転職エージェントは、求職者にとって心強い味方です。転職エージェントに登録をすれば、転職のスペシャリストからアドバイスがもらえ、応募企業とのスケジュール調整も代行してくれるため、メリットはたくさんあります。しかし、プランもなく数多くの転職エージェントに登録をするのは得策ではありません。
ここでは、まず転職エージェントを利用する上でのデメリットをご紹介します。転職エージェントを賢く活用するには、デメリットも理解した上で、転職エージェントとの調整を進めると、転職活動がスムーズになるでしょう。転職エージェントを利用する上での疑問や、上手な利用方法なども併せてご紹介しますので、転職活動を成功させる一助としてください。
転職エージェントを利用するデメリット
転職エージェントは転職活動をスムーズに進めてくれる存在ですが、いくつかデメリットもあります。まずは、転職エージェントとのやりとりで悩みの種となりうる、6つのデメリットをご紹介します。
企業に応募するまでに、いくつかのステップがある
転職エージェントは、登録してすぐにサービスを利用できるわけではありません。
サービスの利用を開始するまでには、転職エージェントに履歴書や職務経歴書などを送るだけでなく、担当のコンサルタントと面談を行う必要があります。これは、コンサルタントが求職者のニーズや適性を明確に読み取り、よりマッチした求人を探すためでもあります。
そのため、自分で求人を見つけたらすぐ応募できる転職サイトほどは、スピーディーに転職活動を進めることはできません。
希望の求人に応募できないことがある
転職エージェントを利用しても、希望する求人に応募できない可能性があります。転職エージェントは、求職者だけでなく企業からの信頼も得る必要があります。信頼を得るには企業にマッチした人材を紹介する必要があるため、応募の前段階で企業からの条件に合致した求職者がいるか、スクリーニングをかけるのが一般的です。
その背景もあり、求職者のスキルやキャリアが企業の求める人物像にマッチしない場合、たとえチャレンジをしたい企業であっても、その求人に応募することができない可能性があります。
コンサルタントとの相性が合わない
転職エージェントを利用する上で重要なのが、コンサルタントとの相性です。例えば、入社間もない新人コンサルタントが担当になってしまった場合、経験不足のため希望しているような企業にめぐり合えないかもしれません。また、自分と性格の相性が良くないコンサルタントにあたってしまう可能性もゼロではありません。
不遜な態度が目立つ、信頼関係を築いていく様子が見えないなど、相性が良くないと感じるコンサルタントが担当になった場合、転職活動に嫌気がさしてしまうおそれもあります。
コンサルタントとの調整が頻繁に起こる
転職エージェントを利用すれば、担当のコンサルタントが企業との調整を代行してくれるので、心理的には楽に転職活動を進められます。しかし、この担当者とのやりとりがかえって面倒に感じられる人も少なくありません。面接日程の調整や希望条件のすり合わせなど、コンサルタントが何度も連絡をとってくるケースは多々あります。
複数の企業の選考が同時に進んでいる場合は、転職エージェントから毎日のように連絡が来る場合もあるでしょう。現職の仕事が忙しいときに、何度もコンサルタントから連絡が来ると、心理的にも重荷になり、転職活動がわずらわしくなってしまうかもしれません。
転職エージェントにも不得意な分野がある
どの転職エージェントにも、得意分野とそうでない分野があります。例えば、あらゆる業界の求人を網羅する転職エージェントもあれば、特定の業界に特化した転職エージェントもあります。
ですから自分が思い描いている業界や業種の求人紹介を得意としている転職エージェントを選ばなければ、ミスマッチな求人ばかり紹介されてしまうかもしれません。それでは時間ばかりが消費され、思うような転職活動にならなくなる可能性があります。
自分のペースで転職活動を進められない
転職エージェントを利用すると、自分の好きなペースで転職活動を進められないことに悩むこともあります。コンサルタントは、個人の営業成績によって評価や給与額が決まるのが一般的です。その背景から、自身の成績を上げるため、強引に転職活動を進めようとするコンサルタントと出会う可能性はゼロではありません。
時間をかけてマイペースに転職活動を進めたいのに、求職者の意向をあまりくみ取らない提案をしてくる、さらには強引に応募をすすめてくるといったケースが目についたら、そのコンサルタントとは距離を置いたほうがいいでしょう。
転職エージェントを利用するメリット
ここまでは、転職エージェントを利用するデメリットを解説してきました。転職を考えている人にとっては不安に思うことばかりを紹介してきましたが、転職エージェントはデメリット以上に多くのメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。
自分に合った転職先を探してくれる
転職を考えてはいるものの、どんな業界や企業が自分にマッチしているのかわからないという人もいるでしょう。また、膨大な数の求人情報の中から、自力で最適な応募先を探すのは大変です。
そこで利用したいのが、転職エージェントの情報力です。担当のコンサルタントは、面談などを通して共有した求職者のスキルや適性にふさわしい転職先を提案してくれます。自分では思いもよらない企業とめぐり合える可能性も少なくありません。
