外資系ゲーム企業への転職活動をする際に知っておきたいのが、外資系ゲーム企業ならではの社風や採用傾向のほか、求められるスキル、採用面接で注意すべきことなどでしょう。
ここでは、外資系ゲーム企業への転職活動を始める前に押さえておきたい基礎知識について解説します。
外資系ゲーム企業とは?
外資系ゲーム企業とは、「外国の企業が日本で設立した100%子会社(日本法人)」「日本企業と海外企業が共同出資で設立した会社」「外国の企業が株式を取得して買収した日本企業」「外国企業の日本支社」のいずれかにあてはまるゲーム企業です。
外資系ゲーム企業は、ここ数年で飛躍的な成長を遂げている業界のひとつです。ほんの十数年前まで、ゲーム業界は日系企業の独壇場でした。80年代、家庭用ゲーム機の一大ブームを巻き起こしたファミリーコンピュータを皮切りに、日系企業はゲームボーイ、スーパーファミコン、プレイステーション、Wiiなど、さまざまなゲーム機を世の中に送り出しました。優れたゲームソフトとともに、世界中の家庭に新たな遊びを提供する日系企業の勢いを、外資系ゲーム業界は指をくわえて見ている状況が長く続いていたのです。
しかし、インターネット環境の拡大とスマートフォンの浸透、そしてスマホゲームの登場によって、勢力図は大きく動きました。スマホゲームは、専用の機器がなくてもインターネット環境さえあれば無料でダウンロードして楽しめること、世界中のプレイヤーと簡単につながれるおもしろさがあります。いわゆる、ゲーマーと呼ばれるような「やりこみ型」のユーザーではないライト層を取り込むことに成功し、またたく間に家庭用ゲーム機を凌駕しました。
こうした市場の変化に、家庭用ゲーム機器とゲームソフトの開発費用の高騰、クリエイターたちの過重労働などが重なり、一時代を築いた日系ゲーム企業の世界的なシェアは、大きく落ち込んでいます。
外資系ゲーム企業の社風に特徴はある?
日本のゲーム企業は大手が多く、最近では安定性を求めてゲーム業界を志す人もいるようです。採用面接でも、出身大学の名前やこれまでの経験が重視される傾向があります。一方、外資系ゲーム企業では、「ゲームに対する熱意」を評価する傾向が強くあります。日系でも外資でもその傾向はありますが、外資系ゲーム企業の場合、たとえ応募段階で職歴がなくても、志望企業のゲームへの思い入れや、自分で作ってみたいゲームの構想をしっかり伝えられれば、採用に至る可能性は十分にあるでしょう。
ゲーム業界には、「ゲームが好きでたまらない」「おもしろいものを作りたい」「世の中を驚かせるゲームを生み出したい」という熱量にあふれた人材がたくさんいます。外資系ゲーム企業もそれに漏れず、ものづくりを心から楽しむ社風の企業が目立ちます。
外資系ゲーム企業の給与や福利厚生の特徴
外資系ゲーム企業では、この10年の飛躍的なシェア拡大に伴って、待遇が大幅に改善し、給与水準もかなり上昇しました。新卒で年収400万円、500万円台にのってくるケースも珍しくありません。
以前は、日系企業に追いつけ追い越せで、残業や休日出勤も珍しくなかったワークスタイルも、徹底した残業管理などでプライベートと仕事を両立できる環境が整いつつあります。福利厚生も、一般的な外資系企業のイメージに反して充実しているのが特徴で、各企業それぞれ工夫を凝らしています。中にはランチ代の支給や、ゲーム機・ソフトの購入費の支給を行っている企業もあります。
外資系ゲーム業界における最近の求人傾向・転職傾向
外資系ゲーム企業でニーズが高まっているのは、3DCGに関わるポジションです。また、スマートフォンのハイエンドモデルの増加に伴い、スマホゲームでもキャラクターや背景の美しさが重視されるようになりました。ハイエンドモデルへの対応を喫緊の課題とする外資系ゲーム企業は、日系企業のクリエイターたちの高い技術に注目しています。ゲーム業界のシェアでは海外勢に劣るとはいえ、「日系企業でゲームを作っていた」という経験は大きな強みになるでしょう。どのようなゲームのどの部分を、どういった技術を使って作ったのかをしっかりアピールできれば、大きなアドバンテージになります。
相次ぐ企業の参入で完全にレッドオーシャンとなったスマホゲーム市場において、時間をかけて開発したにもかかわらず、リリースしてすぐに消えてしまうゲームは少なくありません。長く愛され、親しまれるゲームを作るために、より高度な技術を駆使したものづくりが求められます。現状維持ではなく打破を目指せること、ヒット作に似たゲームではなく、まったく新しいゲームを作ろうという意志があることは、最近の外資系ゲーム企業の採用において重視されるポイントです。
外資系ゲーム企業に向いている人、採用されやすい人
外資系ゲーム業界で働くのに向いている人、採用されやすい人には、次のような特徴があります。
ゲームが好きだという気持ちと、ゲームづくりに対する熱意があること
