外資系メーカーへの転職活動をスタートする前に知っておきたいのが、外資系メーカーならではの社風や採用傾向、求められるスキル、採用面接で注意すべきことなどでしょう。
ここでは、外資系メーカーへの転職活動を始める前に、押さえておきたい基礎知識について解説します。
外資系メーカーとは?
外資系メーカーとは、外国の法人、もしくは外国企業や外国人投資家が一定以上出資しているメーカーのことです。大きく分けると、外国の企業が日本で設立した100%子会社(日本法人)、日本企業と外国企業が共同出資で設立した会社、外国の企業が日本企業の株式を取得したケース、外国企業の日本支社の4つがあります。
外資系メーカーといっても業種はさまざまで、消費財メーカー、重機・重工メーカー、製薬会社などが代表的です。
消費財メーカー
食品や化粧品など、日常的な消費を目的として購入される商品を扱うメーカーです。日系企業とのシェア争いが激しく、ハードワークになりがちですが、外資系企業ならではの大胆な経営を肌で感じられる環境です。
重機・重工メーカー
サーバー・ネットワーク機器、建設などを開発するメーカーです。製造する種類は幅広く、発電所などのエネルギー開発から、 防衛産業や宇宙産業を手掛けることもあります。
製薬会社
医療機器やコンタクトレンズ、医療用医薬品、ワクチンなどを開発するメーカーです。
外資系メーカーの社風に特徴はある?
基本的に「無駄」を嫌う外資系メーカーでは、意思決定までのプロセスが非常にスピーディーです。日系企業では稟議が下りるまでにたくさんの部署を経由するなど、意思決定前の社内調整に時間がかかる傾向にありますが、外資系メーカーでは本社や上司の判断によって瞬時に方針転換することも珍しくありません。
ビジネスの現場では、常に迅速な合意形成と意思決定、アウトプットが求められています。そのため、外資系メーカーで働いている人も、変化にフレキシブルに対応する、主体的で行動的な人が多いでしょう。「とりあえずみんなの意見を聞く」という考え方や、「議論したが何も決まらず結論を先送りにする」というような会議はほぼ存在しません。
また、外資系メーカーには、さまざまな国籍の社員が在籍しています。働く場所が日本でも、上司や同僚、部下には多くの外国人がおり、日本人だけでチームや部署が形成されることはあまりありません。
外資系メーカー日本に製造ラインを持たないケースが多く、本国をはじめとする諸外国とのやりとりが頻繁に発生します。国籍が違えば文化や商習慣、ワークスタイルなども違って当然ですから、多様性を認め、尊重して働く意識が根づいているでしょう。
外資系メーカーの給与・福利厚生の特徴と傾向
外資系メーカーの多くは年俸制で、その水準は総じて日系企業に比べて高めです。個人のパフォーマンス次第で金額が決まるインセンティブやボーナスも、日系企業より高いことが多いでしょう。
ただし、日系企業が給与と別に用意するような、住宅手当、慶弔手当、家族手当といった手当はあまりありません。外資系企業で働く人はキャリアアップを目的とした転職が一般的というイメージがあるかもしれませんが、実際には1社で長く働く人も多く、退職金制度のある会社も多いです。
一方で、休暇制度は充実しており、ワークライフバランスという点では日系企業より充実させやすい仕組みが整っています。長時間労働など会社への過度な貢献を求められる風習はなく、成果さえ出すことができればプライベートも充実させられるでしょう。
外資系メーカーでよく見られる休暇制度には、次のようなものがあります。
有給休暇
日系企業にもある一般的な有給休暇です。外資系メーカーの場合、法律で定められている日数よりも多く付与していて、かつ取りやすい企業が多いようです。
バケーション休暇
日本では、有給休暇すらなかなか取れない人も少なくありませんが、外資系企業ではバケーションを理由に堂々と有給休暇を使うことができます。特に夏季は、7~9月までに社員がローテーションで長期休暇を取り、バケーションを楽しむ人が多いようです。
また、欧米系の企業では12月中旬から長期休暇を取る人も多いようです。
シックリーブ(Sick leave:病気休暇)
ケガや病気で会社を休まざるをえない場合、年次有給休暇とは別に休みをもらえる制度が「シックリーブ」です。休める日数は会社によってさまざまですが、緊急事態に備えて有給休暇を残しておく必要がないので、長期休暇など本来の目的にしっかり有給休暇を活用することができます。
このほか、フレックス制度がきちんと機能している点も外資系企業ならではです。フレックス制度は、日系企業の場合、社内の誰も使っていない会社もあるように、「制度はあるけど機能していない」というケースも多いもの。外資系企業では時差がある中で複数の会議に出席するようなポジションも多く、社員の正当な権利として普及しています。
外資系メーカーにおける最近の転職傾向
外資系メーカーへの転職となると、「即戦力」が求められるイメージがありますが、第二新卒を対象とした未経験者歓迎の求人も増えてきています。英語力についても、上司や取引先が日本人であったり、トレーニングを日本で完結できる環境が整っていたりするポジションでは、「入社後に少しずつ身につければOK」という場合も多いです。
