「長く働いてくれているので」「そろそろ役職を経験しておいたほうがいいから」という年功序列型の日系企業と違い、外資系企業は実力主義です。年齢や入社年次、経験年数を問わず、優秀な人が昇格し、成果を出した人にはそれに応じた報酬が支給されます。
成果を出せなければ、厳しい評価を下されるのも外資系企業の特徴です。しかし、「自分の実力がどこまで通用するか試してみたい」「プロフェッショナルが集う外資系企業で勝負したい」と、キャリアアップ志向が強い人には、非常に刺激的で魅力的な環境といえるのではないでしょうか。
この記事では、外資系企業への転職でキャリアアップを目指す人に向けて、知っておきたい4つのTIPSをご紹介します。
TIPS 1 これまでのキャリアについて考える
外資系企業への転職でキャリアアップを実現したいなら、最初に知っておきたいのが日系企業と外資系企業の違いです。高度経済成長期において、日系企業は大きな成長を遂げました。その過程で生まれた雇用の仕組みが、社風にマッチした人材を一括大量採用して育成する「メンバーシップ型雇用」であり、「終身雇用」「年功序列」「企業別労働組合」です。
こうした日本ならではの雇用形態や雇用維持の方法は、グローバルな視点で見ると古いように思われがちですが、実際にはこうした働き方がマッチしている人も多くいます。自分のキャリアプランやキャリア志向について深く考えないまま、「これからはメンバーシップ型雇用ではなくジョブ型雇用だから、外資系企業に転職しよう!」と安易に転職を決めると、転職後にミスマッチで苦しむこともあるので注意しましょう。
一方で、これまでの雇用の在り方から、脱却を目指す企業が増えているのも事実。年功序列や終身雇用の雇用形態に依存していると、国際競争に負けてしまうかもしれないからです。
自分のキャリアプランとキャリア志向を見つめ直し、最適な働き方を見つけるために、チェックしておきたいのが下記の記事です。
TIPS 2 これからのキャリアについて考える
キャリア(仕事の経歴や経験)は、働く限り続くもの。そして、一口にキャリアアップといっても、その選択肢はさまざまです。「外資系企業でキャリアアップ」という漠然とした目標では、たとえ転職に成功しても、途中で道を見失ってしまうかもしれません。
転職で後悔しないためには、「外資系企業でキャリアアップ」することの中身を具体的によく考えることが大切。それが、キャリアプランです。
「営業経験を活かしてアカウントマネージャーとして活躍し、やがて事業企画へ転身したい」「エンジニアからITコンサルを目指し、いずれは事業会社に行きたい」といったように、具体的なイメージを描いていきましょう。
下記の記事では、キャリアプランをどうまとめ、どう伝えれば内定に近づけるのかを解説しています。
TIPS 3 転職視点でキャリアを考える
これまでのキャリアを振り返り、これからのキャリアについて考えたら、いったん現在地に戻って、「次の転職」について考えましょう。過去の自分、未来の自分、その中間としての「今の自分」を見つめることで、キャリアに一貫性が生まれ、転職活動をする際のひとつの軸が見えてくるはずです。
「今の自分」の転職市場における客観的な物差しとなるのが「市場価値」です。市場価値が高い人とは、現在の転職市場で多くの企業が求めるスキルを持っており、「採用したい」と思わせる人。バランス良くさまざまなスキルを持っている人のほうが可能性は広がりますが、ある業界や職種で重宝されるスキルがあれば特定の市場では高く評価されます。
社会情勢によっても求められるスキルは変わり、それに伴って市場価値も変わるのです。
転職に際して、自分の市場価値を正確に判断するには、転職市場の状況、業界・職種ごとの最新スキルなど、幅広い知識が必要です。
下記の記事では、どうすれば自分の市場価値を把握することができるのか、また、市場価値を高めるにはどうすればいいのかを解説しています。
転職時の市場価値とは?自分の市場価値を知り高めるためのポイント
ポータブルスキルを高めるには?
