インタビュアー: Taichi Mizuguchi
制作: RGF Professional Recruitment Japan Marketing Team
「GvGゲームで世界を制する」というビジョンのもと、コミュニケーションの楽しさを体感できるゲームの制作を行っている株式会社ルーデル。
今回はリアルタイムで仲間と楽しめるソーシャルゲームの制作だけでなく、独自のゲームエンジンの開発などを行っている株式会社ルーデルのシニアエンジニアである齋田様にお話を伺ってきました。
- はじめにルーデルについて教えていただけますか?
ルーデルでは、「コミュニケーションがそもそも面白いよね」という思想のものと、ギルド単位で人が集まってコミュニケーションを取りながらバトルを繰り広げるGvGという種類のゲーム開発を主に行っています。一作目のタイトルであるドラゴンエッグで、仲間とのコミュニケーションや、他の人との真剣勝負が面白いという評価を得て、一定の実績を作ることが出来ました。そこで、別のゲームも同じようなスキームで展開していき、将来的には世界一を目指せるようなタイトルを作ろうという思いでゲーム開発を行っています。
ルーデルでは、どんどん新しいことにチャレンジしていくという文化があります。例えば、一作目のドラゴンエッグではブラウザHTMLといった昔ながらのブラウザゲームのような形でサービスを展開しているのですが、ドラゴンスマッシュではUnityのフルネイティブでサービス開発を行っています。ゲームとしてのスキームは一緒なのですが、会社として初挑戦だったUnityのフルネイティブにもチャレンジするなど、常に新しいことに取り組んでいこうとしています。
- 齋田様は現在どのようなゲームの開発を行っていますか?
現在はルーデルとして2作目のタイトルである、ドラゴンスマッシュの開発に携わっていて、入社直後から3年ほど担当しています。ドラゴンスマッシュも大きな枠組みとしてはGvGです。ただ、前作のドラゴンエッグはユーザの年齢層が少し高めだったので、今作では、より若い年代にもリーチをすることでパイを広げていこうという考えのもと、より今どきのビジュアルで制作をしています。
ドラゴンスマッシュは、もともとは半分ブラウザ、半分ネイティブという形で作っていたのですが、自分自身ゲームが大好きで、よりリッチなものを作りたいと思いがあったため、自分からフルネイティブで作りましょうと提案しました。提案したのはリリース直後だったのですが、そこから1年弱くらいでブラウザの部分を取り除き、フルネイティブ化したものをアップデートとして公開しました。
その後は目標とすべきKPIに近づけたり、課題を見つけたりといったことを、エンジニアという枠組みだけではなく、様々なことにトライしています。
より良いゲームを作るために、国内ではほとんど例のないゲームエンジンの導入を決意
- ゲーム会社用のエンジンについて教えていただけますか?
開発のエンジンとしてはUnityなので、一般的なものかなとは思います。しかし、GvGというゲームの特性上、リアルタイムで他の人とやり取りをすることが重要です。そのリアルタイム通信を実現するために、Photon BoltとAWSのGameLiftというものを主に使っています。海外だと多少事例があるのですが、国内だとGameLiftの事例はあまり聞いたことなく、AWSさんの記事にも取り上げていただきました。
ちなみに、Photon BoltはGameLift以上に聞いたことがありません。そういった事情もあり、導入がすごく大変でした。
- 特にどのあたりが大変でしたか?
リニューアル前も後も、リアルタイムでのGvGというゲームの本質に変わりはありません。ただ、もともと使っていたPhoton Cloudというクラウド型のものが、実装の問題も含めてパフォーマンス的に満足のいくものではありませんでした。具体的には、ユーザのクライアント端末がホストになってゲームが進行するような形だったので、パフォーマンスの低い人がホストになったら他の人に影響が大きかったり、ホストが途中で落ちてしまったらホスト切り替えの際に時間がかかってしまい動かなかったりというのがありました。
また、GvGではギルドごとに拠点があり、それぞれの拠点を奪い合うという形バトルが進行します。その拠点の一つが一つのサーバとなっていたので、他の拠点とやり取りをするためには毎回API通信を行う必要がありました。、このやりとりをPhotonのクライアント端末ではなくデータサーバで行っていたため、リアルタイムには出来ず、パフォーマンスがあまりよくありませんでした。
こういった問題を解決するためにPhoton Boltに置き換えを行いました。Photon BoltはPhoton Cloudとは違い、完全にホストサーバをGameLift上に置き、ユーザがそこへアクセスを行います。そうすると、スペックが低い方がいても他の方が影響を受けることが無く、ホストサーバが正としてデータの整合性をとることでチート対策にもなるというメリットがありました。
- 期間としてはどれくらいかかりましたか?