「外資系企業に興味があるけど英語力に自信がない」という若年層には、大いにチャンスがあるでしょう。年齢によってはポテンシャル採用の可能性も十分にあるので、積極的なチャレンジをおすすめします。
外資系メーカーで求人の多いポジションとしては、営業職とエンジニアが目立ちます。エンジニア職は、アプリケーションエンジニア、サービスエンジニア、設計開発エンジニア、プロジェクトマネージャーなどさまざまで、求められるスキルも異なります。海外の人と接することが多い場合は一定の英語力が必須ですが、ものづくりの要素が強い場合は、英語力より技術力が重視される傾向があるでしょう。
特に、自動車メーカーでは、電気自動車や自動運転などの台頭によって、これまで業界内で使われてこなかった技術が求められるようになってきました。他社より少しでも早く開発を進めるために、あえて異業種で活躍していたエンジニアを採用する企業も増えています。
外資系メーカーに向いている人・採用されやすい人
外資系メーカーで働くのに向いている人や採用されやすい人には、次のような特徴があります。
応募するポジションに親和性がある人
外資系メーカーが何より重視しているのは、応募するポジションと応募者のスキルとの親和性です。特に、即戦力として活躍できる人材を求めている場合は、人柄や意欲よりも経験によって採用が決まるといっても過言ではありません。
能動的で主体的な人
外資系メーカーは、前述したように意思決定がスピーディーです。仕事が来るのを待っている人、指示を待ってからでないと行動できない人は、経験やスキルがあってもすぐに置いていかれてしまいます。
能動的・主体的に行動できる人が外資系メーカーに向いているでしょう。
異文化理解力がある人
外資系メーカーでは、直接のお客様が日本人である場合でも、上司や同僚には外国人が多数います。グローバルな環境で働く上では、異なる文化や考え方を尊重し、理解し合う姿勢が欠かせません。
仕事以外でも、過去に海外の人といっしょに活動をしたことがある場合は、具体的な経験と併せて積極的にアピールしましょう。
語学力がある人
どんなポジションであっても、「英語がまったく話せない」という状態はやはり不利です。外資系メーカーの公用語は基本的に英語であるため、入社時点ではまったく話せなくても、転職後に学ぶ意欲を示すことが大切です。
レジュメやカバーシートはどう書く?外資系メーカーならではの注意点
外資系メーカーに転職する場合、応募の際に、英語のレジュメと日本語の履歴書・職務経歴書をそれぞれ用意することが基本です。レジュメの英文である程度スクリーニングされますので、英語が母国語でない人は、レジュメの完成度と充実度を高める努力をしましょう。
また、応募企業や応募するポジションに対して、アピールすべき内容をきちんと記載することも重要です。応募要項と照らし合わせ、求められる経験やスキルがあることを示しましょう。
外資系メーカーの面接で注意すべきことは?
外資系メーカーの面接では、はっきりとした意思表示を好む文化や風土を踏まえて、なぜ志望したのか、どんなキャリアプランを描いているのか、組織の中でどのような活躍ができるのかという自分の思いをしっかり伝えることが大切です。ただダラダラと話すのではなく、ロジカルに話すことも意識しましょう。
英語の面接は、普段英語に親しんでいる人でも緊張するものです。「うまく」「正しく」ではなく、「流暢でなくても真摯に伝える」つもりで、相手の話を理解しよう、伝えようとする姿勢を忘れないようにしてください。
もちろん、質問をきちんと把握できなければ、もう一度聞いても構いません。緊張した場面でもフレキシブルな対応ができるように、日本語だけでなく英語でも面接の練習をしておくと、安心して面接に臨むことができます。
外資系メーカーの転職は転職エージェントに相談を
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系メーカーへの転職を数多く扱ってきた歴史と実績があります。業種や職種の専門知識を有するコンサルタントがサポートを行うため、業界特有の情報や採用マーケットの動向など、リアルな情報をお伝えできます。
また、キャリアのアドバイスを行うコンサルタントが、企業との調整も行う両面型の転職エージェントであるため、企業が求める人物像に合わせて求職者を推薦することが可能です。外資系メーカーへの転職を考えている人は、ぜひご相談ください。
グローバル企業で働くことは、グローバルに働きたい人や語学力を生かして働きたい人だけでなく、自分の可能性やワークライフバランスを求める多くの方にとって、多くのメリットがあります。
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系・日系グローバル企業の案件を中心に、国内外のさまざまな優良企業の採用活動を支援しています。そのため、それぞれの方が求める最適なキャリアの選択肢をご紹介可能です。
「グローバルに働いてみたい」「より自分が輝ける場所で働きたい」「自分の選択肢を広げたい」といった方は、一度ご相談ください。業界経験豊富なコンサルタントが、みなさまのキャリアを全力でサポートいたします。