元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、大手企業向きかベンチャー企業向きかです。
最近のキャリア相談から、自分が大手企業を向きなのかベンチャー向きなのかを前もって理解してから転職活動を始めて欲しいと感じています。どちらかわからない状況のまま転職活動をスタートすると、面接官や待遇やオフィスなどで内定を受けてしまい、後で後悔することになりかねないです。大手企業とベンチャー企業が求める人材像および、失敗してしまった転職例を解説します。
大手企業とは
一般的に大手企業とは、ある業界で規模や知名度の店で上位に位置する企業を指します。ほとんどの場合、新興企業ではありません。 外資であれば日本に進出して数十年経っていることも多いです。
大手企業が求める人材の特徴は以下になります。
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専門知識とスキル
外資の大手企業では業務が多岐にわたり、各社員の職務が細分化されているため、それぞれの分野において高度な専門知識とスキルが重要です。 -
リーダーシップ力
組織が大きいと自然と階層が生まれます。現代は昔よりはフラットな組織が多いですが、全員を社長直属にするのは大手企業では不可能です。リーダーシップ力を発揮することが大手外資での昇進につながっていきます。 -
コミュニケーション能力
大手企業では部署内外で関わる人の数が多いので、円滑にコミュニケーションを図れることが求められます。一匹狼タイプの出世は難しいです。 -
チームワーク力
大手企業では前述の通り関係者が多く、自分だけで業務が完結する事はまずありません。他のスタッフと協力して、最大の成果を発揮できるメンバーである事が重要です。 -
政治力
大きく昇進を目指している人は、敵をなるべく作らず味方してくれる人を部署内外に増やすことが必要になります。組織はどこも上層部は政治的ですが、組織が大きくなるにつれ必要性が増すので、心に留めておいてください。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とは、新しいビジネスアイディアや革新的な技術をもとに最近設立された企業を指します。資金調達を行い、投資家からの支援を受けながら、新しい市場や技術分野で競争力を築いていきます。
ベンチャー企業が求める人材の特徴は以下になります。
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独創性と革新力
新しいアイディアや解決方法を考えられるクリエイティブな発想と、古いものを壊していく革新力が評価されます。 -
自律型人材
忙しい環境で自ら積極的に行動し、責任感を持って成果を出せるタイプであること必須です。新しい社員に手取り足取り業務のやり方を教えてくれるだけの余裕が、他の社員にないのがベンチャー企業です。 -
柔軟性
ベンチャー企業においては、各自の職務が明確には定まっていないことが多いです。組織の成功のために、「今できる人がやる」姿勢が求められます。 -
想定外対応能力
不確実性やリスクが高い環境でビジネスを行っているので、途中で方針が変わる頻度が大手企業よりはるかに多いです。迅速に方向転換できるタイプかどうかは、ストレス少なく仕事ができるかに影響します。 -
スピード
迅速な意思決定と業務の遂行が早いことを求められます。生まれ持ったスピードがゆっくりの人は、残念ながら向いていません
大手企業とベンチャー企業の違い
大手企業からベンチャー企業に移ってうまくいかない理由は、大手企業には当たり前にあったインフラが整っていない、職場が結構カオスである、スピードについていけないなどが挙げられます。
私は30代の半ばでアジア・パシフィックの本社を立ち上げたことがあり、スピードには自信があると思っていました。それでも平均年齢27歳のベンチャー企業で社外人事をさせていただいたときには、ついて行くのがやっとで驚きました。これからキャリアの後半戦を迎える方は特に、早いスピードの中でこれからずっと働きたいかを考えてみてください。
ベンチャー企業から大手企業に移りうまくいかない理由の多くは、意思決定・仕事の進み方が遅い、新しいことにチャレンジできないです。
最近ベンチャーから大手企業に転職された人が「安定していることを有難いと思っていますが、自分でどんどん新しいことに手を出せた環境がかなり恋しいです」とおっしゃっていました。そんなに遠くない将来、ベンチャーに戻る気がします。
まとめ
大手企業とベンチャーでは求められる人材像がかなり違います。自分がどちら向きなのかを転職活動を始める前にぜひ考えてください。全ての職場にマッチする人材は存在せず、自分がより輝ける場を得ることが幸福感につながります。面接に赴いた後で、給与・面接官の魅力度などの条件をもとに「この企業に入りたい」と思った時にも、企業文化とのマッチを確認したかどうか要チェックです。
プロフィール
Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)
株式会社AT Globe 代表取締役社長
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。
診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講
STAR面接技法 認定講師
ホフステード6次元異文化モデル 認定講師
お茶の水女子大学卒業。
著書
2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)
2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)
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