元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今回のコラムは、転職初心者向けに外資系への転職の方法について書きます。

外資系に転職しようとする時、そもそもどのように転職活動をしたら良いのかがわからないという質問をいただきます。本日は、外資系に転職するための方法について説明します。

1. 英文履歴書を用意

転職活動をスタートさせることになったら、すぐ必要になるのが英文履歴書です。これまでの経歴を棚卸しして、なるべく業績を数値化してインパクトのある履歴書を用意しましょう。英語のレベルより中身が大事です。 

2. 転職エージェントに相談

転職エージェントは多数存在しますが、外資系案件をたくさん持っているエージェントは特定されます。ネットでどのような会社が外資系に強いのかと評判をよく調べてまずは登録しましょう。

転職エージェントは応募先の企業についての詳しい情報を共有してくれるだけでなく、次の面接についてのアドバイスをしてくれたり、給与交渉を引き受けてくれる強い味方です。上手にサポートしてもらい転職活動を助けてもらいましょう。

注意したいのは、コミッション狙いで無理矢理プレースしようとする残念なコンサルタントが全くいないわけではないので、自分の軸・主張はしっかり持つことです。

3. バイリンガル人材向け求人サイトに登録

今すぐ転職したいわけでない、もしくは積極的に転職エージェントとどんどん面談を進めたくはない場合、バイリンガル人材向けの求人サイトに登録しておく事がお勧めです。この場合、サイト独自のフォームに改めて経歴を入力することになるかもしれません。英文履歴書がきちんと用意してあれば、アレンジして入力すれば良いので安心です。 

注意点は、オンラインでの入力は候補者が気楽な分、大勢から応募がある可能性も高く、合否が知らされないこともあり待ち時間が発生することがあることです。一喜一憂することなく、「次行こう次」の強い姿勢で、全ての案件が通らなくても大丈夫と自分に言い聞かせてください。

4. LinkedInを活用

2020年2月から利用者が増えているLinkedInは、もともと仕様が転職活動に適したツールです。転職したいのであればぜひ利用したいです。

休職中であることが現職に漏れることを心配する人は、転職エージェント・企業の採用担当にしか見えない「私は転職にオープンです」なるフラグを立てれば採用に関係ない人には見られないので安心です。

プロフィールは非常に重要なので、英文履歴書のオープニングパートに注意を払い、職種・業界・経験年数が一目でわかるようにしておきましょう。

5. 外資系企業の自社ホームページをまめにチェック

応募したい企業が特定できている場合は、企業ホームページの求人情報欄をまめにチェックして、これはと思うポジションが空いたら、すぐに英文履歴書を提出できる状態にしておきたいです。競争率が高い企業には候補者が殺到しますので、ポジションがオープンになってから英文履歴書をゼロから書いているようでは、間に合いません。 

6. キャリアフェアに参加

転職初心者でどちらかというと内向的な方は、一度キャリアフェアに参加して、カジュアルな雰囲気の中で人事の採用担当と直接話をする経験を積むと、本番の面接で緊張しないようになります。

たくさんの候補者がブースに集まっている時に、自分を前に押し出すアサーティブネスが必要なことも理解し少しずつ身につけることができるので、転職初心者には良い機会です。

まとめ

本日は、外資系に転職する方法について説明しました。どれか1つを試すのではなく、転職活動をすると決めたらほぼ全部をやることをお勧めします。転職は「ご縁とタイミング」なので、手段を絞りすぎると良い出会いにタイムリーに出会えないかもしれないからです。頑張ってください!  

プロフィール 

Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)

株式会社AT Globe 代表取締役社長　　

GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。１万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を８回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。

診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講

STAR面接技法 認定講師

ホフステード6次元異文化モデル　認定講師

お茶の水女子大学卒業。

著書

2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版）

2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」（日本実業）