外資系化学メーカーへの転職活動をする際に知っておきたいのが、外資系化学メーカーならではの社風や採用傾向のほか、求められるスキル、採用面接で注意すべきことなどでしょう。
ここでは、外資系化学メーカーへの転職活動を始める前に押さえておきたい基礎知識について解説します。
外資系化学メーカーとは?
外資系化学メーカーとは、「外国の企業が日本で設立した100%子会社(日本法人)」「日本企業と海外企業が共同出資で設立した会社」「外国の企業が株式を取得して買収した日本企業」「外国企業の日本支社」のいずれかにあてはまる化学メーカーを指します。
化学メーカーは、以下のような生活に密着したさまざまな製品の素材や原料の研究・開発、生産、販売などを行っています。
<化学メーカーが研究・開発、生産、販売を行っている製品例>
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半導体やディスプレイに用いられる光学用フィルム
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洗剤などに使われる界面活性剤
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住宅や自動車などの塗装用塗料
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電池の材料や部品
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農薬
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天然ゴム、合成ゴム
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肥料
外資系化学メーカーでも、原料の採取から研究、開発、製造・販売まで一連の流れを一貫して担う企業と、一部を担う企業とでは、募集する職種が異なります。化学メーカーでは、主に次のような職種があります。
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技術系職種
技術系職種には大きく分けて、新しい素材や機能などを研究する研究職、研究開発の成果を生産につなげる技術開発職、生産管理や行程改善を行う生産技術職などがあります。
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営業系職種
営業系職種には、既存顧客に向けた既存製品・新規製品の販売、および新規顧客開拓があります。営業といってもただ販売するだけではなく、製品知識や技術的な知識が求められる仕事です。
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バックオフィス系職種
外資系化学メーカーでも、経理、法務、人事、総務、広報、生産管理など、一般的な外資系企業と同様のバックオフィス系職種があります。
外資系化学メーカーの社風に特徴はある?
外資系化学メーカーがひとつの製品を生み出すまでの研究と実証には、長い時間がかかります。長期的な事業計画に沿って事業運営するため、一般的な外資系企業のスピード感とは少し異なり、比較的ゆっくり、じっくりと仕事に取り組める環境であることが多いでしょう。
外資系化学メーカーの給与や福利厚生の特徴
ほかの外資系企業と同様、外資系化学メーカーの給与は、日系企業に勤める同年代、もしくは同ポジションに比べて高めとなっています。しかし、日系企業では給与とは別に支給される手当をすべて含めた額であり、別途手当が支給されるわけではないことに注意が必要です。
なお、福利厚生は企業によって異なりますが、労災保険、厚生年金、健康保険、雇用保険、有給休暇といった一般的な制度は、基本的にどの外資系化学メーカーにもあると考えて良いでしょう。そのほかに、食事補助、確定給付年金、通勤手当、寮・社宅、退職金など、日系企業に近い企業もあります。
外資系化学メーカーにおける最近の求人傾向・転職傾向
外資系化学メーカーでは、市場の状況によって求人に影響があります。
外資系化学メーカーにおいて、今後求人が減少する、または反対に変わらないと見られる業種・職種は以下のとおりです。
サプライチェーン関連
原材料の仕入れから製造、販売、消費までの一連の流れを最適化し、管理するサプライチェーン関連の業種は2020年3月頃から販売が鈍化したことで、求人をクローズする企業が増えています。
サプライチェーン関連職で経験を積み、今後サプライチェーンマネジメントなどへのステップアップを目指す人は、今は我慢の時でしょう。問題終息後を見据えて、長期的な視点で「どのようにキャリアアップしていくか」「いつ、どのように動くか」をじっくり考えましょう。市場の状況を客観的に判断できる、転職コンサルタントに相談するのもおすすめです。
自動車・建築関連の素材の製造・開発
開発現場、および工場で実際に手を動かしてものづくりを行う製造職については、比較的順調に募集が行われています。しかし、消費が冷え込んでいる自動車や建築業界については減少傾向であるため、その素材を扱う化学メーカーも注意が必要です。製造や開発以外にも、セールスやエンジニアなどの求人も減っており、今後しばらくは厳しい状況が続くでしょう。転職の時期については、慎重な判断が求められます。
消費財のサプライヤー
