っています。人事評価のプロが作った人事評価制度であるということが重要だと考えます。
また、ツールだけ導入しても上手く使いこなせずに終わってしまう企業も多いので、あしたのチームでは徹底的にフォローアップを行います。評価マイスターと呼ばれる企業専属の社員が毎月1回お客様をご訪問し、人事評価制度の運用をサポートします。
少人数の企業様の中には、「社員一人一人にE-Mailアドレスが無いんです!」とか、「1人1台パソコンが支給されていないんです!」という企業も多いです。そういった企業にクラウドの説明をしても、正しく利用できるイメージがわきにくいのです。なので、モバイル版を作成しました。しかしそれだけでは十分ではなく、評価マイスターが運用サポートを通して具体的な利用方法までアドバイスすることが大切だと思っています。
- なるほど、人とテクノロジーの両面が大切ということですね。それでは今後、あしたのチームが目指しているところはどんなところでしょうか?
今までは、一般的にはITにあまり強くないとされる中小企業が主な顧客だったのですが、これからはTech寄りの企業や大企業向けの機能も強化しようとしています。具体的には1on1の機能などです。
また、「コンピテンシークラウド®」は多くの企業の給与データを蓄積していて、おそらくHRTech企業の中で給与データをここまで多く持っている企業はないと思います。その給与データを分析して、目標設定や評価をする際に利用するという試みを行っています。つい先日、これらの分析を行うAIが特許を取得したところなので、今後はそのAIを活用してサービス強化をしていく予定です。
- 林田さんが考える「HRTechが必要とされている理由」はなんでしょう?
人事領域にもデータを活用していこうという風潮がでてきたものの、一部の大企業を除いてほとんどが実現していないのが現状です。社員一人一人が異なる目標を持っている中で、人事が手作業でエクセルを使って評価をしていくことは正直不可能に近く、そういったところにテクノロジーが必要になってくるのだと考えています。
- 特にエンジニアの方の評価って難しかったりしますよね。プロセスが見えにくいというか。
そうですね。なのであしたのチームの人事評価制度では、プロセスと成果を組み合わせたハイブリッドな評価を行っています。あしたのチームのエンジニアの場合は、そこにスキルも評価対象として加わります。
すべての機能に言えることですが、まず社内で使ってみて良かった機能を「コンピテンシークラウド®」に反映させるようにしています。あしたのチームの社員が最初のユーザーになっているんです。
- 話は変わりますが、GINZA SIXにオフィスを移転されました。なぜGINZA SIXだったのでしょうか?
移転の理由は前の本社が手狭になったというシンプルなものですが、代表の髙橋が銀座という土地に思い入れがあったことも理由の一つです。GINZA SIXが建設される前の施設にオフィスが入っていたことがあり、そこに戻ってきたいという強い思いがあったと聞いています。
正直エンジニアとしては、オフィスの場所が変わることに他の社員が喜ぶ理由がピンときていなかったのですが、今はすごく仕事がしやすい環境で働けています。実は、内装なんかもすべてあしたのチームのデザイン事業部がデザインしたんです。エンジニアやデザイナーが利用する執務室は特別仕様になっていて、デスクが広かったり、床にカーペットを敷いて土足厳禁にするなど、クリエイティブな仕事をするのに適した環境になっています。
- 実際に働いてみて、新しいオフィスはいかがですか?
「リモートワークよりも快適なオフィス」というのをコンセプトにデザインしているので、オフィスの快適さでいうと物凄く満足してくれていると感じています。
オフィス環境以外のところでも働きやすさはだいぶ変わっていて、12項目くらい人事制度を変えたんです。その中でも特に好評なのは週1回のリモートワークですね。
- エンジニアがHRTechに関わることの面白さはなんでしょう?
我々はRubyを使用しているのですが、RubyってBtoC向けのサービスで利用することが多いんです。その中でBtoB、さらには人事向けという今まで手を付けられていなかったところに踏み込めるという面白さがあります。実際中小企業では、社員の評価と給与はとても大切なはずなのに、おざなりになってしまっていることも少なくありません。
今までになかったものを創りだすということもあり、すごく社会に貢献できていると感じています。
- クラウド事業部にフィードバックや利用者の反応は届いていますか?
届いていますね。要望は毎月ものすごい数があがって来ます。「ここが使いにくい」など小さな要望でもすべて上げてもらって、すべて律儀に課題管理をしています。もちろん、やらないという判断をすることもあるのですが、ここ2年で2500件くらいあった要望のうち、1800件程度は対応が完了しています。
- 最後に、どんな人と一緒に働きたいかを教えていただけますか?
現在、経験豊富なベテランエンジニアと、若手のエンジニアが多いので、20代後半から30代の中堅メンバーが来てほしいです。また、Rubyスキルはもちろんのこと、PHPの開発経験が長いメンバーもいたりするのでオブジェクト指向が出来る人であれば嬉しいです。
その他には、「サービスをよくしたい」という思いがあることを重要視しています。また、前職の人事評価に不満や疑問を抱いていた方は、それを改善していくことができるということにやりがいを感じてもらえるかと思います。実際、自分の体験をもとに、他の人にそういうことを経験させたくないと思ったことがきっかけで入社した社員も多くいますよ。
さらには、チーム開発がやりたかったという社員も結構います。まだチームがそこまで大きくないので、みんなで協力して開発しているんです。そのような経験がしたい方にはお勧めです。
- ありがとうございました。
■Client Information
ASHITA-TEAM Co., Ltd.
Website: https://www.ashita-team.com/
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