書類選考で、採用担当者が応募者を知る手掛かりのひとつが履歴書の写真です。面接では直接本人を見て、話す言葉や声の印象などで第一印象を判断しますが、書類選考では応募者の見た目の印象を写真だけで判断します。
面接官といえども人間ですから、常識的でない写真や清潔感のない写真を見ればマイナスの印象を抱く可能性もあるでしょう。書類選考通過後でも不利になるリスクがあるので、「たかが写真」と侮らないことが大切です。
ここでは、履歴書に貼る写真の目的やルールのほか、きれいに撮る方法や注意点などについて解説します。
履歴書の写真の目的
履歴書の写真の目的は、面接に来た人が応募者本人であることを確認することです。履歴書に写真が貼られていないと、採用担当者は面接に違う人が来てもわかりません。特に、大企業や人気の職種では応募者が多いので、本人を特定する情報が多いほうがスムーズに面接が進みます。
近年では、履歴書の写真を不要とする企業も増えているようですが、日本では「履歴書に写真を貼る」ことが一般的です。応募企業やポジションによっては、写真がないだけで、非常識だと判断されてしまうこともあります。企業から指示がなく、市販の履歴書を使って応募する場合は、できる限り写真を貼るようにしましょう。
履歴書の写真のルール
履歴書の写真のルールについては、まず「本人である」とわかることが重要です。目立つために奇抜な髪型をしたり、眼鏡を常時かけているのであればわざわざ外したりする必要はありません。面接に進んだ際、採用担当者が写真と本人を見比べて同一人物だと一目でわかる写真がベストです。
ここでは、履歴書の写真のサイズや撮影時期などについて解説します。
規定サイズは縦4cm×横3cm
市販の履歴書に貼る写真のサイズは、一般的に縦4cm×横3cmです。枠を大きくはみ出したり、反対に枠より小さくなりすぎたりしないように、きれいにカットしましょう。
撮影から3ヵ月以内
履歴書の写真は、撮影から3ヵ月以内のものを使用します。履歴書の写真は本人確認のためのものですが、あまり昔の写真だと本人の印象が変わっている可能性があります。昔の写真のほうが映りが良くて印象が良さそうだからといって、過去の写真を使うべきではありません。
書類選考に落ちて返却された履歴書の写真を使い回すのも、折れたり汚れたりしている場合があるので控えたほうが無難です。今回の選考に向けてしっかり準備したという誠意を示すためにも、本人確認という写真本来の目的を果たすためにも、3ヵ月以内に撮った写真を使いましょう。
写真の裏に氏名を書く
採用担当者のもとには、毎日たくさんの履歴書が届きます。履歴書を重ねた際などに写真がはがれてしまうこともあるでしょう。万が一の際、すぐに誰のものかわかるように、写真の裏にはフルネームで名前を書いておいてください。
背景色は青・白・グレーで
写真の背景色は、青か白かグレーが基本とされています。証明写真の背景を選べる場合は、顔映りが良く、ぱっと明るく見える青や白を選びましょう。華やかな色を選べる場合もありますが、あくまでもビジネスシーンで使うことを考えると、突飛な色は避けたほうが無難です。
プロに撮ってもらう場合は、履歴書用であることを伝えて、あとはお任せで問題ありません。
履歴書の写真をきれいに撮る方法
履歴書の写真をきれいに撮るポイントは、「姿勢」「表情」「髪型」「メイク」「服装」で自然な清潔感を意識することです。普段の自分とかけ離れていないことを前提として、下記のようにできるだけ印象が良くなるよう、工夫しましょう。
姿勢:肩の力を抜いて少し胸を張る
意外と第一印象を大きく左右するのが「姿勢」です。正面を向いていなかったり、猫背だったりすると、偉そうな印象や暗い印象を与えます。肩の上にまっすぐ頭がのるイメージで背筋を伸ばし、肩の力は抜いて少しだけ胸を張りましょう。
知らず知らずのうちに頭が傾いてしまうなど、無意識で行っている癖にも注意が必要です。撮った写真は、プリントする前に必ず見直します。
表情:軽く口角を上げて自然な笑顔を意識する
にこやかに見せたいからといって、歯が出るほど笑うのは履歴書向きではありません。口はやわらかく閉じ、口角を上げて自然な笑顔を意識します。顎は若干引いたほうが良いですが、引きすぎると上目遣いになるので注意が必要です。
なお、マスコミやキャビンアテンダントなどの一部の業界や職種では、歯を出した写真を求められることもあるようです。その場合は指示に従いましょう。
髪型:表情を隠さず清潔感のある髪型に
髪型は、清潔感があることが第一条件です。顔を確認するための写真なので、前髪が目にかかったり、横髪が邪魔をして表情を隠したりしないよう整えましょう。髪の長い女性は、後ろでまとめて顔を出したほうが明るく好印象です。
業界や職種にもよりますが、基本的に明るすぎる色や奇抜な髪型は避け、「このままお客様の前に出てもらっても大丈夫」と採用担当者が思うような状態を目指すのがおすすめです。
メイク:ナチュラルメイクで清潔感を出す
女性のメイクも、清潔感が重要です。濃いアイメイクやリップは、ビジネスシーンでは悪目立ちしてしまいます。プライベートとは一線を画し、ナチュラルメイクで清潔感を出しましょう。
特に、ファンデーションの色には要注意です。首の色と差がありすぎると顔だけが白く浮いた印象を与えてしまうので、首と顔になじむ色を選ぶのがポイントです。チークやリップも、肌や唇に合った色を選んでください。コーラルピンクやベージュ系の色を入れると、自然な血色感を演出できます。
服装:業界によっても異なるがシンプルなスーツやシャツが基本
服装は、志望する業界や職種によって望ましいスタイルが異なります。金融や不動産など比較的固い業界では、男性はシンプルなスーツに白シャツ、ネクタイが基本。女性もスーツに白いブラウスやシャツ、カットソーなどを合わせるのがおすすめです。クリエイティブ職などの場合、清潔感を損なわない程度に、シャツの色などで個性を出してもいいでしょう。
履歴書の写真はスピード写真と写真館のどちらで撮ったらいい?
