元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。転職活動は順調でしょうか? 12月の第2週に入りましたので、今週中に1次面接が終わらない場合、担当者が休暇に入り始め大きく進展するのは2024年と言うことになりそうです。
年末年始はまとまった時間が取れるタイミングです。もし転職活動が思うほど順調に進んでいなかったらPDCAを回して改善する絶好のチャンスです。
価値観を確認する
書類審査や面接で落ちてしまい、なかなかゴールまでたどり着けない。少し辛い思いをしているときは、価値観の並び替えワークをすることをお勧めします。
今、人生で最も大事なものは何か? 忙しさに紛れると、なかなか振り返る時間がありません。でもこの価値観こそが、キャリア形成をしたり転職活動を行うに当たって、基本の土台となる鍵なのです。
価値観は、時とともに変化していきます。2024年を迎えるにあたって、自分が人生に求めるTop 3の価値観は何でしょうか?
これがはっきりしていれば、そもそも面接に行くかどうかを迷うこともありませんし、ラッキーなことに複数社から内定をもらえた時にも迷うことはありません。たまたま面接官が感じ良かった、自分が思っていたより給与のパッケージが良かったなど、想定外のことが起きるたびに軸がぐらぐら揺れるのを防いでくれます。
素晴らしい面接官で、この人の部下になりたいと思ったところで、入社したら転職してもう在籍していないかもしれません。給与パッケージは、その人の人材としての価値をフェアに図るものであり、高すぎる時は、労働時間が長い・求められる仕事のレベルが高すぎてついていけないなど、入社してから大変になる可能性も示唆しています。
上の欄外にある価値観を、表の中にある「最重要」「重要」「普通」「あまり重要でない」「不要」の下に並べてください。最重要の列だけは、1番上に最も重要なものがものを置き、だんだん順位が下がるように並べてください。
出来上がった表から、今の皆さんの状態がよくわかるはずです。
英文履歴書が通らないことが多い場合
1. 職務記述書の必須項目を自分の履歴書に織り込む
転職エージェントやLinkedInからアプローチされて、自分に向いているかどうかを確認するときには、読む応募先ポジションの職務記述書ですが、実際に英文履歴書を書くときに読み直していない方がとても多いです。
弊害は、相手が必須と書いている項目が、履歴書に載っていないという形で現れます。外資は即戦力重視、ポテンシャルで採用するわけではないので、これだけは必須項目ですと言っている資質・経験・スキルに関しては、可能な限り自分の履歴書に盛り込みましょう。
2. 業績を数字を使ってアピールする
履歴書が書類審査に通らなければ面接に行くことができません。書類審査にとおるためには自らの業績をアピールすることが大事です。1番手っ取り早い方法は数値化することです。
営業マンの売り上げ・ノルマ達成率、マーケティングのPV数やイベント集客数の増加率、プロジェクト・マネジャーが関与したプロジェクトの規模・予算・人数等、数値化することが可能な仕事をしている人は、数字で説得力を上げることをお勧めします。
面接で最終までたどり着けない場合
1. 短くロジカルに話す
日本人は丁寧なので、英語でも聞かれた質問に詳細まで答えようとする傾向があります。これは外資の面接官が求めている事と大きく異なります。面接官は初めてお目にかかる人の初めての話を聞くわけです。かなり一生懸命聞いてはいますが、話がぐるぐると回って長かったりすると、最初の頃に何を言われたのか思い出すことができなくなります。
記憶力のキャパを考慮して、英語での面接の時は短めにロジカルに話したいものです。よく「見出しレベル」と私は言いますが、心配しなくても面接官がもっと聞きたいと思った事柄や、このポジションにとって重要なポイントと思えば、必ず深掘りの質問をしてくれます。最初から詳細情報の全てを与えようとしなくて大丈夫です。
2. アサーティブネス
アサーティブネスとは、相手のポジションの上下にかかわらず、相手をリスペクトしながらも、自分の意見や主張を伝えられる力を指します。外資において非常に重要なスキルです。
英語での面接にあまり慣れていない時、緊張する気持ちはわかります。ただ緊張すると、顔の表情や体の硬さとなって現れるので相手にわかりますし、英語がスムーズに出てこなくなってしまいます。なるべく自然体であがらないように、おどおどした態度を見せないことが重要です。
まとめ
以上、英文履歴書作成、または英語での面接において、最も多いうまくいかない理由をあげました。ご自分のケースに照らし合わせて該当する事柄があるかどうか確認してください。該当すると思ったらこの年末年始で改善できるといいですね。
2023年もコラムをお読みくださりありがとうございました。2024年は、英文履歴書の作成やへ英語での面接について、Before/Afterどこが足りないのかを解説するコラムを書かせていただく予定です。
今年の最後のコラムになるので、だいぶ早いですが皆様どうか良い年をお迎えください。
プロフィール
Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)
株式会社AT Globe 代表取締役社長
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。
診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講
STAR面接技法 認定講師
ホフステード6次元異文化モデル 認定講師
お茶の水女子大学卒業。
著書
2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)
2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)
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