元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは「海外で働く」です。
海外に出ることが難しい2年間が続きましたが、いつか収束し海外で働きたい方々の夢を叶えるために、本日は「海外で働く」をテーマにします。
1. ワーキングホリデー
国によって異なりますが、年齢制限が20代のことが多いです。若い人材が海外に住むという経験を得るためにはお勧めです。ただ、海外での仕事の種類が、日本食レストランの店員さんをする、果樹園で一日中果物を収穫するなどに限られ、ほとんど英語を使わないで仕事ができるので、帰国してからの就職で苦労することは覚悟してください。
2. デジタルノマド
ITのめざましい普及で、リモートワークが可能な職種が増えました。
「海外を飛び回って生活してみたい。」「30歳を超えていてワーキングホリデービザが取得できないが、海外で働いて生活したい。」と思う方で、IT機器があれば仕事が成立する人材には、デジタルノマドビザを取るという手段があります。
有効期間は1年であることが多いですが、世界の20カ国近くがデジタルノマドビザを発給しています。ドイツ・ポルトガル・スペインなどヨーロッパ諸国から、カリブ海に浮かぶ島バミューダ・ケイマンなど、幅広い選択肢があり、自分の好きな国で時間・場所にとらわれずに仕事できるのは素晴らしいと思います。
期間を3年、もしくは5年まで延長できる国もあるので、よく調べて行き先を決めるのが良さそうです。
3. 日本企業から海外駐在
就労ビザを会社が手続きしてくれると言う意味で、海外で働ける得がたいチャンスです。特に海外駐在をしたい人が減っている昨今、いける可能性は以前より高いかもしれません。海外駐在員に選ばれるためにはどんな準備が必要でしょうか。
a) 現在の部署で、目の前の仕事を全力でやり成果を出す。
「仕事ができる」と思ってもらえなければ、ただ「海外に行きたいです」と手を挙げても、海外駐在の機会をえることはできないわけです。
b) 英語力を上げておく
すべての国で英語が通用するわけではありませんが、ビジネス公用語が英語である国が多いので、会社としては英語できるとわかっていると、海外に派遣しやすくなります。
私の友人は、海外駐在を目指して社内TOEICを毎年受験し、駐在が決まるときにはTOEIC満点(990)をとってありました。本当はシンガポールに行くはずだったのを、部長が「あいつは英語を頑張ったから」とロンドン駐在に行き先を変えてくれたという実例もあります。
c) 社内アピール
海外駐在をしたいと心の中で思っていても、誰にも伝わりません。異動の希望を書く時には「海外駐在希望」と意思表明しておくことは大切です。
その他にも、社内で海外駐在を決定している数人は誰かを調べて、自分の顔をさりげなく売っておくことも大事です。ステークホルダーに、自分は海外駐在したい人材なのだと認識してもらえると思い出してもらえるからです。
4. 海外に転職する
海外にある企業に、自分(外国人)の就労ビザをスポンサーしてもらうためには、その国の人材にはない、スキル・経験を持っている必要があります。
多くの場合、「日本語が話せる」が該当します。クライアントが現地の日本企業であるとか、海外にいながらにして日本市場の開拓をすることが職務などの仕事です。現地には出来る人材がいないので、外国人である日本人にチャンスが回ってきます。
いきなり海外で、特に英語圏で英語を母国語とする人たちと対等に仕事をしていくのは最初は無理なことが多いので、第一歩として日本人であると言うアイデンティティーを使って仕事をする道を取るのは現実的です。
5. 永住権を取る長い道のり
海外で働いていると、その国に永住したいと思うこともあるでしょう。この時はかなりの覚悟が必要です。
こちらも実例を挙げてお話しすると、例えばアメリカの大学院を出てからOTPビザ有効期限の1年間で仕事をし、その間に自分の仕事をスポンサーしてくれる次の企業を大急ぎで探しました。
この時も、最初の1歩は日本語が話せることが職務記述書の中の必須項目。まだ英語力が足りないからです。外国人への就労ビザは、有効期限3年で2回しか発給されないので、合計6年のうちに次の準備に移ることになります。
彼女の場合は日本人の配偶者の永住権が下りたため、自動的に彼女も永住権が取れました。大学院時代から数えると通算10年近くかかったそうです。
まとめ
本日は海外で働く方法について解説しました。手段はいくつかありますが、いづれにしてもビザが必要なので事前準備が大切です。 海外に住んで働く経験は、日本人としてのアイデンティティを見直す機会を与えてくれますし、何よりチャレンジングで喜怒哀楽どれをとっても、かけがえのない体験の積み重ねになります。いつか海外で働いてみたい方は、ぜひ夢を叶えてください。
プロフィール
Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)
株式会社AT Globe 代表取締役社長
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。
診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講
STAR面接技法 認定講師
ホフステード6次元異文化モデル 認定講師
お茶の水女子大学卒業。
著書
2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)
2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)
グローバル企業で働くことは、グローバルに働きたい人や語学力を生かして働きたい人だけでなく、自分の可能性やワークライフバランスを求める多くの方にとって、多くのメリットがあります。
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系・日系グローバル企業の案件を中心に、国内外のさまざまな優良企業の採用活動を支援しています。そのため、それぞれの方が求める最適なキャリアの選択肢をご紹介可能です。
「グローバルに働いてみたい」「より自分が輝ける場所で働きたい」「自分の選択肢を広げたい」といった方は、一度ご相談ください。業界経験豊富なコンサルタントが、みなさまのキャリアを全力でサポートいたします。