外資系企業と聞いて、どのような企業を想像するでしょうか。GoogleやAppleといった国際的な大企業をイメージする人が多いかもしれませんが、実は日本で事業を展開している外資系企業の多くは、中小企業です。
本記事では、外資系企業と中小企業の特徴や、外資系中小企業に転職するためのポイントについて解説します。
外資系企業とは?
外資系企業は、一般的に「外国資本の会社」と定義されていますが、実際には外資系企業にもいくつかのパターンがあります。
外国企業が日本で設立した完全子会社(日本法人)
一般的に外資系企業というと「日本に進出した外国の会社」をイメージする人は多いです。例えば、ファッションブランドのルイ・ヴィトンはフランスの企業ですが、日本国内にある店舗は完全子会社のルイ・ヴィトンジャパン株式会社が運営しています。外国の企業が設立した日本法人は、外資系企業と呼ばれています。
日系企業と外国企業が共同出資した企業
日系企業と外国企業が共同出資して設立した会社も、外資系企業に含まれます。それぞれの出資比率に明確な定義はありませんが、外国企業の出資比率が日系企業を上回っている場合、外資系企業にカテゴライズされるケースが多いようです。
外国の業が日系企業の株式を取得したケース
元々は日本の企業であっても、外国の企業が株式を取得した場合、外資系企業に分類されます。買収に伴い、経営陣やマネージャーが外国人に交代することもありますが、日本人の経営陣・管理職が経営権を維持することもあります。外見上は日系企業のままであっても、実際には外資系企業というケースもあるようです。
外国企業の日本支社
外国企業が、日本国内の拠点として支社を構えることがあります。名実ともに外国の企業ですが、外国資本の会社という広い意味で捉えれば、外資系企業といえます。経営権や指揮権を本国にある本社が掌握している点が、日本法人との大きな違いでしょう。
中小企業とは?
中小企業は、英語で「スモールビジネス」といいます。日本でスモールビジネスというと、個人事業や少人数・小規模の事業を指すことが多いですが、英語圏では中小企業全般を指しています。
しかし、中小企業の定義は、あまり明確ではありません。法人税法では、資本金1億円以下の企業とされていますが、中小企業法では資本金と従業員数で分類され、業種によっても違います。統計調査などで便宜的に大企業と中小企業を分ける場合は、従業員500名以下を中小企業とするケースがよく見られます。
日本の企業の全企業のうち、99.7%は中小企業であり、大企業は0.3%です。日本で事業を営んでいる外資系企業も、多くは中小企業に分類され、「外資系企業=大企業」とは限りません。
この傾向は他国でも同様で、アメリカでは全企業の99.7%、イギリスでは99.9%が中小企業となっています。ただし、中小企業の定義は国によって違い、従業員数で見れば、アメリカは500名以下、イギリスは250名以下です。
外資系中小企業で活躍できる人とは?