コンサルタントとの面談や相談は手間がかかりますが、自分に合った転職先を探してもらう上でも重要な時間となりますので、自分の情報はなるべく多く伝えていきましょう。
転職活動やキャリアについて相談できる
転職エージェントでは、転職活動や今後のキャリア形成について、その道のプロに相談することができます。自身の今後のキャリアについて不安を抱えている人は多いでしょう。「今、本当に転職するべきなのだろうか」と思い悩んでいる人もいるはずです。
そんな悩みを抱えている人も、転職エージェントを利用すればプロの視点から客観的なアドバイスを受けられます。悩みを抱えているときに、自分の視野が広がるきっかけを作ってくれたり、背中を押してくれたりするコンサルタントのサポートは、転職活動の大きな励みになるはずです。
非公開求人を紹介してもらえる
ほとんどの転職エージェントは、一般的な転職サイトなどでは公開していない、「非公開求人」を持っています。転職エージェントに登録すれば、これらの求人情報を閲覧することが可能です。非公開求人の情報を得ることができるのは、転職エージェントを利用する上での大きなメリットといえるでしょう。
また、非公開求人情報は、一般的な転職サイトに掲載される求人に比べて知る人が少ない分、求人倍率が低くなります。選考に通過しやすいという意味でも、非公開求人は求職者にとってメリットがあるのです。
企業内部の情報を教えてもらえる
コンサルタントの中には、特定の業界に精通している人も少なくありません。このようなコンサルタントから、求人票だけではわからない企業や業界の内部情報を教えてもらえることも、転職エージェントを利用するメリットです。
コンサルタントからは企業の社風だけでなく、実際に働いている人の様子や過去の転職者の事例、業界の将来性なども教えてもらえるかもしれません。転職エージェントは企業と求職者の適切なマッチングをするのが任務ですので、リアルな情報を得ることができるでしょう。
企業との調整や交渉を任せられる
転職エージェントは、企業との調整や交渉を代行してくれます。代行する業務としては、応募書類の提出や、面接の日程調整などが挙げられます。また、給与交渉のような、応募者からは言い出しにくいことも代わりに行ってくれるのが特徴です。
調整や交渉を任せられるため、働きながら転職活動をする人にとっては大きなメリットがあるといえるでしょう。
応募結果のフィードバックがもらえる
求職者は、転職エージェントから応募結果のフィードバックをもらうことができます。仮に、面接で落とされてしまっても、「どんなポイントが評価されたのか」「何が足らなかったのか」といったことがわかるため、次の応募に活かすことができます。
転職エージェントを利用する上での疑問
続いては、転職エージェントを初めて利用する方の多くが抱く疑問について、それぞれお答えします。
担当者と相性が合わなかったらどうする?
転職エージェントの担当者と相性が合わない場合、担当者を変更してもらえます。
ほとんどの転職エージェントでは問い合わせ窓口を設けており、担当者に不満があれば変更を依頼することが可能です。
紹介された求人を断ってもいい?
転職エージェントから希望に沿わない求人を紹介された場合は、断っても構いません。
ただし、断る理由はコンサルタントにしっかりと伝えましょう。なぜなら、コンサルタントは求人を断られた理由によって、今後紹介する求人を調整するからです。給与条件や仕事内容、事業内容など、断る理由はできるだけ具体的に伝えると、自分に合った求人情報を紹介してくれるようになります。
勝手に企業へ応募されることはある?
転職エージェントが求職者の同意なく、勝手に企業へ応募することは禁止されています。もし、コンサルタントが勝手に応募をしていた場合、すぐに転職エージェントの問い合わせ窓口に報告をしましょう。
転職エージェントを使うべき人
ここからは、どのような人が転職エージェントを活用すべきなのかご紹介します。悩みのシチュエーション別に解説しますので、参考にしてみてください。
転職が初めて、もしくは転職経験が少ない
初めて転職をする人や転職の経験が少ない人は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職経験が少ないと、どのように転職活動を進めていけばいいのかわからず、非効率になりがちです。その点、転職エージェントを利用すれば、応募や選考に関わる作業を代行してくれるため、転職が初めての場合でもスムーズに活動を進められます。
さらには、転職エージェントとのコミュニケーションを通して、転職活動の全体的な流れを把握できるでしょう。
転職活動に時間をかけられない
転職エージェントは、求職者の条件に合致した求人を選別し、応募にかかる作業を代行してくれるため、求職者が仕事で忙しくても、スピーディーに転職先を決めてくれます。
そのため、いち早く転職したいという人には特におすすめできるサービスです。
キャリア形成について悩みがある
転職エージェントでは、転職のプロがキャリアの相談にのってくれます。そのため、「今、転職してもいいのか」「今後、どんなキャリアプランを描いていけばいいのか」など、自身のキャリア形成について悩みがある方は転職エージェントを利用するのがおすすめです。
自分で転職活動を進めていても採用されない
「一人で転職活動を進めているものの、なかなか採用されない」という場合には、転職エージェントの活用を検討してもいいかもしれません。