実際の実装期間としては1ヶ月半くらいですね。たぶんリプレースをこのペースでやっているところはないのではないかなと思います。もちろん事前検証として、エンジンの妥当性や方向性の検討など事前準備は1ヶ月くらいありました。実際の開発メンバーとしては、サーバ側(クライアント)とインターフェースの担当と、APIサーバの担当の3人でした。
- その人数でその期間となると、かなりのスピード感が求められますね。
- ちなみに、そのような大変な作業もありながらもルーデルが取り組んでいるGvGの難しさや面白さはどこにあるのでしょう?
面白さで言うと、コミュニケーションが生まれることだと思います。
逆に難しさでいうと、たとえば人と一緒にやりたくないという人に対して、どうすれば他の人と協力してやって楽しんでもらえるのかを検討していく部分は難しかったりします。
技術的なところで言うと、リアルタイムで何かをやるというのはやはり難しいです。これはルーデルとしても、僕自身としても初挑戦だったこともあり、余計に難しさは感じました。やはり初挑戦のことは難しいので、今後仮に3Dゲームに挑戦することになったりしたら、新しい難しさを感じるかなとは思っています。
- それでは、今後のルーデルの展望について教えてください。
GvGゲームで世界を制するというビジョンは変わりません。ただ、GvGというのは一つの手段であって、目標は世界一のゲームを作ることだと思っています。
そこにおいて、今取り組んでいるGvGゲームである程度の実績を得ることが出来たら、たとえば海外展開だとか、海外と同じサーバに接続して一緒に遊べるようなことを通じて、世界一のゲーム制作に取り組んでいくのではないかなと思います。
- 海外のユーザとサーバも含めて同じゲームをできるとなると面白そうですね。
そうですね。実際今でもドラゴンスマッシュについて海外の方から問い合わせが届いていたりはしています。ただ、現行のタイトルはもともと海外でやることを考えていなかったので、基準がJST(Japan Standard Time)になっています。そのため、GvGを行うために時間を決めてみんなで集まろうとすると、海外の人が夜中にしか出来ないといった問題もあります。そういったところも含めて、今後はどういった単位でリージョンを区切ったら妥当性とユーザの確保ができるかなどの検証も必要ですし、やることはたくさんあります。逆に言うとチャンスではあるので、海外のより広い市場を目指していきたいなとは思っています。
ただ、ルーデルはきちんと自己分析が出来ている会社なので、手堅くしっかりと足固めをしたうえでの進出という形になるはずです。
他社のように海外も同時展開のような形ではなく、きちんと手堅く、しっかりとタイミングを見計らって、きちんとビジネスを成立させる方向で行っていくのではないかなと思います。
- そうすると、ルーデルの今後にはさらに期待ですね!
ルーデルでは、世界一のコンテンツを作るうえで足りないものを探したり提案したりできる環境が与えられています。
- それではなぜ齋田様がルーデルに入社されたのかと、現在の業務を教えていただけますか?
前職はドリコムという会社でゲーム制作を行っていました。もともとゲームが好きでゲームが開発したかったため、大学卒業後の進路としてゲーム会社を志望していました。その中でも、当時パズドラなどで盛り上がっていたソーシャルゲームがこれから伸びていくだろうと考えてドリコムに入社しました。当時はCocosというゲームエンジンを使ってIPものの開発をしたり、UnityでオリジナルIPを作成したりしていました。ただ、IPものということもあり、版元さんとのやり取りが多かったり、スピード感が物足りなかったり、さらには自分の市場価値がわからなかったので転職を検討し始めました。
僕も何かしらで世界一になりたいという思いを持っていたこともあり、ルーデルが世界を目指していることを聞き、前向きに検討をはじめ、最終的に入社することになりました。
ルーデルにはクライアントエンジニアとして入社し、Unityのエンジニアを担当しています。
ルーデルの場合、クライアント開発といっても単に仕様書通りの言われたものを作るだけでなく、あくまでもクライアント開発は手段として、ルーデルが世界一になるうえでそこに対して足りないものを探したり提案したりできる環境が与えられています。ですので、僕自身クライアントエンジニアという役割ではあるものの、ゲーム改善のためにできることをいろいろ取り組んでいます。
- 入社当初からUnityのエンジニアとして活躍されていたのですか?
そうですね。本当は入社してから1ヶ月くらいはキャッチアップの期間として考えてもらっていたのですが、思いのほか早く済んでしまったので、入社後1週間くらいしてからは制作会社にずっと常駐するようになっていました。たしか1年くらいいたので、いまだに社内の人にはルーデル社員ではなく、開発会社出身だと思われていたりします笑
- ルーデルと開発会社の違いみたいな部分はいかがでしたか?
実はルーデルも開発会社も、近しいマインドを持っている人が多くいます。だから僕が開発会社出身だと思われていたというのもあるのですが笑
- ゲーム制作となるといろいろな方との関わりが出てくるかと思うのですが、社内外の方との関係性はいかがでしょうか?
