転職先の選択肢として、外資系IT企業に興味があるエンジニアもいるでしょう。どのようなメリットがあるか、英語力は必要なのかなど、気になることもたくさんあるかと思います。
外資系IT企業に転職する場合は、今後自分が描きたいキャリアをしっかり考えた上で、転職先を選ぶことが必要です。今回は、エンジニアが外資系企業に転職する際に気になる、外資系企業と日系企業の働き方の違いや転職するメリット、注意点などを解説します。
外資系IT企業の特徴
外資系企業には明確な定義はなく、「外国企業の完全子会社」「日本企業と外国企業が共同出資会社」「外国企業が買収した日本企業」「外国企業の日本支社」のいずれかを指す場合が多いです。
外資系IT企業というと、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のようなプラットフォーマー企業を思い浮かべる人もいますが、外資系IT企業にはさまざまな業種があります。まずは、代表的な外資系IT企業の業種や特徴を紹介しましょう。
外資系ITメーカー
日本の外資系企業の中でも多くを占めるのが、ITメーカーです。PC本体や周辺機器などを扱うハードウェアメーカーと、アプリケーション開発などを行うソフトウェアメーカーに分けられます。
通常、メーカーといえば製品の製造元を指しますが、IT系のメーカーは製造と販売のどちらも行っている企業が多く、明確にメーカーとベンダーが区別されていない場合があります。しいていえば、メーカーのほうがベンダーより開発の比重が高めでしょう。
外資系ITメーカーの場合は、海外で開発されたハードウェアやソフトウェアの、日本向けカスタマイズや展開、販売が主な事業です。
外資系メーカーについてはこちらの記事もご覧ください。
外資系ITベンダー
外資系ITベンダーも外資系メーカー同様、海外で開発された機器やシステム、サービスなどを日本国内向けにカスタマイズし、展開や販売を行っています。
ベンダーといえば製造元ではなく販売元を指しますが、IT系企業の場合はベンダーとメーカー同様の機能を担うことが多く、あまり区別されていません。ただし、外資系ITメーカーに比べて、外資系ベンダーで純粋なエンジニア職の求人は珍しく、プリセールス(エンジニア兼営業職)やカスタマーサポートなどの募集が多い傾向です。
外資系ウェブサービス
動画投稿サイトやSNSなどといった、ウェブサービスの開発や運用などを行っているのが、外資系ウェブサービス企業です。ウェブサービスの範囲は広く、GmailのようなウェブメールやZoomのようなオンライン会議ツール、YouTubeのような動画共有サービスなど、BtoB、BtoCを問わず、さまざまな種類があります。そのため、外資系ウェブサービス企業の求人についても、エンジニアはもちろん、営業や企画、マーケティング、人事など幅広いです。
外資系ITコンサルティング
外資系ITコンサルティング企業は大きく、ITを使って業務改革をコンサルティングする企業と、IT戦略の立案を主とする企業の2種に分類されます。DXの必要性を感じる企業が増えたことで、ITコンサルティングの需要は上昇し続けています。ITコンサルティングにはITの専門的かつ最新の知見が必要とされるため、エンジニアの需要は高いです。特に、PMやPLの経験を持つエンジニアは重宝されるでしょう。
外資系IT企業についてはこちらの記事もご覧ください。
外資系IT企業でエンジニアが働くメリット
エンジニアが外資系IT企業で働く場合、下記のようなメリットがあります。
成果主義である
外資系企業の多くは成果主義です。外資系IT企業の場合も同様で、年齢や性別、在籍年数、役職などにかかわらず、成果を純粋に評価してもらえます。成果主義というと「結果を評価される」と考えがちですが、外資系企業の成果主義は、仕事の難度や成果を出すまでのプロセス、それによる企業への貢献なども評価の対象です。自分の属性ではなく、純粋に自分の仕事が評価されると考えてください。
常に高いパフォーマンスを求められる厳しさはありますが、それをやりがいと感じられる人には大きなメリットでしょう。
裁量が大きい
外資系IT企業では、成果さえ出せば方法は問わない傾向があります。その分、裁量が大きいのが特徴です。
企業の伝統的なやり方、これまでの慣習などは関係なく、個々のスキルやこれまでの経験を活かし、成果への最短ルートを目指すことが求められます。仕事の方法や自己管理についても、自分次第で創意工夫できるのは、外資系企業で働く魅力です。
最新技術にふれられる
裁量が大きいこととも関連しますが、外資系IT企業の魅力として、最新技術にふれられることがあります。グローバルに協業するため、世界の最新テクノロジーを常に追っていなければ、結果が出せません。
ITの進化は目まぐるしいため、そういった環境で働くのは簡単ではありませんが、自身のスキルアップややりがいの面では、かなり魅力的だといえるでしょう。
