グローバル化やテクノロジーの進化に伴い急速に変化を続ける近代において、企業も様々な変化が求められています。
そのような中、新しい時代の牽引役として期待されている企業の一つがコンサルティングファームであり、その重要性は益々増してきています。
今回、世界最大級のコンサルティングファームあるアクセンチュア株式会社 で製造流通本部(PRD)のマネジング・ディレクターとしてFinance ManagementのFunction Leadを務められている平治様にお話を伺ってまいりました。
- 本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございます。
- 早速ですが、平治様の簡単なご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。
大学を卒業後、新卒としてアクセンチュアに入社しました。14年ほど通信・メディア・ハイテク本部(CMT)でグローバルサプライチェーンやオペレーティングモデルの構築などに従事した後、PRDに異動し、現在はファイナンス領域でのテクノロジーコンサルティングを担っています。
- アクセンチュアに入社を決められた理由は何だったのでしょう?
大きく2つありました。
一つ目が、私自身、常に新しいことをやりたいというタイプでした。そのため、いろいろな領域のお仕事、様々なクライアントと関わるお仕事をやりたいと考えていました。
そして、とにかく人に何か喜んで貰うような仕事、つまり何かを助ける仕事をしたいと思っていたので、コンサルティングという仕事を選びました。
そして二つ目がグローバルカンパニーであることです。
当時からグローバルカンパニーと呼ばれる企業はいくつもありましたが、その中でもアクセンチュアは日常的な働き方まで含めて真の意味でグローバルだなと思ったのが決め手の一つでした。
「ワングローバルネットワーク」で文字通り世界が協働するアクセンチュア
入社を検討していた当時、実際に話をした人事の方や、紹介される事例の話、トレーニングのコンテンツはもちろん、世界中に広がる拠点やその連携などを見ても、私自身アクセンチュアは本当にグローバルに運営しているのだなと理解しました(※現在拠点数は世界52カ国 200都市以上)。
これは今も変わらず、アクセンチュアという会社のグローバル化は、グローバルワンカンパニーであることによってさらに増してきています。
私が今でもアクセンチュアという会社が好きな理由の一つは、クライアントからの要求に対して自分自身や自分の周囲の知見だけでは回答できなことが、アクセンチュアのネットワークを使えば必ずと言っていいほど回答できるという点です。
「お客様からこういった依頼があるけど自分では経験がない」といった際に、経験者を紹介してもらったり事例を共有してもらったりするスピードやコンテンツなどには困ることはまずありません。
- グローバルとナレッジ共有は社内システムですか?それとも各々の人脈を使って行うのでしょうか?
両方あります。社内にKnowledge exchangeのシステムがあり、そこでは全世界のアクセンチュアの提案内容やプロジェクトを確認することができます。
もちろんコンフィデンシャルな情報は消されているのですが、基本的に私たちはそこで情報を集めて、もう少し知りたい場合はその案件の担当者にコンタクトを取ってさらに深堀して聞くというような形でナレッジシェアを行っています。
グローバルカンパニーとしてもう一つ重要なのは、全世界のアクセンチュアで使っている用語やシステムが共通だということです。
私自身、アクセンチュアに入社してから半分~2/3くらいの期間はグローバルプロジェクトに参画し、駐在を含めて海外を転々としてきています。その場合でも、いわゆる言葉の壁というのがなかったということです。
グローバルでのコミュニケーションでは、英語の難しさ以外にも用語の違いというのが壁になることが多々あります。
アクセンチュアではそれがなく、全員が共通言語で、共通のツールや方法論を使いながら話をしているということが強みとなっています。
- よく日本はマーケットが独立、グローバルからの統制がないということを売りにされている企業もありますが、逆に御社はそれがあるからこそ密に連携ができているのでしょうか?
多くの企業がグローバリゼーションに取り組んでいる中、我々が日本人だけで、日本の知識だけで仕事をするのは無理がありますし、日本人チームやその情報量だけでは結局クライアントの期待値を満たすことは難しく、常に世界中の最新のトレンドやベストなものを提供するとなった際、人材も世界中のベストなリソースを集めてきてお客様に提供する必要があると思います。
そうなった際、我々はある意味ではアクセンチュアの日本代表なのですが、世界の代表選手に来てもらって一緒にチームを作ってサービスを提供していくというのがアクセンチュアの強みとなります。
クライアントの期待値やマチュリティレベルが上がるのと同時に、もしくはそれを先超すように我々もグローバリゼーションをしてきています。
- 平治様ご自身のキャリアで、CMTからPRDのファイナンス領域にどのように異動されたのでしょうか?