AI(人工知能)の登場や、時代の不確実性の高まりによって、安定したキャリアを築くためには専門性が不可欠だと考えている人は多いのでは?実際、特定ジャンルで永続的に求められるスキルを極めてスペシャリストになれば、その領域における希少価値は非常に高く、業界内での転職に困ることは少ないでしょう。
一方で、課題が複雑化している現代において、ひとつの専門性だけに頼るのは危険だという考え方もあります。自分の専門以外の分野からも情報を集め、それらを総合的に判断して対策を組み立てる上で、経験から来るバイアスが思考の邪魔をすることもあるからです。
そこで注目されているのが「ポータブルスキル」。ポータブルスキルは、業種や職種、時代にとらわれることなく活かせるスキルのこと。汎用性が高いので、急激な社会情勢の変化で所属する業界が縮小したり、新たなスキルの登場で自分の専門性が通用しなくなったりすることがあっても、業界を変えて生き残ることができます。
下記の記事では、「ポータブルスキルをどうすれば身につけられるのか?」という疑問にお答えしています。
転職軸を決めるメリットと方法とは?
長く勤めてきた会社や、ずっと活躍してきた業界を離れて転職する理由は、多岐にわたっています。
「◯◯の領域で研究・開発に従事したい」「子育てに積極的に参加したいので、土日は必ず休める会社がいい」など具体性がある人もいれば、「現在の会社の方針や社風が肌に合わないので、とにかく環境を変えたい」「まったく新しい分野にチャレンジしたい」など、漠然とした状態で転職活動に臨む人もいるはず。
転職を考えるきっかけは何でも結構です。ただし、いざ転職活動を始める段階では、「なぜ転職するのか」「転職して何がしたいのか」を明確にしておくことが望ましいでしょう。この部分が曖昧だと、企業の選定も曖昧になり、転職後に再び不満を抱えることになりかねません。
転職において仕事や企業を選ぶ際の判断基準になるものを「転職軸」といいます。ぶれのない転職活動をして、納得して働くためには転職軸が必須です。
では、どうすれば転職軸を決めることができるのか――下記の記事では、転職軸のメリットや、転職軸を決める方法について解説しています。
TIPS 4 転職に備えてキャリアの棚卸をする
中途採用で求められるのは即戦力。そのため、「あれもこれもできる人」よりは「求める分野で活躍できる人」が評価される傾向があります。応募書類や面接では、これまで携わってきた仕事や得意な仕事をただ羅列するのではなく、応募先の企業が求める人物像やスキルにマッチするものをピックアップして、的確にアピールすることが重要です。
ポイントは、普段当たり前に行っている仕事も、細部まで見直すこと。
例えば、営業職の場合、クライアントとの折衝や目標達成の可否にばかりフォーカスしがちですが、一日の中で何気なく行っている「メール処理」や「ミーティング」といった仕事にも工夫やスキルが隠れているはず。
こうしたスキルを拾い集め、より有効的なアピールをするために取り組んでおきたいのが、「キャリアの棚卸」です。下記の記事では、初めてキャリアの棚卸をする人に向け、ポイントを解説しています。
キャリアの棚卸とは?振り返りが転職に不可欠な理由とポイントを解説
外資系企業へのキャリアアップは、一歩ずつ着実に
「外資系企業でキャリアアップしたい!」と思っても、すぐに今の仕事を辞めてしまうのはおすすめできません。まずは、「これまで」と「これから」について考え、自分の現在地を確かめてから、ぶれのない転職活動を進めていきましょう。
転職エージェントは、そのような皆さんのキャリアプラン形成のお手伝いもしています。
グローバル企業で働くことは、グローバルに働きたい人や語学力を生かして働きたい人だけでなく、自分の可能性やワークライフバランスを求める多くの方にとって、多くのメリットがあります。
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系・日系グローバル企業の案件を中心に、国内外のさまざまな優良企業の採用活動を支援しています。そのため、それぞれの方が求める最適なキャリアの選択肢をご紹介可能です。
「グローバルに働いてみたい」「より自分が輝ける場所で働きたい」「自分の選択肢を広げたい」といった方は、一度ご相談ください。業界経験豊富なコンサルタントが、みなさまのキャリアを全力でサポートいたします。