履歴書の写真を撮る方法として代表的なのは、スピード写真と写真館での撮影です。それぞれにメリット・デメリットがありますので、よく比較して選びましょう。
スピード写真のメリット・デメリット
駅の周辺やコンビニエンスストアの横などによく設置されているスピード写真(自動証明写真機)のメリットは、手軽に早く撮影できることです。値段も比較的安く、待たずに撮れます。最近では高性能の機械も登場しており、画質も上がっています。
とはいえ、撮影回数には制限があり、撮影のタイミングに合わせて良い表情を作るのも簡単ではありません。客観的に見てくれる人もいないので、不自然な表情になりがちです。
写真館のメリット・デメリット
スピード写真に比べて価格は高めですが、確実にいい写真を撮れるのが写真館です。プロが専門的な機材で撮ってくれるので、自分らしく自然で、しかも見る人に好印象を与える写真が撮れるでしょう。写真データも購入できることが多く、履歴書をメール送付する場合などにも便利です。
ただし、混み合う時期は希望の日時に撮影できないこともあるため、早めに予約する必要があります。
なお、スマートフォンでの自撮りや、スナップ写真の転用は避けたほうが無難です。どんなにきれいに撮れていても、自撮りや切り抜きであることがわかると、いい加減な人物だという印象を与えるおそれがあるからです。
履歴書の写真のOK / NG例
ここまでに解説してきたことを踏まえて、履歴書の写真のOK/NG例について、具体的なポイントを男女別にご紹介します。
<男性OK例>
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シャツのボタンはとめ、ネクタイは上までしっかり締める
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髪型は目にかからないよう、分けたり整髪剤で自然にまとめたりする
<男性NG例>
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シャツのボタンがすべてとまっていない
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ネクタイが上まで締まってない
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前髪や横髪で目や表情が隠れてしまっている
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髪型が整えられていない
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整髪剤の使いすぎで不自然な髪型になっている
<女性OK例>
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ロングヘアの場合、顔周りにかからないよう、後ろでまとめると良い
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ショートヘアの場合も同様に、耳にかけるなどする
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メイクは、清潔感のあるナチュラルメイクになっている
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アクセサリーは小ぶりで控えめの物にするか、つけない
<女性NG例>
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前髪や横髪で目や表情が隠れてしまっている
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派手なメイクになってしまっている
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アクセサリーが目立ってしまっている
メールで履歴書を送るときの注意点
最近では、履歴書を郵便ではなくメールで送付するケースも増えています。メール送付の場合は、下記の点に注意しましょう。
WordかExcelで作成し、PDFで送る
履歴書はWord、またはExcelのテンプレートを使って作成し、PDF形式で送りましょう。WordやExcelのまま送ると、第三者が改ざんできてしまうからです。
また、PDFならレイアウトを気にせず印刷できるので、忙しい採用担当者に好印象を与えることができるかもしれません。
ただし、企業によってはWordのみやPDFのみといったように、フォーマットの指定がある場合があります。その場合は指定されたフォーマットの履歴書を送るようにしてください。
必ずパスワードをかけて送る
個人情報保護の観点から、履歴書には必ずパスワードをかけて送るようにしましょう。情報管理に関する知識とマナーがあることの証明にもなります。パスワードは、履歴書を添付したメールに続いて後送します。
写真データの大きさに注意する
WEBエントリーする場合や履歴書をメール送付する場合には、証明写真のデータを添付します。データの場合、大きさの単位は紙の履歴書の「cm」ではなく「px(pixel:ピクセル)」で指定され、「縦560px × 横420px」あるいは「縦600px × 横450px」が一般的です。
このサイズ指定を間違えると、データ容量の問題でアップロードできない可能性があるほか、指定サイズを守らないことでイメ―ジダウンにつながるおそれがあるので、しっかり確認しましょう。
メールは2MB以内にする
メールにファイルを添付して送る場合、2MB(2,000kB)以内にするのがビジネスマナーです。2MBを超えるとスムーズに送受信できない可能性があるため、必ずサイズを確認してから送りましょう。
写真の添付漏れに注意する
写真を添付し忘れると、「確認が足りない人」「いいかげんな人」と思われかねません。企業によっては、写真がない時点で応募書類の不備として処理することもあります。
履歴書を書き終えたら、すぐに写真を添付しましょう。
英語履歴書(レジュメ)の注意点
外資系企業に応募する際に用意する英語履歴書(レジュメ)の場合、基本的に写真は必要ない場合が多いでしょう。企業に求められたときだけ貼るようにします。
ただし、外資系企業であっても日本語の履歴書を求められた場合は、写真を貼る必要があります。
履歴書の細部までこだわって、印象をワンランクアップ!
履歴書は、企業と応募者との最初の接点です。特に写真は、応募者の人となりを想像するための重要な材料となります。手を抜かず、良い第一印象の獲得を目指しましょう。
併せて、経歴や強みを効果的にアピールできれば、書類選考通過の可能性が高まります。履歴書の書き方に悩む人に、RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、企業が見るポイントを知りつくしたコンサルタントが無料で書類添削を行っています。「履歴書に磨きをかけたい!」「何を書いていいかわからない」といったときは、ぜひサービスの利用をご検討ください。
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