企業の多くが中小企業ですから、外資系企業に転職する場合、中小企業で働く可能性も十分にあります。では、外資系中小企業で活躍できるのはどのような人材なのでしょうか。求められる能力・資質として、次の4点が挙げられます。
スペシャリストとしてスキルや実績がある
外資系中小企業では、「即戦力」が求められるのが大きな特徴です。入社後に短期間で成果を上げ、貢献することが求められます。
日系企業ではジョブローテーションに代表されるように、ジェネラリストを育成する会社が少なくありません。幅広くさまざまな経験をしていれば、日系企業であれば評価される場合もありますが、外資系中小企業で望まれるのは、何かひとつのことを突き詰めたスペシャリストです。スペシャリストとしてスキルや実績のある人は、外資系中小企業で活躍する可能性が高いといえます。
変化に柔軟に対応できる
外資系中小企業では、直属の上司が大きな権限を持っているケースが少なくありません。仕事の方針が上司の判断で大幅に変更されることも珍しくなく、変化に対して柔軟に対応することが求められます。
また、日系企業の多くは慎重に計画を立てた上で事業を進めますが、外資系中小企業では意思決定のスピードが早く、見切り発車となることもあります。また、結果が出ないとわかれば、その時点で事業を中止とすることもあるでしょう。想定外の事態に直面しても、適切に対応できる柔軟性を備えていることは、外資系中小企業で活躍するための重要な資質といえます。
しっかり自己アピールができる
日系企業では、自己主張が強いタイプの人材は敬遠される傾向があります。直接的に意見を述べるよりも「空気を読む」「気持ちを察する」といったコミュニケーションが浸透しており、謙遜や遠慮が美徳とされる文化的背景があるからです。
しかし、外資系中小企業では、「自分の意見を明確に伝えられる」「自己アピールができる」ことが重要です。自己アピールが不十分だと、消極的な人物と思われてしまったり、優れた成果を上げたことが上司に伝わらなかったりする可能性があります。
主体的に行動できる
外資系中小企業では、従業員一人ひとりの役割が明確に決まっています。各自に与えられた役割を果たすための方策は、基本的に自分で考えなくてはなりません。すでに、スキルを身につけたスペシャリストとして採用されることから、入社研修やOJTなども日系企業ほど充実していないケースがほとんどです。
外資系企業は、業務の自由度が高いといわれることがありますが、これは個人に与えられる裁量が大きいことを意味しています。やるべきことをみずから考え、自律的・主体的に行動することが求められるでしょう。
外資系中小企業に転職するには?
外資系中小企業に転職するには、具体的にどのような準備をしたらいいのでしょうか。必要とされる準備や転職活動の進め方についてご紹介します。
英語面接や書類の準備を行っておく
外資系中小企業の採用選考では、英語面接が実施されることがあります。日本語の履歴書や職務経歴書のほかに、英文レジュメの提出を求められることもあるようです。
英語面接でよく聞かれる質問への回答は、事前に準備しておくのが鉄則です。回答の内容はもちろん、ポジションや職務に応じた英語力があるかといった点も評価の対象となります。
外資系中小企業への転職だとしても、必ずしも英語は必須ではありませんが、英語面接や書類提出があるのであれば、十分な準備をして臨んでください。
英語面接については、こちらもご覧ください。
英語の履歴書は日本の履歴書とは違い、履歴書と職務経歴書を1枚にまとめた形式のレジュメが一般的です。決められたテンプレートがあるわけではなく、記載すべき内容は日本の履歴書とは多少異なります。外資系企業に転職しようと考える場合、事前に準備をしておきましょう。志望動機や自己PRを記載したカバーレターを添えることもお忘れなく。
英文履歴書については、こちらもご覧ください。
志望する企業についてしっかり情報収集する
外資系企業といっても、ヨーロッパ系、アジア系、アメリカ系と、母体となる会社がどの国にあるかで、カラーはかなり変わります。さらに、企業それぞれでもカラーが違いますから、応募先企業に関する詳細な情報収集は欠かせません。
求人情報だけではわからない面も多々ありますので、企業のウェブサイトはもちろん、プレスリリースや経営陣のSNSでの発言をチェックするなど、できる限りの情報を集めてください。
転職エージェントに相談する
外資系中小企業の求人は、転職サイトに掲載されていないことも少なく、転職エージェントを通じてのみ応募可能な非公開求人のケースも多いです。転職エージェントに相談することで、自身の経歴やスキル、希望条件にマッチする外資系中小企業を紹介してもらうことができます。
転職エージェントでは、選考に向けた準備や情報収集をサポートしてもらうことも可能です。英文レジュメのチェックや英語面接対策をはじめ、面談の日程調整、条件交渉といった総合的な転職支援を受けられるでしょう。特に、外資系企業の選考を受けるのが初めての人にとって、転職エージェントに相談するメリットは大きいはずです。
ポイントを押さえて外資系中小企業に転職しよう
外資系中小企業の特徴と、転職するためのポイントについて解説してきました。外資系企業というと大企業を思い浮かべがちですが、企業の多くは中小企業です。
外資系中小企業への転職を考える場合は、転職エージェントを活用しつつ、しっかり準備をして選考に臨みましょう。
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