僕が開発会社に常駐していた時は、夜中にみんなでよくラーメンを食べに行ったりしていましたし、関係性はすごくいいです。
ルーデルとしては、最近は世の中の状況的に減ってはいますが、以前は月一で全社の飲み会をしていたり、年末にはかなり豪華な会社の忘年会も行っていたりしました。
この忘年会は部長級以上のメンバーがすべてホストするという形でやっていて、例えばプロモーション側の方々は映像の準備だったり、ゲストの準備なんかをしたりと、相当力を入れているものでした。
どちらかというとエンジニアは内向的な方が多い傾向があるのですが、僕はウェットな関係も好きなので、出席するかはそれぞれの自由なんですけど、僕個人としてはまた参加したいなと思っています。
- 職場の雰囲気が良いと、仕事も捗りますよね。
- それでは仕事のやり方についてもお聞きしたいと思います。ルーデルのエンジニアだからできることは何かありますか?
新規技術導入にはかなり積極的というか、やってみればというチャンスを与えてくれる環境ではあります。
それこそPhoton CloudからPhoton Boltに置き換えたリプレースのようなものは、通常リリース中のタイトルでは行いません。もし行うのであれば、もとのタイトルをクローズさせて、新しいものを作る前にしっかりと開発期間を取ってやることが多いかなと思います。
このように、必要なことに関してはかなりフレキシブルで挑戦させてくれます。サーバの技術で新しいものがあるから挑戦をしたいっていえばやらせてもらえますし、機械学習を使って行動を最適化しようなんてことも出来たりします。基本的には正しいことであれば挑戦させてもらえる環境です。
- 「正しいこと」というのはどういうことでしょうか?
たとえば、新技術を入れることがエンジニアの趣味である場合は仕事において正しいこととは言えません。ルーデルが考える正しさというのは、新技術を入れることでサービスが良くなるというのはもちろんのこと、仮にサービスが良くならなかったとしても、新しい技術が古い技術と比べて同程度のクオリティであるのであれば、新技術を入れた方がエンジニアは喜ぶよねということも含めて検討していくということです。
単純に同じことをずっとやっていても面白くないですし、新しい技術を導入する、つまり挑戦するというのは社員のモチベーションにもなるので、会社としてもどんどん挑戦していこうというのを推奨しています。
- サービスの質の向上だけでなく、会社も人も挑戦していくことで一緒に成長していく環境があるということですね!
ルーデルには、思いがあればいろいろなことにチャレンジできる環境はそろってい思いがあればいろいろなことにチャレンジできる環境はそろっている。
- ルーデルの社員が持っているべきスキルやマインドセットはどんなものがありますか?
技術的なところ、例えばネイティブクライアントであればUnity、サーバ側で言うとJSやnodeについては、他の会社とあまり変わらないと思います。
逆にマインドセットで言うと、いわゆる通常のエンジニアとしてのマインドだけでなく、サービスを改善していこうという思いです。サービスを改善するために、自分はどんなことが出来るのかというところが重要視されます。
あくまでもエンジニアの開発は手段であって、達成すべき目標は世界一のゲームを作るといったところにあります。その目標を達成するために、今足りないところが何かを分析出来たり、改善したりしていこうという気概が大切になります。
逆にそれがあるのであれば、発言がすごくしやすい会社です。稀にチームミーティングに社長が出席することもあるので、その場で直接何かを提案をすることが出来ますし、プロダクトリーダーといった人たちにもすぐに提案できるフラットな環境なので、思いがあればいろいろなことにチャレンジできる環境はそろっています。
私はエンジニアなので、ビジネスサイドはノータッチという人にとっては面白くないかもしれません。
これはエンジニアだけでなく、ルーデルではQAの方々なんかも同じで、彼らも日頃から積極的に提案しているので、エンジニアだけでなく全社に共通するものだと思います。
ただ、その中でもエンジニアは技術を使ってモノを作れる人たちなので、大事にされる部分は大きいです。実は福利厚生もエンジニアだけちょっと特別だったりもします笑
- 会社で働く方々がそれぞれ自分事として、サービスを良くしていこうという思いを持っていらっしゃるのですね!
- それでは最後に、今後ルーデルに入社を検討される方にアドバイスをお願いいたします。
僕個人としては、自分がやりたいことや実現したいことのために会社でどうするか、会社をどう使うかが重要だと思うので、何か実現したいことがあるのであれば、ルーデルは良い会社だと思います。
ただ当たり前ですが、会社をどう使って何をできるのかはそれぞれが考えつつも、逆に自分は会社に対してどんなことが出来るのかというところは常に考えておく必要はあります。
ちなみに僕の場合は、ゲームが大好きなので、僕の理想のゲームを実現するために、「会社でこういう技術を使おう」や「もっと勉強しよう」、「こういうゲームつくりましょう」という行動になっています。
やりたいことが無く、単に言われたことをやるだけだったら面白くないです。会社としてもそれだけだったら先が無いということになってしまうかなと思います。ですので、やりたいこと、自己実現したいことがあるのであれば、ぜひ会社を使い倒してください。
- ありがとうございました。
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