自力で転職活動を進めていると、これまでに培ったスキルや適性にマッチしていない企業にばかり応募している可能性もあります。そんな状況に陥ってしまう原因のひとつが、「一人では自分を客観視しにくい」という事実です。
転職エージェントであれば、客観的な視点から求職者にマッチした求人を紹介してもらえます。長期間、うまくいかなかった転職活動が、あっという間に終わる可能性もあるでしょう。
転職エージェントをうまく利用するコツ
転職エージェントをうまく利用するためには、いくつかのコツがあります。知っておきたい5つのコツをご紹介しますので、転職エージェントを利用する際にお役立てください。
複数の転職エージェントを利用する
転職エージェントには、幅広い求人を網羅する「総合型」と、特定の業界の求人が集まる「特化型」があります。前者は、求人情報は多いものの、コンサルタントは業界ごとの専門知識に乏しい場合があります。一方、後者は総合型に比べると求人情報は少ないものの、業界の知識に精通したコンサルタントが在籍している傾向があります。
初めて転職をする場合は1社に絞らず、複数の転職エージェントを併用するといいでしょう。複数の転職エージェントに登録をすれば、自分が希望している仕事を紹介してくれるコンサルタントに出会える可能性も高まります。
複数の転職エージェントを利用する際のポイントについてはこちらの記事もご覧ください。
転職エージェントを複数使い分けるには?メリットや注意点を解説
転職エージェントに任せっぱなしにしない
転職エージェントを利用するからといって、すべてコンサルタント任せにすべきではありません。転職エージェントは確かに便利なサービスですが、すべてエージェント任せでは「転職に対する意欲が低いのでは」と判断されるおそれがあります。
転職エージェントを利用する際には、あくまで最終的な判断を下すのは自分自身であることを忘れないようにしましょう。
自分の感想や意見をしっかり伝える
コンサルタントからの意見を聞くだけで転職活動を進めていては、望まない結果を生む場合があります。そのため、自分の意見をきちんと伝えることが大切です。例えば、自分が興味を持てない業界の求人ばかり紹介されていては、転職活動のモチベーションも保てないでしょう。
そんなときは、しっかりと自分の意見を転職エージェントに伝えましょう。あなたの希望を把握できれば、転職エージェントはそれに応じた求人を紹介してくれるはずです。
仕事の環境が変わったら転職エージェントに共有する
現職の退職時期が早まったり、勤務地や給与などの条件が変わったりした場合には、すぐに転職エージェントに報告をしましょう。
転職エージェントは、求職者の事情が変わったことがわかれば、今後の転職活動のプランをすぐに修正してくれるはずです。
求職者の世代によって、転職エージェントとの関わり方は変わる
世代によって転職活動で押さえるべきポイントが変わるように、転職エージェントとの付き合い方も、求職者の世代によって変わっていきます。
例えば、第二新卒者を対象とした場合、ポテンシャル採用をする企業も少なくありません。求職者もまだ、自分が何をやりたいのか定まっていない時期でもあるため、希望する企業や業種、職種にこだわりすぎないほうが賢明です。視野を広げる意味でも、コンサルタントからの幅広い提案を受け止め、自分の可能性を広げていく観点で話を聞いていきましょう。
20代後半から30代にかけては、それまでに培った経験やスキルをどう活かすのかによって、今後のキャリアプランが大きく異なります。経験の数だけ、できる仕事の範囲が広くなっていますので、自分のスキルはどの業界のどの職種に活かせるのかをコンサルタントに聞くことで、キャリアの選択肢を広げていくことができます。
40代になると、企業から高い専門性を求められるようになります。企業から求められるスキルと経験の条件がタイトになるため、自身の専門性と合致する求人を探すのが難しくなる時期です。しかし、転職エージェントを利用すれば、求職者のキャリアに合致した専門分野でなくても、求職者の価値が提供できそうな仕事が見つけやすくなるはずです。
転職エージェントはデメリット以上にメリットが大きい
今回は、転職エージェントを利用する際のデメリットと、コンサルタントとうまく付き合っていくコツをご紹介しました。転職エージェントの利用に、デメリットがないわけではありません。マイペースに職を探したい方や、人の意見に流されやすい方には、やや不向きなサービスともいえます。
しかし、転職エージェントをうまく利用すれば、在職中であっても効率良く転職活動を進めることが可能となり、デメリット以上に多くの恩恵を受けることができるでしょう。
転職活動の経験が浅い方や、スピーディーに次の仕事を探したい方は、ぜひ転職エージェントの利用を検討してみてください。
グローバル企業で働くことは、グローバルに働きたい人や語学力を生かして働きたい人だけでなく、自分の可能性やワークライフバランスを求める多くの方にとって、多くのメリットがあります。
RGFプロフェッショナルリクルートメントジャパンでは、外資系・日系グローバル企業の案件を中心に、国内外のさまざまな優良企業の採用活動を支援しています。そのため、それぞれの方が求める最適なキャリアの選択肢をご紹介可能です。
「グローバルに働いてみたい」「より自分が輝ける場所で働きたい」「自分の選択肢を広げたい」といった方は、一度ご相談ください。業界経験豊富なコンサルタントが、みなさまのキャリアを全力でサポートいたします。