外資系化学メーカーの中でも、エンドユーザーが消費したり使用したりする衣料品、生活雑貨、家電、パソコンなど、いわゆる「コンシューマーグッズ」の製造に必要な部品や原材料を提供するサプライヤーは、開発、工場での製造、セールス、すべての職種で安定的に募集しています。
セールス
外資系化学メーカーのセールスは常に何らかの求人がある状態であり、特に現場で即戦力として活躍できるスペシャリスト、およびマネジメントを担当できる人材が広く求められています。「技術のことがわかった上で売れる」人材は稀有であることから、テクニカルセールスも求人が豊富な状態が続いています。
日本市場で勝ち抜くには競合他社をよく知る必要があるため、日系企業でセールスを担当していた人のニーズも高いでしょう。
エンジニア
製造ラインにおける故障や不具合を直したり、定期的にメンテナンスを行ったりするサービスエンジニアは、比較的多くの求人が出ています。会社の経営状態は先々まで見極めるべきですが、ほかの職種に比べて転職しやすい状況だといえそうです。エンジニアに関しては、プロジェクトごとに必要に応じて募集がかかるため、情報を逃さないことが何より大切です。
開発、製造
開発職や工場での製造職は、自動車など特定の業種を除いて安定的に採用が行われています。外資系化学メーカーでも同様でしょう。
外資系化学メーカーに向いている人、採用されやすい人
外資系化学メーカーに向いている人、採用されやすい人については、以下のような特徴があります。
アサーティブな人
自分の意見や意思を明確かつ正確に伝える力を重視する外資系企業では、自己主張ができない人や、上司の指示がなければみずから動けない人を「仕事ができない」と見る傾向があり、化学メーカーも同じです。相手の意見を尊重しながら自己主張することができ、自走力があるアサーティブな人材は、企業の風土になじみやすいことから採用されやすいでしょう。
スペシャリスト
化学メーカーで働く場合、ゴムならゴム、塗料なら塗料というように、専門分野を限定して深く突き詰めていくケースがほとんどです。「塗料をやっていたけど、次は電子部品向けの開発に」といったように、専門分野をまたいだ異動や転職はあまり現実的ではありません。そのため、何でもできるジェネラリストを目指す人より、1つの技術や知識をとことん極められるスペシャリストが好まれます。
全体を見る力がある人
化学メーカーが製品を生み出し、その製品が世に出るまでには、素材や原料を採取する人、研究・開発をする人、製造をする人、販売をする人など、さまざまな職種が関係します。自分のことだけでなく、各プロセスの課題や問題点、プロジェクトの進行具合などを総合的に見て、やるべきことを判断できるマルチな視点が重要です。
リーダーシップがある人
外資系企業には、キャリアアップしたいという野心と意欲がある人が向いています。化学メーカーでもそれは同様で、若くても人を惹きつけるリーダーシップがあり、組織をまとめていく力のある人は、採用されやすいでしょう。
レジュメやカバーシートはどう書く?外資系化学メーカーならではの注意点
外資系化学メーカーへの転職を目指す場合、レジュメやカバーシートで意識すべき点は、「シンプルであること」です。あれこれ文章で盛り込むよりは、「どれくらいの規模のプロジェクトを担当していたか」「どれくらいの売上を上げていたか」といった、具体的な数字で示してわかりやすい構成を心掛けましょう。
また、チームで取り組んだことと個人で取り組んだことを分けて記載し、さらに「チームの中で自分がどのように働き、どんな貢献をしたか」を示すことも重要です。
外資系化学メーカーの面接で注意すべきことは?
自分の能力をより魅力的に見せることは、外資系企業で働く上で非常に重要なスキルです。面接では、チームで達成したことより個人で達成したことにフォーカスし、「どのような状況でも活躍してもらえそう」と思ってもらえるようにアピールしましょう。また、海外の担当者とも面接がある企業では、「国内の面接は通過したけど、海外担当者との面接でNGが出た」というケースが少なくありません。伝えたいことがきちんと伝わるよう、事前に英語での面接練習をしておくことも大切です。
なお、面接で侮れないのが「握手」です。面接官に握手を求められたとき、握り返す力が弱いと「自信がない」「積極性に欠ける」という印象を与え、結果に悪影響を及ぼしかねません。手のひらから自分の意欲や熱意を伝えるつもりで、力強く握手を返しましょう。
外資系化学メーカーへの転職は、転職エージェントに相談を
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系化学メーカーへの転職を数多く扱ってきた歴史と実績があります。業種や職種の専門知識を有するコンサルタントがサポートを行うため、業界特有の情報や採用マーケットの動向など、リアルな情報をお伝えできます。
また、キャリアのアドバイスを行うRGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンのコンサルタントは、企業との調整も行う両面型の転職エージェントであるため、企業が求める人物像に合わせて求職者を推薦することが可能です。オンラインでの面談も可能ですので、外資系化学メーカーへの転職を考えている人は、ぜひご相談ください。
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