元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、「グローバル人材度の4段階について」がテーマです。
平日の8:15a.m.- 8:30a.m.にClubhouseでグローバル朝活を15ヶ月開催しています。10日くらい前にゲストがお部屋でしてくださったお話に、私の経験を乗せてお伝えします。
グローバル人材度を測るスタンダードは今のところまだ存在しませんが、大まかに4段階に分けられます。
1. 知見がなく、日本流を押しつけて失敗する
海外との接点が全くないまま日本で育ち仕事をしていると、日本流が唯一無二のやり方と誤解し、日本式を文化的な背景が違う人に押しつけてしまいがちです。例えば、根回しに時間をかけ過ぎて相手からは意思決定が遅いと見えたり、明確に伝えず「空気を読む」習慣がない人に誤解されたりします。私を含め帰国子女でない人は、最初のころは無知の状態なので、当然失敗だらけになります。
2. 海外イコール米国と思い込み、失礼すぎるほどストレートに振る舞うことがある
日本はアメリカの傘の下で生きているので、メディアの扱いもアメリカのニュースが圧倒的に多いです。世界広しといえども、アメリカの大統領選挙を我が国のことのように、州ごとの予想得票数まで報道している国は他にあまりないかもしれません。無意識のうちに、海外と言えばアメリカと思い込んでも不思議ではありません。
まさしく私が、大学卒業後にGE、モルガン・スタンレーとアメリカの東海岸と働いた後、アジア・パシフィックの仕事になり、アジアにアメリカ式を持ち込んだ時に当たります。アジアとアメリカが同じわけはないのですが経験不足とは恐ろしく、結構ストレートな物言いをしてしまった若気の至りを思い出します。
アメリカ式がグローバル・スタンダードでは無いと分かったこと、アジア・パシフィックと言っても各国は当然違い、コミュニケーション・スタイルを変えないと上手に仕事ができないことを学びました。
アメリカ人相手に比較的YES/NOがはっきりとしたアサーティブなコミュニケーションを取っていると、陥りがちな穴なので落ちないようにしてください。
3. 国ごとの文化について勉強した末、ステレオタイプにこだわってしまう
私は、ホフステード異文化6次元モデルの認定講師です。ホフステードの理論は素晴らしいですが、肝心なことを忘れてはいけないのですよね。国民性はあるけれど、最後は「個人」レベルの話だということです。私も理論を学んだ直後の1年間くらいは、つい「国籍」によって指標のスコアを思い浮かべてモノを言いがちでした。
これではダメだと気がついたのは、スコア通りに行かない例に遭遇したからです。あるセミナーを2社でコラボすることになりました。先方の担当者は中国出身。彼と私、ある指標のスコアが国民性通りになっておらず、四苦八苦しました。
指標は「不確実性回避」、石橋を叩いて渡りたいかどうかです。
中国のスコアは30, 日本は92。
理論を当てはめると、中国人の彼は事前準備をしなくても直前まで平気でいられるタイプ、日本人の私はミスなく準備を早くから行いたいタイプということになります。現実は、全く逆でした。土壇場人間の日本人の私と、早めにバッチリ準備したい中国人の彼という真逆の組み合わせだったのです。
国民性だけで判断することは危険であることを示す例かと思います。
4. 国籍性別・人種・宗教・LGBTQなどに関係なく、「個人」と向き合うことができる
グローバル人材が最終的に到達したい境地はここです。相手の表面的なラベル、国籍・性別・年齢・宗教・LGBTQなどに囚われず、全ての人と「個人」として対峙できるステージです。正直なところ今の私はまだ3.5くらいかなと思っています。4の境地に到達しているとまだ言い切れないので、皆さんと一緒に目指したいです。
まとめ
いかがでしょうか? 今の皆さんのグローバル人材度は、何番ですか? 少しずつ経験を重ね、最終地点に達することができるように頑張りましょう。
プロフィール
Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)
株式会社AT Globe 代表取締役社長
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。
診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講
STAR面接技法 認定講師
ホフステード6次元異文化モデル 認定講師
お茶の水女子大学卒業。
著書
2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)
2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)
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