元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日の記事は、初めて転職をされる方向けに英語面接での注意点を書きます。
英語での模擬面接をさせていただく中で気づいた、初めて英語で面接を受ける方に多い「気になる点」5つを本日のテーマとします。
1. 想定問答を作り込みすぎない
面接は語学に関係なく緊張するものですが、英語となると緊張感がさらに増すのは理解できます。少しでも自分で出来る準備をしたいと、聞かれそうな質問と答えを英語で用意しておく事は悪くはありません。
落とし穴は、作り込みすぎるとアドリブが効かなくなることです。面接官は候補者が想定問答をしっかり用意しているかどうか、すぐわかります。例えば、記憶している文章を思い出しながら話していると感じたり、スクリーンの下の方を見ながら話していたりすることに気がつくからです。
面接官は、候補者の本来の英語力を確認する必要があるので、変化球の質問を投げざるを得ません。用意した想定問答以外のことを急に聞かれて慌てると、答えが出てこない可能性があります。
準備をする事は大事ですが現在の英語力はいずれ露呈するので、一語一句を頭に叩き込むまで用意するのは危険です。
2. 短く話す
現在の勤務先が日本企業の場合、相手が理解できるように、丁寧に詳細を最初から提供するように職場で訓練されている事があります。これは外資系の職場で求められるコミュニケーション・スタイルの完全に逆になります。
面接官から質問されたら、見出しレベルを返答するぐらいの構えでいて下さい。相手がもっと詳しく聞く必要性を感じれば、深掘りの質問をするので流れは任せて大丈夫です。質問されなかったら、その件については今回の応募案件にそれほど影響がないと相手が判断したということです。
面接官にも記憶のキャパがあります。長い回答を聞いていると、最初の頃何を言われたのか思い出せなくなってしまいます。また聞かれたことに短く答えられないと、地頭があまり良くないと誤解されるので、短めに答えることを忘れないでください。
3. ロジカルに話す
英語のロジックは結論が先です。「プロジェクトABCを立ち上げることになりました。理由は3つあります。一つめの理由はXXです。二つ目の理由は〇〇です。3つめの理由は△△です」と端的に述べるのが、英語に多いフレームワークになります。
実際の職場では、結論から始まっていない話は”What`s your conclusion?” と途中で遮られることが多く、最後まで聞いてもらえません。面接の際に候補者の話を遮る事はしませんが、英語でのコミュニケーションに明らかに慣れていないと判断されないように、話す順番には気をつけたいです。
4. 第一印象
面接官は好き嫌いや感性で合否を判断しないように訓練はされていますが、そうはいっても人間なので第一印象を引きずる事はあります。
メラビアンの法則では、人は情報を55%視覚から、38%を聴覚から、7%を話の内容から得ると言われています。それほど目からの情報はインパクトがあるわけです。
最初に挨拶をする時、緊張でおどおどしすぎていると自信なさげと言う印象になります。反対に尊大な態度が見えると、入社後、職場での人間関係は大丈夫だろうかと言う別の次元の疑問が湧きます。そこを見極めようと候補者を観察することになり、面接の内容に注力する程度が下がるので、ほどよく感じのいい人と言う第一印象を残したいです。一番簡単なのは、最初に挨拶するときに一度だけで良いので笑顔を見せることです。笑顔は万国共通のフレンドリーさを現すボディランゲージで、第一印象がかなり改善します。
5. 企業文化とのフィットは、自然体でこそわかる
初めて英語で面接をする時に緊張しないのは難しいかも知れませんが、なんとかいつもの自分でいて欲しい理由があります。緊張しすぎるとテンパってしまう人あり、いつもよりずっとおとなしくて暗い印象になってしまう人ありなのです。面接官が企業文化とのフィットを判断したい時、いつもの自分が出せない候補者を判断するのは非常に難しいです。本当の姿が見えないからです。
候補者の側からしても、面接の過程で自分に合った企業カルチャーを持っているのかどうかは見極めたいポイントです。緊張で余裕がないと、いろんなサインを見逃してしまい不利になります。自分と応募先企業の間の相性を正確に判断するためにも、緊張しすぎないように努めたいです。
まとめ
英語で初めて面接を受ける時、プレッシャーを感じるのは当然です。できる範囲の準備をして、なるべくいつもの自分でいられるように、心の平静さを保って乗り越えてください。応援しています!
プロフィール
Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)
株式会社AT Globe 代表取締役社長
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。
診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講
STAR面接技法 認定講師
ホフステード6次元異文化モデル 認定講師
お茶の水女子大学卒業。
著書
2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)
2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)
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