前述したように、外資系ゲーム企業ではゲームに対する情熱が重視されます。自分がやり込んだゲームタイトルについて「どこが好きか」「なぜ好きか」など、世界観やキャラクターへの思いを熱く語れる人は、面接官の心をつかめる可能性が高いでしょう。
できることではなくやりたいことを語れる人
これまでは、応募者ができることを重視していた外資系ゲーム企業ですが、レッドオーシャンを抜け出す必要がある今は、「入社したら何を作りたいか」を問い、イマジネーションや企画力を見ています。実現の可能性にかかわらず、応募企業だからこそやってみたいことや、温めていたアイディアなどを語れる力が重要です。
自分の意見をはっきり言える人
外資系ゲーム企業では、周囲の空気を読んでなかなか意見を言わない人は、「やる気がない」と判断される傾向があります。たとえ英語力に不安があっても、積極的にコミュニケーションをとろうとする姿勢や、自分の意見を伝えようとする姿勢がある人が外資系ゲーム企業に向いています。
レジュメやカバーシートはどう書く?外資系ゲーム業界ならではの注意点
外資系ゲーム業界への転職を目指す人がレジュメで注意すべき点は、次の2つです。
「何をしたのか」「どこに関わったのか」を具体的に書く
これまで携わったゲームタイトルの名前を羅列するだけでは、その人がそのプロジェクトの中で何をしたのか、どこで力を発揮したのかが伝わりません。プランナーなら「◯◯のパラメーターを決定した」というように、具体的な仕事内容を記載しましょう。参考にしたキャラクターとして、応募する企業のゲームキャラクターを挙げるなど、レジュメに目を通す人の目を意識して、見せ方を工夫することも大切です。
自分の言葉で熱意を伝える
ここまで述べてきたように、外資系ゲーム企業では熱意が問われます。レジュメでも、熱意を言葉にして伝える努力をしましょう。自分なりのプロジェクト構想を書きつづった結果、その熱意と独創性が評価されて、競争率200倍といわれる人気ゲーム企業で採用に至った人もいます。基本的にレジュメは1~2枚とされていますが、熱意を伝えるためであれば、枚数にこだわらなくても良いでしょう。
外資系ゲーム企業の面接で注意すべきことは?
外資系ゲーム業界の面接では、どのような点を意識し、準備しておけば良いのでしょうか。ポイントは3つあります。
フォーマットどおりの解答はしない
想定問答をそのまま繰り返すような面接は、外資系ゲーム企業では評価されにくいでしょう。日系企業で働いてきた人に多い控えめな態度は、むしろ逆効果です。外資系ゲーム企業の面接では個性を全面に出し、「ほかの人とは違う自分」を売り込む人が評価されます。なぜ自分を採用するべきなのか、採用すると企業にどのようなメリットがあるのか、「自分を採用することによる付加価値」をアピールする場として、面接をフル活用しましょう。
また、外資系ゲーム企業では、英語力を理由に採用を見送られることはほぼありません。英語力に不安がある人でも、それをカバーするだけの情熱があれば、採用に至る可能性は十分にあります。面接では堂々と自分らしく振る舞うことが何より重要です。
プラスアルファの答えを返す
外資系ゲーム業界の面接で必ずといっていいほど聞かれるのが、「これまでやってきたゲーム、好きなゲーム」です。ポジションによっては、「好きな映画」を聞かれることもあります。こうした質問に対して、タイトルだけでなく「どこが好きなのか」「なぜ好きなのか」をセットで答えられるよう準備しておきましょう。質問に対してプラスアルファを意識して答えることで、ほかの候補者との違いを強調することができます。
作り手としての姿勢を示す
応募企業がリリースしているゲームの中でどれが好きかという質問と併せて、「好きなゲームを改善したらもっと良くなると思うところは?」という質問も定番です。ただ、「このゲームがとても好きです」「何度もプレイしました」というだけでは、単なるファンと変わりません。作り手として評価されるためには、好きだからこそもっと良くしたいという思いと意見を必ず伝えましょう。自分ならどこをどう直すか、改善を任せてもらえたら何に着手するかというように、具体的かつロジカルに答えられるよう準備しておくことが大切です。面接官から同様の質問がない場合は、自分から提案するくらいの気概を見せることをおすすめします。
外資系ゲーム企業への転職は、転職エージェントに相談を
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また、キャリアのアドバイスを行うRGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンのコンサルタントは、企業との調整も行う両面型の転職エージェントであるため、企業が求める人物像に合わせて求職者を推薦することが可能です。オンラインでの面談も可能ですので、外資系ゲーム企業への転職を考えている人は、ぜひご相談ください。
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