開発言語が共通語になる
エンジニアが普段から利用している開発言語は、世界中どこでも共通のものが利用されています。
そのため、しっかりとしたスキルを身に着けていれば、日本支社に入社してから数年後に海外の本社でエンジニアとして活躍できる可能性もあるでしょう。
外資系IT企業でエンジニアとして働く注意点
エンジニアが外資系IT企業へ転職することは、メリットばかりではありません。ここからは、外資系企業ならではの注意点について解説していきます。
日本撤退のリスクがある
外資系企業で働く際に考えておきたいのは、日本撤退の可能性です。経営側で業績や採算、将来性などを考えた結果、部署やプロジェクト、または会社丸ごと日本から撤退するケースが少なくありません。また、外資系企業はその判断がスピーディーで、日進月歩で進化する外資系IT企業ならなおさらでしょう。
日本撤退となったら、異動や転勤ではなく、解雇となる可能性が高いです。転職前にそのリスクを理解しておくとともに、エンジニアとしていつでもどこでも働けるスキルを常に磨いておくことが必要です。
現在のスキルで評価される
現在のスキルや成果を評価されるメリットは、注意点でもあります。日系企業の多くは入社後の成長を考慮し、ポテンシャル採用を行って入社後に研修を行うことが多いですが、外資系IT企業は入社後に即戦力となる人材を採用します。
ITコンサルティング企業などでは、ITの知識があればコンサルティング経験がなくても採用されるケースはあります。ただし、直接開発に関わるような職種や顧客折衝を行うような職種では、転職活動の段階でスキルや実績が十分でないと採用されない可能性が高いです。
ハードワークになる可能性
成果主義を採用する外資系企業では、ハードワークになる可能性も少なくありません。また、エンジニアの世界はトレンドの移り変わりが激しいため、日々の業務だけでなく、日頃から最新技術を追わなければなりません。
裁量が大きいことは、責任が大きいということでもあります。求められる成果を出すために、ハードワークになる可能性は考えておきましょう。
外資系IT企業ではエンジニアとして働けない?
エンジニアが外資系IT企業に応募してたくても、純粋なエンジニアとしてのポジションを見つけることは困難な場合があります。外資系IT企業では、開発拠点は本国で、日本法人はあくまで営業拠点であるケースが多いからです。
そのため、エンジニアが検討すべきポジションとして、ITの知識や経験を活かした上でのセールスやフォローなども候補として挙げられます。
エンジニアのスキルや経験を活かした別職種の求人
外資系IT企業で、エンジニアのスキルや経験を活かした開発業務以外の求人は、主に下記の3カテゴリに分類されます。
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営業支援系
営業支援系は、エンジニアのスキルや知識を活かし、営業部門を支援します。技術支援や導入支援などが主な業務で、エンジニアとしてのスキルや経験のほか、クライアント課題の理解力や提案力も求められます。セールスエンジニア、プリセールスなどの求人があるでしょう。
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コンサルティング系
コンサルティング系は、成約後の顧客に自社製品の導入を提案することなどが仕事内容です。自社の製品・サービスに関する知識に加え、コミュニケーション能力も求められます。テクニカルアーキテクト、ソリューションアーキテクトといった求人があります。
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顧客支援系
顧客支援系は、顧客のトラブルに対応するカスタマーサポートのほか、自社の製品やサービスのさらなる活用を促進するカスタマーサクセスといった求人があります。自社の顔として顧客と関係性を築くポジションであり、開発に携わらないものの、エンジニアの知識が十分に活かせます。
エンジニアの知識を活かして外資系IT企業への転職を
エンジニアが転職する際、外資系IT企業が選択肢に上がることもあるでしょう。外資系IT企業はやりがいが大きい一方で、日本法人は日本の販売拠点であることが多く、エンジニアとして直接開発に関わる求人が少なめという特徴があります。
外資系IT企業での転職を考える際は、今後のキャリアプランを踏まえて、自分に合った求人を選びましょう。自分に合った企業がわからない、外資系企業についてもっと詳しく知りたいという場合は、転職エージェントの利用をご検討ください。
グローバル企業で働くことは、グローバルに働きたい人や語学力を生かして働きたい人だけでなく、自分の可能性やワークライフバランスを求める多くの方にとって、多くのメリットがあります。
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