CMT時代は、主にサプライチェーンに関わる業務を担当しており、いわゆるファイナンスに関わる業務は全く行っていませんでした。サプライチェーンに関わる業務は非常に面白く、自分のスキルとしてもコンサルタントとして一定のところまで構築することができました。
そのような中、以前から一緒にお仕事させていただいていたお客様のプロジェクトでいわゆる経営管理の高度化のプロジェクトリーダーをする機会があり、そこからファイナンス領域に携わるようになりました。
以前からお付き合いのあるCFOの方と今もお仕事させていただいているのですが、CFOの仕事内容がここ10年ですごく変わってきていると感じています。
かつてのCFOは経理部門や会計部門のトップとして、いわゆる予算作成や経費削減といったところにフォーカスしていました。
一方、私が担当させていただいているクライアントのCFOに求められているのはそこではなく、CEOの右腕として企業の価値そのものを変えていく、向上させるという役割を負っていました。
CFOに求められる役割・資質の変化
ここ15年ほどですが、アクセンチュアが日本を含めたグローバルで様々なCFOの方にインタビューをさせていただいています。その中で以前と比べてCFOの役割が目に見えて変わってきているという箇所がいくつか見えてきました。
一つ目が、オペレーションの最適化の方法です。
経理オペレーションの最適化は昔から継続的に行われてきました。ただRPA/OCRなどといった新しいテクノロジーが生まれたことで、これまでとは異なるレベルの次元での自動化や、工数削減を考えることができるようになっています。
二つ目に、フォーキャストが出来るようになった点。
10年以上前は在庫管理やキャッシュの増減など着地見込みはこうなるなどの制度の高い予測はデータの蓄積なども含めリソース的に難しい状況でした。
しかし、テクノロジーが発達した結果、着地見込みを考えるうえで必要なアナリティクスやアルゴリズムの設計などが可能になっています。そういった高度化という部分がCFOの役割において重要な役割を果たしています。
そして三つ目がとても重要で、様々な企業においてデジタル化の牽引役としてCFOが業務を遂行するケースが増えてきています。もちろんこの牽引役は企業によって異なります。当然テクノロジーそのものに詳しくなくてはならないため、CIOやCDOが行うことも多々あります。
ただ、一番重要なことはデジタル化を行う際に発生する投資に対する判断が正しくできるかどうかであり、そこが正しくできない限りデジタル化の推進というのは難しくなってしまいます。
最終的にその投資が企業価値をどのように高めていくのか。企業の時価総額をどれくらい上げることができるのか。そういった判断を総合的に見ることの出来るCFOがデジタル化の牽引役として重要になってきています。
アクセンチュアのサービスは、新しいテクノロジーなど一つ一つの技術要素を組み合わせて新たな価値を創造するところにあると思っています。個々の要素技術は、例えばAIのエンジンそのものだけでは何も役に立たないことがあります。
そのような複数の要素技術を組み合わせることで「このような新しいサービスが生まれ、それが消費者にこんな価値を提供し、最終的にクライアント企業の御社にこのようなメリットがあります。」といったビジネスモデルを作るのがアクセンチュアであり、一緒に行っていくのがCFOだと思っています。
このような変化の中で私がチームのメンバーによく伝えているのが、最終的に彼らにはCFOアドバイザリーとなってほしいということです。
経理財務部門としての一定の経理財務のオペレーションなども非常に重要ですが、企業価値を高めるなどといったミッションを持ったCFOに対しては、世の中のテクノロジーそのものや、そのテクノロジーを使うことで企業としてこのように変革できるのではないかということを伝え、時には背中を押してあげることこそアクセンチュアが担うべきロールです。
そのような企業変革といった難題に対してCFOに寄り添う、アドバイスをするといったことを今のファイナンスグループのミッションとしています。
- 最後に、どのようなマインドセットの方がアクセンチュアにフィットして活躍しいていますか?
いくつか挙げると、まず、新しいものが好きな人。
我々コンサルタントはクライアントより常に先に情報を入手し、トレンドを掴み、新しいサービスやこんな時代が来ますということを言える必要があります。
もちろんその情報をどのように使っていくかというのはクライアントによって違いがあるのですが、その前段階として世の中がこう変わっていっているといったような新しいものに対する感度が高い人はとても合うと思います。
二つ目に、チャレンジングな方は向いていると思います。
もちろんアクセンチュアにはいろいろな職種があるのですが、今私が担当しているテクノロジーコンサルティンググループなどは、新しいものを使って何か世の中にまだ存在しないサービスや、アクセンチュアがまだ手掛けていないサービスを提供したいというマインドは重要です。
必ずクライアントの期待値には答え、クライアントに変革をもたらすというところにチャレンジできる人がいいと思います。
最後にグローバルな環境に身を置いて成長したいという人。
基本的に我々の提供するサービスは全世界共通なのですが、例えば「この領域はアメリカが進んでいる」、「この領域は日本のほうが進んでいる」といった国ごとの色々な特色やトレンドというものがあります。
だからこそグローバルでチームを作ると物凄くみんな刺激をうけて、そのチームは成長していきます。また、ロケーションが海外じゃなかったとしても海外タレントがたくさんいるので、そういった人たちと普段会話をするだけでグローバルな環境で働いているというのを実感できるかなと思います。
アクセンチュアとしては、将来を見据えたうえでクライアントがどのようにステップを踏んでいくかというところに最も価値を提供できると思っています。
現存するソリューションの導入をサポートするというだけでなく、「今後世の中がこう変わっていくから人々の生活がこうなる」、「その生活に対して企業はこういうサービスを提供しなくてはいけない」、「こう変わらなければいけない」といったロードマップを引いていく事がアクセンチュアの提供するサービスのひとつです。
変化を見据えたうえで、そこにどうステップを踏んでいくかというところに本当の私たちの付加価値があるかなと思っています。
- ありがとうございました。
■クライアント情報
アクセンチュア株式会社
Website: www.accenture.com/jp-ja
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