元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは、英語での会議で発言するコツです。
人前で意見を話すように教育されていない日本人が、英語で発言するのはハードルが高い作業です。私も初めてのNY出張の際、アメリカ東海岸の早い英語が聞き取れず、ものすごい勢いで会話している様子に圧倒され、一言も発することができなかった苦い思い出があります。
英語での会議では発言しないでいると「参加した」「貢献した」と見なされず、3回ほど続くと会議に呼ばれなくなることさえあります。なんとか割り込んで発言したいところです。
1. 割り切る
私たちが今から英語のネイティブ・スピーカーになるのは非現実的なので、割り切りが肝心です。自分が話すと流れを止めてしまうかもしれないと、誠実な日本人は思いがちで口を挟むことができないことが多いです。世界を見渡すと、話を遮ることが文化的にマナー違反でない国もあります。話に割って入った後で、今話しているトピックと関係ないことを話しているなんてこともザラにあります。ネイティブのように話そうと思うことを諦めると、気が楽になります。
2. 人の話にうまく乗る
まとまった量の英語を話すことが難しい時、便利なフレーズが2つあります。
“I agree.”
“That`s a great idea!”
です。誰かの意見に便乗する訳ですが、これで1回発言したとカウントしてもらえます。反対の場合は、理由を英語で説明しないといけないので、賛成の時にのみ便乗させてもらいます。
3. 予習する
割り切ることができたとしても、英語力が足りなくて会話に入れないことはあります。そのステージでは、会議の前にどのような会話がなされるのか想定質問を考えることが役に立ちます。途中で話が逸れた時は黙っているしかなくても、前もって用意していた内容が言えそうな時にすかさず発言するのです。
4. 言いたいことの優先順位をつける
全ての会話に対して発言するには、かなりの英語力を必要としますので、「今日のこの議論の中で一番大事なポイントはなんだろう」と考えながら聞き、意見を言うポイントを絞ります。重要ポイントを素早く把握できるよう、メモを取る習慣をつけるのがお勧めです。色の使い分けをしたり、「!」(重要)「Q」(質問)などの記号をふってわかりやすくすると、発言する時に役立ちます。
5. Yes, andで話す
Yes, butと言ってしまうと会話が建設的にならないですし、反対意見にはそれなりに根拠が必要で長く話すことになってしまいます。BUTは日本人が思うより強い語感を持つ単語で相手を否定したことになりますので、相手を尊重しつつ会話をすすめた方が首が絞まらないですみます。
5. マナーを気にしすぎない
多様性が高いメンバーでの英語の会議では、日本人もある程度アサーティブになる必要があります。
例1) 自分が話していたらインド人に話を遮られ、もって行かれてしまった。
→ “Let me finish.” と少し強めに言う。
例 2) 話に追いついていくのに必死で、気がついたら次の話題に移ってしまっている。
→ 気にしないで、”Coming back to Tom`s previous point, “のように意見を言う。中身のある意見なら、”Oh, thanks. That`s a good perspective.”と評価してもらえます。
まとめ
本日は、英語会議で発言するコツについて話しました。まずは、”I agree.”からで良いので準備をして会議に臨みましょう。最初の頃の不安は、慣れが解消してくれます。
プロフィール
Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)
株式会社AT Globe 代表取締役社長
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。
診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講
STAR面接技法 認定講師
ホフステード6次元異文化モデル 認定講師
お茶の水女子大学卒業。
著書
2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)
2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)
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